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電網“Tech人”インタビュー
Vol.5「morimonのページ」森本孝さんの巻 《後編》 Vol.5「morimonのページ」森本孝さんの巻 《後編》

実際の生活でおもしろいと思えることをWebでも適用できるようにしたい
「絵伝言ゲーム」「回転寿司占い」「画像の斜めスクロール」などを開発したWebプログラマーらしいハイテク感に、「なにぬね海苔」「マンガ日記」などを描くマンガ家らしいローテク感をプラス。それが「morimonのページ」の不思議な味わいだ。Webの世界とマンガの世界、そしてもちろん現実の生活とを、森本さん自身はどのようにとらえているのだろうか。
(取材・文/森健 総研スタッフ/根村かやの 撮影/金澤智康) 作成日:04.02.25

絵伝言ゲーム画面1
森本孝

Webプログラマー、マンガ家。1970年三重県生まれ。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻・博士課程満期中退。講談社『Web現代』のWebプログラマーとして開設当初から中心的に活動。
morimonのページ

誰かが描いた絵を伝言のように改良していく「絵伝言ゲーム」、絵の作者の人となりを推測する「あなたもプロファイラー」、森本さん自身の日々を綴る「マンガ日記」など。

なりゆきで本職化した「Webプログラマー」
マンガ日記
「マンガ日記」より。仕事のあれこれから衣食住まで、森本さんの日常が切り取られている。

 大トカゲが今の日本にのんびりと現れる話や大人の女性の印であるツノに憧れる少女の話、携帯電話(PHS)で家族や恋人の距離が変わる話……。
『Web現代』に収録されている『森本孝不思議劇場 なにぬね海苔』(課金制)は、どこかシュールな気分にさせられる連載作品群だ。「マンガ日記」とは違って純粋なフィクションだが、読後に考えさせられたり、柔らかい気持ちになれたりと、ぼんやりとした共通項もある。

 まだ作品の数がそれほど多くはないため、「マンガ家」と名乗るのは抵抗があると森本さんは照れる。だが、「Webプログラマー」と呼ばれることにも恥じらいを感じるとも。絵伝言ゲームはもちろん、回転寿司占いなどの各種占いプログラム、画像の斜めスクロールなど、そのときどきの最新機能のプログラムを自ら開発してきたにもかかわらずである。

「Webプログラマーという仕事自体、何となく流れでこうなってしまったから。自分(の能力)を発達させることには興味あるんですが、今でもどうも本職と割り切ることができなくて」
 インターネットに触れたのは東京大学大学院(理学系で物性物理を専攻)修士課程の1年次。ブラウザ「モザイク」などに著しく興味をひかれ、「これはおもしろい」と思って追いかけたWebがいつしか「人の紹介で乞われて作業をしているうちに」本職化してしまった。そんな経緯に違和感を感じているのである。
 Webプログラマーとマンガ家、森本さん自身はどちらを自分の本当の姿と見ているのだろう。

「マンガ家」はサブで温存?
 クリエーティブという意味では似ているところもあるが、Webプログラミングとマンガはまったく別ものだ。森本さんのなかでも、創作過程は明確に異なるという。
「Webのプログラミングというのは、何をどう作るかというアイデアを煮詰めるまでの頭の作業が全体の9割。あとは材料をそろえてどんどん進めることができます。でもマンガのほうは、頭の中でもやもやとストーリーやイメージが生まれてきて、形にするのが非常にむずかしい」

 それに、と森本さんは言う。
「マンガは1週間描かないだけで、サッと引いた横線が変わってしまったりする。筆が鈍るんですね。マンガ日記でも、作業にタブレットは使うのですが、線を引くのは自分の手なので、作業が基本的にプリミティブで肉体的。でも、そこがいいと思うんです」
 マンガ家を目指そうと思ったのは博士課程の3年次のとき。なにもその時点で……と思えないこともないが、そんな思いもあって就職は断念。小学2年生以来の“なりたいもの”だったというのだから、かなり衝動的な話だ。

 この先、どちらの腕を主軸にするかはまだ思案中だ。「マンガ家はいつでも自分が2番目になりたい職業」としてサブで温存しておくのも手としたうえで、Webやネットワークの中だけに没入する気はないという。
「Webでおもしろいことしたいというより、実際の生活のなかでおもしろいと思えることを、Webでも適用できるようにしたいなと。そんなふうに思いますね」
■《インタビューを終えて》

テキスト版の日記では、Webプログラミングに伴う日々の苦労も読むことができます。でも、それよりも興味深いのは森本さんの購入している本やDVDへのコメント。インタビュー中も話は物理やネットワークの話へとしばしば脱線。いろんな知識や考えが常にぐるぐる回っていました。Webの世界なのかマンガの世界なのか、いずれにしても何者かになりそうな予感がします。(総研スタッフ/根村かやの)
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