【実録】モノづくりができるキーエンスにスカウト転職

[実録]一通のオファーがエンジニアを変えた！ Vol.9 自分の社外評価を知るためスカウト登録、キーエンスに転職

転職したいけど、忙しくて活動がままならない――そんな人にぜひ活用してほしいのが、リクナビＮＥＸＴスカウト。第9回は、「今の自分がどう評価されるのか知りたい」という単純な動機からスカウトに登録。約1カ月後には転職が決まったソフトエンジニアの例を紹介しよう。

（取材・文／中村仁美　総研スタッフ／宮みゆき　イラスト／大寺聡）　作成日： 05.05.25

　学生時代に画像処理の研究に携わっていたY・Mさん。大手SI系コンサルティング会社に入社して以来、教育向けや携帯電話向けなどのシステム開発に携わってきた。転職のきっかけは2004年5月から担当することになった画像の分析技術の研究。大学院での研究テーマは画像処理だったY・Mさんは、「今すぐでなくても、将来的にはこの分野に携わりたい」と考え、リクナビＮＥＸＴスカウトに登録することにした。

　社会人経験は3年未満。世間的な常識からすると、今、転職を考えるのはまだ早いのか？　そんなとき見つけたのはリクナビＮＥＸＴスカウト。これなら今の自分の価値も客観的に見ることができる。経験が少ないので難しいとは思うが、もしかしたら希望の仕事ができる会社からオファーが届くかもしれない。Ｔｅｃｈ総研の記事「企業にスカウトされるレジュメ作成術」などを参考に、レジュメを作成。少ないながらも、今まで携わってきた仕事の内容を使用言語や開発環境担当フェーズ、役割、成果などまで詳しく記入した。また、ひとことPR＆希望条件欄では、「モノづくりに携わりたい」「画像処理のスキルを生かしたい」という思いを訴えた。

　最初のオファーはなんと登録の数時間後。「入社3年間は今の会社で働かないと、社会人として認められないのでは……」という予想に反して、オファーが早速、届いたことに驚いた。でも届くのは今の仕事内容と変わらないSI企業からのオファー。「やっぱり今の経歴だとモノづくりの会社は関心をもってくれないのかな」と思ったころ、キーエンスから「ソフトウェア技術者としての職務経験に大変、興味をもちました。ぜひ、一度お会いしたい」というオファーが届いた。しかも人事ではなく現場の責任者からだ。「ちゃんとレジュメを読んでくれたんだ。うれしい」

　オファーが届いたのが週末ということもあり、返信は週明けにした。「なるべく早いうちに会って話をしたい」ことを伝えた。ほどなくして、日程調整をするメッセージが届き、10月下旬に会うことになった。「より、自分を詳しく知ってもらいたい」と思い、レジュメに大学時代に研究していた内容を追加。もちろんそのことも、メッセージで伝えた。

　キーエンス東京研究所で最初の面談は、メッセージでやり取りをしていた寒澤所長と現場の先輩。現在、携わっている仕事内容だけではなく、どんなことをしたいと思っているのかということまで聞かれた。率直に「画像処理に携わりたい」ことと「モノづくりの会社で働きたい」ことを伝えた。寒澤所長からは会社のことをいろいろ話してもらった。またこのとき、学生時代の研究テーマでも話が盛り上がった。面談時間は約2時間。転職の時期についても問われたので、来年の2月ごろには可能になりそうということも伝えた。「じっくり話せ、本当に有意義な面談だった」。

　2日後、応募する意思があるかどうか確認のメッセージがきた。この間の面談で「キーエンスで働きたい」という気持ちが高まっていた。即、「応募します」という返信をした。すると、この間の面談で1次面接はパスだという。そして11月初旬、本社（大阪）で最終面接。最終面接では「今の仕事にどんな不満があるのか」と聞かれた。その返事は「転職を考えたのはモノづくりと画像処理の仕事に携わりたかったから」。これまでの経験とともにその思いを伝えた。

　3日後、「キーエンスの一員になって働きましょう」ということが書かれたメッセージが届いた。希望するモノづくりの会社で働けるだけではなく、画像処理の仕事にも携われるのが、すごくうれしい。でも、あっという間に転職が決まったことに正直、驚いている。入社は3月に決まった。どんな仕事に携われるのか、楽しみだ。

　入社して担当したのは、開発終盤だった画像処理装置のプロジェクト。チーム一丸で発売を実現することができました。今後、新しい製品の初期から開発に携われるのが楽しみ。念願のモノづくりの現場で働けることで、かなりモチベーションが向上。今まではソフト一辺倒でしたが、ここではハードウェアに触れる機会も増えました。エンジニアとしての幅も広がると期待しています。

株式会社キーエンス

事業概要
FAセンサや制御機器、計測機器、情報機器などの開発、製造、販売

採用の背景
従来から同社では、通年採用を行っている。その中でも特に近年、積極的に採用を行っているのがソフトウェア技術者。ハードウェアに比べるとソフトウェアの進化は著しい。そのため、いかに優秀なソフトウェア技術者を確保していくかが、メーカーとしての生命線になる、という意識からである。業界内や関西地方では有名な同社だが、他業界で関東地方のエンジニアにはまだまだ知名度が低い。そこでスカウトによる採用も重視している。従来の採用だと企業は待ちの姿勢になるが、スカウトだと関心を持った人材に企業側からアプローチをできるからだ。

ポテンシャルを感じて採用を決めた

「Y・Mさんは26歳と若手。ポテンシャルを感じてのスカウトです。そう判断したのは、レジュメの書き方。これまで担当した仕事などについてしっかり、詳細に書いていた。また自分のやりたいことも明確でしたから」と寒澤氏は語る。“●●の開発”という概要だけではなく、それをブレイクダウンした内容まで書かれていたため、「こんなことができる人材だ、とイメージがつきやすかった。採用側が声をかけやすくなるレジュメの書き方でしたね」

　Y・Mさんがスカウトされた最大の理由はレジュメの書き方。それを読む企業がどんなスキルをもつ人材なのか、イメージできるようにわかりやすく詳細なレジュメ作成を心がけたこと。経歴を羅列するだけではなく、取得した特許など、その仕事で得られた成果まで記載したことがポイントとなった。またY・Mさんのように、ソフトウェア業界からメーカーへの転職というように、異なる業界への転職を希望する場合は、その思いをレジュメにしっかり書くこと。経歴だけでは伝わらない、転職に対する考えや気持ちを、Y・Mさんのように“モノづくり”“画像処理”という端的なキーワードを用いて表すことが重要だ

あなたを求める企業がある！

まずはリクナビNEXTの「スカウト」でチャンスを掴もう！

宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ

Y・Mさんは社会人歴３年未満のいわゆる「第二新卒」。仕事の知識や実務経験よりも、「やりたい」という意欲の方を重視されるケースが多いようです。とはいえ、現在の自分のキャリアや意欲が通用するかは、若手にとって未知数。リクナビＮＥＸＴスカウトではその可能性を探ることが可能です。今だからこそできるチャンスを逃さないためにも、ぜひ一度登録してみませんか？