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「できること」より「やりたいこと」を優先するには?

面接時のキャリアPRで職種転換に成功したN・Wさん

半導体業界にいるけれど、情報システムへの興味が募る一方だったN・Wさん。そんなとき、会社がM&Aのターゲットとなり、今後のキャリアを改めて選択することになった。
ちょうど同じ業界で大量募集があることを知り……。
(取材・文/長谷川恵子 総研スタッフ/山田せいめい)作成日:03.11.26

活動準備編
いつでも使えるように
レジュメは定期的に
書き直す

転職の意思はあったものの……

 僕は半導体メーカーの会社に入ってまもなく転職を考え始めた。半導体開発エンジニアになったものの、情報系のシステムへの興味がどんどん強くなり、そちらの仕事をしたいと思うようになったからだ。
 でも、実際に活動を始める前に、会社からアメリカへの転勤を打診された。あちらの工場で基礎技術から最新鋭の技術までを追求できる。「それも面白そうだ」と思い、その場でOKしてしまった。
 妻には家に帰ってから話をした。彼女もあっさりしたもので、「で、いつ行くの?」と聞いてきただけ。英語なんか全然できないはずなのに、わが妻ながら度胸があるなと思った。

常に転職を意識しているアメリカ人

 こちらへ来てみて、最初は仕事に対する意識の違いに驚いたものだ。
 例えば、アメリカでは自分の担当外のことや、目標以外の仕事をしてもマイナス評価にしかならない。日本ではもともと担当がはっきりしていないので、できる人にはどんどん仕事が集まり、悪くいえば便利屋にされてしまうが、一応評価はしてもらえる。
 転職に対する考え方も違う。日本人は、転職を決意してからいろいろな準備をする人が多いと思うが、アメリカ人にとっては、レジュメを書くことは日常的な習慣だ。四半期ごとか、ひとつのプロジェクトが終わるごとに業務の棚卸しをして、完成までの期間、携わった人数、自分の仕事内容、成果などを明確にしてレジュメに加えていく。これを当たり前にやっている。

わかりやすいレジュメを作るには

 あるアメリカ人の同僚に「時間がたつと細かいことを忘れてしまうのでタイムリーに作成するべきだ」とアドバイスされ、僕も同じように、英文のレジュメを日常的に作成する習慣がついた。
 確かに、自分にどんなスキルがどうやってついたのかを説明できるようにしておくことは大切だ。客観的にスキルの棚卸しをしないと、社外でどう評価されるのかが見えてこない。レジュメを作ったら、家族や親戚などに見てもらうのもひとつの手だ。そうやってわかりやすいものを作れば、他社やほかの業界でも「この人はうちへ来て使えそうだ、伸びそうだ」と想像してもらえるからだ。
 僕は現在、社内の情報システムにからんだ仕事もかなりやっている。今後、希望する方向へシフトしていくためにも、自分のスキルはきちんと把握しておきたいと思う。
PROFILE
半導体メーカー システムエンジニア
N・Wさん(32歳)

大学卒業後、半導体メーカーに入社。所属する事業部門が他社に売却されたことをきっかけに転職。現在は社内情報システム開発とユーザー窓口を担当。
N・Wさんの転職活動DATA
前勤務先
(業種)半導体メーカー
 
(職種)半導体開発エンジニア
転職した時期
1999年9月
転職期間
(活動から退社まで)
約75日
転職理由
前職と同じ待遇で自分のやりたい仕事に就ける会社に出合った。
会社選びで優先したこと
職種と待遇(給与条件)
候補として考えた社数
1社
内定社数
1社
落ちた社数
0社
辞退した社数
0社

応募からの日数
 A社(半導体メーカー)
 
A社
1次面接
20日
2次面接
21日
最終面接
内定
35日
(2次内定)

キッカケ編
会社がM&Aのターゲットとなり、キャリアの再考をせまられる

突然の転機

 今の事業部門が、まるごと別の会社に売却されることがわかった。この業界では珍しいことではないので、それほど大きな驚きはない。
 そのまま日本の本社に戻って働くという選択肢もあるが、同じ業界のA社からも大量採用のオファーが会社あてにきていると知り、心が揺れた。
 まだ20代なので、会社に残ってセールスエンジニアなどに転換する道もある。でも、昔からずっと情報系のシステムをやりたいと思っているので、新しい会社でそちらの仕事ができるなら、そのほうがいい。実際にA社にそういうチャンスがあるのかどうかわからないが、応募してみることにした。
活動編
面接の場で希望職種をアピールしたら、思いがけないベストマッチング

事前に情報収集

 手元にあったレジュメをもとに、応募書類を作ってA社に提出した。一緒に応募する同僚や、日本にいる同僚たちにも「A社ってどんな会社?」とたずねてせっせと情報収集する。A社のサイトを見て独特の社内用語などもチェックして、準備は一応OK。
6対1で面接

 ほかの応募者と一緒に、面接のため日本へ。面接会場では先方から技術系の事業部長クラスが6人ずらっと並び、どんどん質問してくる。
 こちらからは「情報システム部門の仕事があればやりたい」とはっきり希望を伝えた。半導体開発エンジニアとしての業務の傍ら、社内の技術情報共有のためのドキュメントシステムの構築や、コンピュータサポートを担当していて「情報系の業務が好きで詳しい」ことをアピールした。以前からキャリアの棚卸しをしていたので、スムーズに話すことができた。
 すると偶然にも、A社ではこれから社内情報システムを立ち上げるところで、半導体技術やクライアントのことがわかる情報系エンジニアを求めているという。自分で言うのも何だが、それなら僕はピッタリの人材だ。先方も喜んでくれて、「明日もう一度来て部門の担当者に会ってほしい」と言われた。

2次面接で内定

 A社の本社を見学がてらもう一度面接を受けて、昨日と同じような話をした。仕事内容にはこだわるが給与を下げてまで移る気はなかったし、勤務地は日本を希望しているので、それらの条件も確認した。結果はどの条件もOK。事実上の内定だ。ここで初めて、転職が自分にとってリアルなものになった。

辞表提出

 アメリカに帰ってきてから約10日間考えて、A社に承諾の返事を出し、会社に辞表を提出した。
僕にとっての転職は、自分の価値を確認するプロセスであり、自分の価値を引き上げていくための刺激剤でもある。またいつか転職するかもしれないが、仕事を辞めるときまで「いかに成長意欲をもって楽しく働き続けるか」をテーマにしていきたい。

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