仕事から疲れて帰ると、夫が「ご飯まだ?」…家事をしない夫とどう対峙する?

「働く女性の成功、成長、幸せのサポート」という理念のもと、キャリア支援やコンサルティング、現在では結婚コンサルタントなど、幅広い領域で活躍されている川崎貴子さん(川崎さん執筆の過去記事はこちら)。そんな川崎さんが、「“共働き夫婦”に立ちはだかるさまざまなお悩み」に、優しくも厳しくお答えするこのコーナー。第1回目の今回は、奥さんからのお悩み相談。「家事を全然やってくれない夫」についてのお悩みです。

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<今回の相談内容>

とにかく、夫が家事を全然してくれません!先日、夫の方が早く帰ったにも関わらず、「ご飯まだ~?」と言われ、頭にきてしまいました。「私だって働いてるんだから、早く帰った日くらいご飯作ってよ!」と言うと、「俺だって何かと疲れてんだよ…○○(私の名前)とは仕事の内容が違うからストレスがたまるの!」と言われ、怒り心頭でそのまま家を飛び出してしまいました!こんな夫に、どうやったら家事をやってもらえるようになりますか?もう無理なんでしょうか?

(31歳・結婚2年目・子供なし)

夫は昭和の男か、それとも4歳児か。

私も先日、仕事から疲れて帰ってきて「ごはんまだ~?」と、同じセリフを言われました。

ただ、言った本人は4歳児(次女)なんですけどね。

長女は12歳なのでお腹すいてたら自分でチャーハンでもラーメンでも作ります。「皆も食べる?」と他の家族の分も。ちなみに、我が家の4歳児は一人でトイレに行けますが、うんちの時だけ親やお姉ちゃんが拭いてあげます。未だ失敗してしまうことが多いからです。

共働きが当たり前になった現代において、ご主人のその「ご飯まだ~?」は、大の大人が「うんちは自分では拭けない」レベルに未就学児であるという事を、先ずは相談者さんがしっかりと腹落ちさせなければなりません。「愛情があれば、こんな時ぐらい家事をやってくれるはず。」と思いがちですが、愛とか情とかの問題じゃないのです。現代人としての成熟度の問題です。

相談者さんが、「ひどい!」と言って家を飛び出しても、きっと何の解決にもならないでしょう。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

人間は、「甘えられる人」には甘え倒す生き物

未就学児ご主人からすれば、たまに早く帰ってきたからと言ってご飯を自分が作るという発想はありません。他の所(妻よりストレスの多い仕事)で頑張っているのだから、家は甘えても良い場所であるという認識だからです。今までも、小言は言われてたけど結局妻に作ってもらえていたら、「俺の仕事ではない」と彼の脳は学習してきた筈。最大限の抗議を表すために相談者さんが家を飛び出しても、「今日は疲れてるのかな?」「機嫌悪いな、生理なのかな?」ぐらいの受け止めようでしょう。そんなの寒空の下、ただの飛び出し損ですよ。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

最も捨てたいのは、夫!

クロワッサンの1月10日特大号の「読書アンケートで解った。最も捨てたいのは、夫!」は、なかなかにセンセーショナルな特集で話題を呼びました。クロワッサンの読者層は40代~50代の既婚女性なので、「家事や育児を手伝わない」「優しくない」など積年の恨みが噴出した結果とも言えるでしょう。10年も20年も夫を恨み、我慢して結婚生活を送るより早めに離縁した方が建設的と言えば建設的であるなぁ、とこれを読んだ時思ったものですが、はたして、恨み妻達は夫に対して正面から対峙してきたのであろうか?と思い直しました。(※DVやモラハラや浮気などは除く)

「言っても解らないから言わない」

「小言のように不満を伝える」

「機嫌悪くしているのだから察して欲しいと思ってる」

「夫に家事をやらせたら不完全だったので文句を言う」

「愛情があれば自ら気が付くはずと思い込んでいる」

これらの妻の行動と意識習慣は、私の一度目の結婚の離婚原因であり、多くの恨み妻が持つ「誰をも幸せにしない特性」です。そして、これを持ってして夫に何か働きかけることができるか?と言えば、清々しい程何も伝わらないのです。男性とは察しない生き物だとありとあらゆる媒体で書いてきたのですが、本当にそうなんですよ!

相談者さんは未だアラサーでお子さんもいないので離婚を決断するチャンスではあるのですが文面から思うに、未だご主人に対してちゃんと「問題提起」をしていないと思うんですね。

フェアじゃない人間関係は続かない

f:id:k_kushida:20170130194530j:plain共働きなのに家事をやらないで良いと思っているご主人は完全無欠にアンフェアですが、2017年現在の共働き夫婦は多種多様です。今、色々なパターンの夫婦が出来上がりつつある所でもあり、そこで浮き彫りになるのが夫と妻の情報格差です。

共働きの家事労働の実態、とか、イクメンの一日とか、家事はこのレベルやれば家計の節約になるとか、ネットや女性同士のリアルなネットワークで情報を仕入れている妻に対して、夫は何の情報も仕入れていないばかりか、そのモデルケースが昭和の「自分のお父さん」で止まっていたりします。

先ずは夫婦でその情報の格差をフェアにしなければ話になりません。

その上で、

・共働き夫婦の参考になりそうなモデルケースを見つけてベンチマーク。

・家事のタスクはどれだけあるのかを明らかに。表にして可視化できるとより解りやすいでしょう。

・分担や担当の配分がすんなり決まらない場合は、「ストレス」とか「将来性」など、数値化できない判断材料を持ち込まず、「成果」と「コミットしなければいけない時間」で決めましょう。

・男女の性別に囚われず、できるだけ互いに得意な家事を振り分けましょう。

・アウトソーシングや設備投資で省ける家事は、投資効率を考えた上でどんどん省きましょう!

妻が注意すべき点は、「これだけタスクがあるのだから、気づいたらちゃんとやってね。」という曖昧な指示を出してしまわないことです。一般的に女性脳は、物事に対して臨機応変に対応することが得意とされており、それを夫にも求めてしまいがちですが、男性脳は「自分の役割」にしてしまう方がストレス無く遂行できるそうですからその特性を見逃してはなりません。私の周囲には、妻より激務で稼ぎがあっても積極的に家事育児参加をしている男性が多数おりますが、「水曜日と土曜日は家事も育児も夫が担当」とか、「朝ごはんと洗濯は夫が担当。」などと、皆、仕事の都合で微調整ありながらも、基本は業務範囲が明確です。

愛だけで食べていけないから夫婦は一生懸命働きますが、愛だけで家事問題も解決しません。そして、例え夫婦であっても、アンフェアが続くと一緒にいる意味を失くしてしまうのは、人間同士、極自然な事ではないでしょうか?

相談者さんが、ご主人に伝わる言葉で交渉を果たし、お二人が仕事も家事も互いに助け合い、感謝しあえるご夫婦になれますよう、心よりお祈りしております。

著者:川崎貴子

1972年生まれ。埼玉県出身。
1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を展開。女性誌での執筆活動や講演多数。著書に「結婚したい女子の為のハンティング・レッスン」「私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由」「愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。」「上司の頭はまる見え。」「モテと非モテの境界線」がある。株式会社ninoya取締役を兼任し、2016年11月より、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。11歳と4歳の娘を持つワーキングマザーでもある。

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