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敵か?味方か?親兄弟か?あなたにとっての会社って何? 「愛社精神」でわかるエンジニアの誇り・悩み・技術力
「愛社精神」ってもう死語かもしれない。特にクールで個人主義が強そうなエンジニアにとっては。しかし、会社への感情ひとつであなたの誇りや技術力、仕事の満足感がわかるとしたら、いや、変えられるとしたらどうだろう? 300人のアンケートがそれを教えてくれた。
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ イラスト/今井ヨージ)作成日:06.05.31 
Part1 イマドキの「愛社精神」とは? エンジニアはこう思っている
 エンジニア300人に「勤務先企業への感情」を尋ねた。同時に、「エンジニアとしての誇り」「仕事の満足度」「会社でのいちばんの悩み」「技術力の自己評価」などを質問し、全体的な数値との比較からその特徴を明らかにした。現代版「エンジニアの愛社精神」とはいかなるものか?
会社に対してどのような感情をもっていますか?
ビジネスと割り切る人が大半だが、個性的なのは「家族愛」
 会社を「ビジネスパートナー」と見る人が半数以上。すべては仕事と納得しているせいか、このグループの人は誇りも自信も満足度も平均を上回った。一方で特徴的なのは「嫌いな相手」と「親兄弟などの家族」のグループ。会社への感情の違いがそうさせるのか、エンジニアとしての誇り、技術への思い、仕事の満足度や技術力まで、ほぼすべてにおいて正反対の結果となった。
 ただし、「家族愛」を感じるエンジニアはわずか11人と非常に少ない。データからは高度成長期の愛社精神にも似て会社も仕事も大好きで、自信は満々かつ満足度も高いが、「残業はイヤ」という点が現代版エンジニアの特性のようだ。
家族と思う人はディフェンダーで、会社を嫌う人はフォワード
 アンケートでは、「あなたの性格をサッカーのポジションで例えると?」という質問をしている。「ビジネスパートナー」と「友人・仲間」にはMF(ミッドフィルダー)が多く、「親・兄弟」は圧倒的にDF(ディフェンダー)が多かった。
 前者は同僚や仲間と組織的に動くプレーイングマネジャーを意識し、後者には「家族を守る」という気持ちが強いのかもしれない。「嫌いな人」で多かったのはFW(フォワード)で、全体平均の倍。前へと突進する意志と行動が反発を呼び、会社と反りが合わないのかもしれない。
愛社精神から見る現代版エンジニア像
Part2 誇り・悩み・技術力から見えてくるエンジニアのタイプ
 ここでは愛社精神に限らず、多くの質問から浮かび上がったエンジニアのタイプを見てみたい。300人のデータからの傾向なので、信ぴょう性に「?」をつける人もいるだろう。しかし、遠からず当たっているように感じる読者も多いのではないか。
プライドの強さが仕事も技術もレベルアップさせる
仕事の満足度も技術の評価も「誇り」次第
 エンジニアとしての誇りがあるかないか、技術が好きか好きでないか。この2要素を組み合わせて4通りの質問をしたところ、誇りがあって(誇りあり)技術が好き(技術好き)な人ほど、仕事の満足度も技術力の自己採点も高かった。どちらも極めて低いのが、誇りなしで技術嫌いの人だ。
 ここまでは当たり前かもしれない。だが、誇りなし・技術好きの人より、誇りあり・技術嫌いの人のほうが、技術力についての採点も仕事の満足度も高かった。つまり、仮に技術が好きではないと思っていても、エンジニアとしての誇りがあれば仕事は面白く、技術への自信も沸いてくるのではないだろうか。
技術力が高くなると給与や待遇への不満が増える
技術があれば人間関係や残業は仕事の内
 レベルが1から5まで上がるに連れて、特に4からが顕著で「エンジニアとしての誇りあり・技術好き」の人が急増する。仕事の満足度についても同様の傾向を示した。
 また、「会社でのいちばんの悩み」を質問した。結果は、「給与や待遇」(30.0%)、「会社の風土やシステム」(20.7%)、「職場の人間関係や雰囲気」(16.3%)、「残業など長時間労働」(15.7%)、「現在の業務内容」(13.3%)、「悩みはない」(4.0%)の順となった。
 技術力と掛け合わせると、自己採点が高くなるにつれ、「職場の人間関係」と「長時間労働」が減り、「給与や待遇」が増えてくる。つまり、技術力が高い(と思っている)人は、人間関係も残業も仕事の内であり納得はしているが、成果の割には評価が低いと感じているように思われる。
満足度、技術力、誇りのシンクロが相乗効果を生む
善のスパイラルを回すカギは何らかの充実感
 仕事の満足度が高くなるに比例して、技術力の自己採点も高くなる。特に満足度が最高の4の人は、26.1%が自分の技術力を最高の5(平均7.0%)とする自信家で、実に95.7%が、エンジニアとしての誇りがあり技術が好きと答えている。
 また、満足度の低い人ほど「現在の業務内容」「職場の雰囲気」といった実務での不満をあげるのに対し、満足度の高い人は「長時間労働」「給与や待遇」など仕事の本質とは離れた悩みが多い。
 鶏が先か卵が先かという議論はあっても、仕事の満足感、技術力への自信、エンジニアとしての誇り、仕事への愛着のどれかを高めれば、相乗効果が始まって「善のスパイラル」が回りだすことはまず間違いないだろう。
フォワード型の実力発揮は会社とのマッチングがカギ
ポジションが異なると思考型も役割意識も変わる
 半数以上が選んだMFは、仕事の満足度が高く、技術力があると自負し、エンジニアの誇りをもっている人たち。しかし、そのすべてにおいてより強い傾向を示したのがFWだ。DFは、エンジニアの喜びは社会への貢献にあると考えている人で、数の少ないGKの特徴は、エンジニアの喜びは技術進歩への寄与だと答えていることだ。
 総合的に見ると、猛進型のFWは自我が強く、業務内容や人間関係がマッチすれば能力を発揮できるが、合わなければ会社に不快感すらもってしまうタイプ。頭脳的なMFは冷静な判断力があり、平均以上の現状に満足しているようだ。守りを固めるDFは縁の下の力持ちという意識が強いのか、相手を立てて自分を抑える傾向が見える。最後の砦であり、士気を高めるGKは技術にこだわる人のようだ。
 
Part3 気持ちを変えればスキルもアップ? 理想的なエンジニアとは
 アンケート結果の傾向から、編集部が勧める「理想のエンジニア像」を導き出した。ここでの理想とは、より高い仕事の満足感と技術力を得られ、会社とも良好な関係を築けることを意味している。データを読み解けば、その道は確かに存在した。
フォワードが理想的だが落とし穴が多すぎる
 エンジニアには数少ないフォワードタイプをお勧めしたい。エンジニアとしての誇りが高く、技術が好きで、そのためか技術力には自信をもち、現在の業務にも不満が少ない。これほど幸せなエンジニアの姿があるだろうか? そして逆にいえば、誇り、技術、仕事のどれかに秀でた気持ちや成果があれば、ほかの要素は相互作用で上昇していき、おのずとアグレッシブなフォワードに近づける。これはデータが証明している。
 しかし、大きな落とし穴がある。フォワードに近づくほど自己の成長が実感できるためか自信過剰になる。すると、周囲のレベルが低く見えてしまうのか職場で浮き上がり、正当な評価をしてくれないと会社への不満が高まり、最悪の場合は「会社が嫌い」と憎しみすらもってしまうのだ。

リスク回避の特効薬に「家族愛」を使う
 その最大の防御策が「家族愛」だ。ビジネスの相手や友人であればむかっ腹が立つことでも、親兄弟なら許せてしまう。アンケートからもその傾向が確認できる。実際には自らを「フォワード」と答えて、会社への気持ちを「家族愛」とした人はゼロだ。しかし、現実にあり得ないからこそ、思い上がりへの特効薬にもなる。
 会社をビジネスの相手としてクールな関係を築き、ミッドフィルダーのように頭脳的に立ち回る。標準以上の満足感は得られそうだが、次のステージへのジャンプは難しそうだ。気持ちも技術も頭ひとつ抜け出たいと思うなら、フォワード+家族愛にチャレンジしてもよいのではないか。

データから見るエンジニアにオススメの愛社精神
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  高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ  
高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
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何となく想像がついていた「ビジネスパートナー」。ひょっとしたらと思っていた「ミッドフィルダー」。しかし、「技術が好きではない」と答えた人が合計で約2割もいたなんて。私はエンジニアではないから技術で苦労はしていませんが、面白いと思うんですよね、技術って。この2割の疑問は、別の記事で解明できればと思います。
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