光ディスク／流行の技術「光」がデバイスでも爆発

BS、地上波デジタルなどの高画質放送がスタート。それとともに、片面15GB以上の
次世代光ディスクのニーズが急拡大し、録画再生機開発の人材ニーズも沸騰している。
オーディオ・ビジュアル系のヒット商品開発に興味のあるエンジニアは注目だ。

（取材・文／伊藤憲二　総研スタッフ／高橋マサシ）　作成日:04.01.21

　光ディスク業界が熱い。PCにCD-R/RWが当然のように装備され、DVDビデオレコーダーがヒット商品となるなど、光ディスクは今や、一般のエンドユーザーにとって既に身近なデバイスである。その光ディスク業界では、早くも次世代光ディスクのデファクトスタンダード争いが激化している。

　規格が林立し、ユーザーにわかりにくい商品体系となってしまったDVDの反省から、次世代光ディスクの開発を巡ってはメーカー同士で盛んにアライアンスが組まれている。現在では規格により二大陣営が形成。一方は、ごく簡便な方式で片面15GBの容量を実現する「AOD（HD DVD）」。もう片方は、波長405nmとブラックライトに近い青紫色レーザーを使用することで、片面27GBという超高密度記録を実現する「Blu-Ray」だ。

　現在のCDやDVDと変わらないサイズで、大容量記録が可能な次世代光ディスク。デジタル放送の録画で必須となるほか、データストレージとしても使用できるため、開発競争は今後ますます激しくなると予想される。2010年には光ディスクの録画再生装置だけで、世界3兆～4兆円に市場規模が膨らむと見られる。
　エンドユーザー向けの商品からストレージのB2Bまで、幅広いジャンルにチャレンジできる光ディスク。エンジニアにとってはかなり魅力的な対象だ。

　リクナビＮＥＸＴで「光ディスク」をキーワードに検索すると、52件がヒットする（12月17日現在）。読み取り装置側は大手家電メーカー、オーディオメーカー、コンピュータ周辺機器メーカー、回路設計などの二次受けメーカー、外資系家電メーカーなど多種多彩。記録ディスクのほうもフィルムメーカー、化学メーカーなどが名を連ねる。

　転職にあたっては、CD-R/RWドライブやDVDドライブの経験があれば有利なのは当たり前だが、光ディスク未経験でもチャンスは十分にある。
　求められるスキルで圧倒的に多いのは、マイコン組み込み用ファームウェアやOSの経験。また、機器の高性能化、小型化を目的にしたシステムLSI化も進められており、LSI、IC、CPUの経験者、回路全般の経験者も有利だ。

　レーザー読み取り装置や回転系の設計では、ソレノイド、サーボ制御、モーター経験者、フォーカスおよびトラッキングの制御系の経験も生かされる。とにかく、技術的な門戸が広いことが特徴だ。自分のスキルで勝負できると感じれば、思い切って応募してはどうだろうか。