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週刊 やっぱりR&D 求人トレンド解析室 モーターサイクル

世界市場で需要が激増している二輪車業界で、人材ニーズが急増中だ。新車開発に加え、今後の生命線と
いわれている安全・環境技術の開発競争が激化しているためだ。四輪車と基盤技術を共有するケースが
さらに増えそうで、自動車業界志望者にも必見のジャンルである。
(取材・文/伊藤憲二 総研スタッフ/高橋マサシ) 作成日:05.02.09
アジア地域の売れ行き爆発で環境対応開発も進行中
業界事情
 二輪車業界が今、市場の大幅な拡大に沸いている。国内はすでに成熟市場となって久しいが、経済成長著しいアジアをはじめとするNIES(新興工業経済地域)で需要が爆発的に増大しており、二輪車メーカー各社はフル操業の状態なのだ。
 世界最大手のホンダはここ数年で2ケタ成長を遂げてきており、2005年の世界販売はバギーを含めて1250万台に達する見通し。そのほかのメーカーも販売台数を順調に伸ばしている。

 世界的な販売増に伴って、メーカーに突きつけられる課題も増えてきている。まずは排気ガス規制や省燃費化などの環境問題。二輪車は従来、エンジンのパワー競争では四輪車以上にレベルの高い競争が行われていたが、排ガス浄化や燃焼効率では四輪車にかなり劣る。従来のキャブレターに代わる燃料噴射装置や触媒装置の搭載が研究されており、市販車への採用例も見られるようになってきた。また、安全性も大きな課題のひとつだ。二輪車用エアバッグ、ABS、トラクションコントロールなどのデバイス開発は目下の急務だ。

 世界市場が高成長を遂げているだけに、完成車メーカーはもちろん、部品メーカーに至るまで研究開発意欲は旺盛。
環境、安全問題についても、いち早くクリアできた企業が新興市場での主導権を握ることになるだけに、人的リソースを大量投入しての開発競争が繰り広げられている。
 二輪車そのものはもちろん、自動車開発で腕を振るいたいエンジニアにとっても、モーターサイクル開発は絶好のステージだ。

採用動向
 モーターサイクル関連の人材ニーズは高く、求人も常時行われている。日本は世界の中でも突出した二輪大国であるため、レベルの高い研究開発を行っている企業も多い。その分、転職希望のエンジニアはやりがいのある仕事をじっくりと選べる状況だ。
 リクナビNEXTでは「二輪車」「自動車部品」などのキーワードで検索すると、求人情報を得ることができる。

 転職先としては完成車メーカーと部品メーカーがある。ただ、最近では両者が共同で研究開発を行うケースが多く、要求されるスキルのレベルに大きな違いはない。エンジンやサスペンションといった、自動車工学についてのスキルを有しているエンジニアは当然有利だが、自動車以外のエンジニアにも門戸はかなり広く開かれている。

 ABS、燃料噴射装置、可変ダンパーなどについてはロボット、ソレノイド、アクチュエーターそのほか、電機、油圧両方のスキルが生きる。制御機器のシステム全体をまとめたことがなくとも、例えばリアルタイムOS、制御のアルゴリズムなどのコアスキルをもっていれば有利だ。精密加工機器や重電関連からの転職例も見かける。
 一方、二輪車の車体やエンジンの高度化に不可欠な金属、樹脂、コンポジット材料など材料に関するスキルも、未経験採用につながりやすい。

 非常に身近な存在であるモーターサイクルだが、投入されている技術は相当に高水準。また、二輪車と四輪車はエンジニアリング面で共通性が高く、自動車工学に関するスキルを手にできるという点では違いがなく、実際に入社後に二輪と四輪を両方手がけるケースも多い。自動車業界を目指すエンジニアは、二輪車も視野に入れて転職活動を行ったらどうだろうか。


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