目覚めよ“ハッカー魂” 革新的サービスを生み出せ!vol.3 |
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サンフランシスコ発コーディングで |
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「既存の概念にとらわれず、革新的な技術やサービスを生み出したい」などの価値観を持つエンジニア=“ハッカー魂を持つエンジニア”の 特性やワークスタイルについて探求していくこの企画。今回はサンフランシスコで、日夜コーディングで自分の思いを表現し続けるエンジニアを紹介したい。 (総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:12.02.17
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永住権を獲得、サンフランシスコで最高の「デベロッパーエクスペリエンス」に挑む
株式会社パンカク
代表取締役社長
柳澤康弘氏
(PC画面内)
江島健太郎氏
“ハッカー魂を持つエンジニア”とは?こちらをチェック!
今回紹介するパンカクは2007年に柳澤社長が立ち上げたiPhoneやAndroidなどのスマートフォン向けアプリ開発企業。これまでに「LightBike」で、米国App Store有料アプリランキングで1位を獲得したり、またスマートフォン向けソーシャルSDK「Pankia」の利用者数が海外ユーザーを中心に1200万人(2012年2月現在)を突破するなど、多くのヒットアプリやサービスを生み出し続けている、注目の企業だ。
そこで今回、注目したのは2009年に入社したエンジニアである、江島氏。実は彼、ただのエンジニアではない。前職在籍時に渡米し、シリコンバレーで会社を設立。そして江島氏が開発したWebチャットサービス「Lingr」(リアルタイムに通信ができるミニブログサービス)をリリースするが、その会社の解散に伴いパンカクに転職することになった。
その後彼が携わることになったのが、先ほど紹介した「Pankia」の開発。「ゲームというのは熱しやすく冷めやすいもの。インターフェースを通じていかに気持ちよくさせるかが大事。ゲームの開発者に対しても同じことが言えて、いかに気持ちよく開発させるかが大事。「Pankia」では、ユーザエクスペリエンスとデベロッパーエクスペリエンスの両方を追求することで、飽きずに長く楽しんでもらえる最高のゲームを生み出せる環境を築きたい」と意気込む。
アメリカでの永住権を獲得したことで、名実ともにサンフランシスコのエンジニアとして、世界に向けて活躍する江島氏ならではのハッカー魂を探っていきたい。
6歳からプログラミング〜週末コーディングで経歴ほぼ30年
江島氏の人生において重要なポジションを占めるテーマの一つが「コーディング」だ。何と6歳の頃からコーディングを始めたという。
「コーディングは、数ある表現の一つの形。人間なら誰しも他者に向けて表現したい欲求はあると思いますが、私の場合、特にコーディングで表現するという行為に、幼い頃から強い関心を持っていました」
それは現在、「Pankia」の開発中も、また業務以外でも「週末コーディング」という形で、ひたすらコーディングと向き合っている。
「前の会社の解散と共に一旦は開発がストップした『Lingr』を、業務外の時間でまた作り直しているんです。『Lingr』の開発に着手した数年前に比べ、現在の開発環境は非常に充実している。今、同じものを作るとしたらほとんどタダ同然のコストで、なおかつもっと充実したサービスに仕上げることができる。つまりそれだけ開発やコーディングの技術進化は日進月歩で進んでいて、それもまたコーディングの面白さにつながっているのかもしれません」
業務外の時間で開発しているという「Lingr」、決して単なる趣味で終わっているものではない。事実、「Lingr」は米国にいる江島氏と、日本のパンカク本社のエンジニアとの間のコミュニケーションに活用されている。相手の作業を邪魔することなくメッセージをやりとりできるため、時差のある日米間のスムーズな連携と効率の良い開発環境の構築に役立てられているのだ。
パンカクでは「Lingr」の他にも、Github、Yammer、社内ブログなど、相手の時間を拘束しない非同期型のコミュニケーションを活用して開発を行なっている。日本と米国の時差だけでなく、開発効率を追求しエンジニアの集中を妨げないことを重視した結果、このようなスタイルになったようだ。世界中の一流のハッカーが参加するオープンソースソフトウェアの開発体制と近く、ハッカーにとって理想的な開発環境なのではないだろうか。
Ruby&JavaScriptで、最高の表現をコーディングで実現する
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コーディングをライフワークにする江島氏にも、実はコーディングから離れた時期があった。「Javaが流行り出したころで、コ−ディングしてもつまらなかった(笑)。それが(コーディングから離れた)大きな理由でしたね」 そしてもうひとつ大切にしているポリシー、それは「必ず形にする」ということだ。「机上の空論に終わらせないためにも、まずコーディングで何かしら動くものを作った上で議論していくことが、みんなが気持ちよく開発していく上で重要だと思いますね」 |
国内外のハッカー魂を持つエンジニアを結びつけて、大きな目標に挑んでいく
今後の目標について江島氏は「Pankiaをブランドとして、ワールドワイドで認知されるレベルに引き上げる」ことだと断言する。アプリ開発者の、開発環境に対する要求レベルが時を追うごとに高まっている中で、さらに大きな壁に挑もうとしている江島氏。またパンカクとしても、そんな彼と、彼と繋がっている世界中のハッカー魂を持つエンジニア、さらに日本のチームメンバーを結びつけることで、大きな力を生み出し、高い目標をクリアしようとしている。そして今日も、江島氏が開発した「Lingr」を通して、活発なコミュニケーションが海を越えて飛び交っている。
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