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カジュアルな敬語「ありがたいです!」では感謝の気持ちは伝わらない?

 新入社員であれば毎日が新しいことの連続でしょう。知らないことを上司や先輩から教わることも多いはずです。上司や先輩に何かをしてもらったとき、「ありがとうございます!」と笑顔で伝えれば、きっとその上司や先輩は次も教えようという気分になってくれます。「ありがとうございます!」とよく似た言葉に「ありがたいです!」という言葉があります。もしかしたら「ありがとうございます!」の代わりに「ありがたいです!」という言葉を使っている人もいるかもしれません。でも、実は「ありがたいです!」という言葉は感謝の気持ちを伝えるのに不十分なのです。カジュアルな敬語として若者を中心に使われている「ありがたいです!」という言葉の意味、言い換え方を学んでいきましょう。

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■「ありがたい」のあとに「感謝しています」を付ける

 「ありがたい」とは、「よいことや物に恵まれて、感謝したい気持ちだ」という意味です。これだけを見ると「ありがたい」という言葉だけでも感謝の気持ちが伝わるような気がしますよね。何が問題なのか、と疑問に思われる方もいるでしょう。

 何が問題かといえば、端的に言えばカジュアルすぎることが問題です。友人同士の会話でも「ありがたい」という言葉を使うことはありますよね。「です」という丁寧語をつけたからといって、受け取るイメージが大きく変わるわけではありません。「ありがたいです!」と言われた方は、「俺は(私は)友達じゃないのに」と感じるかもしれません。上司や先輩を敬うつもりで感謝の気持ちを口にしているのに、違和感を覚えさせてしまってはもったいないですね。

 このため、「ありがたいです!」という言葉を目上の人に使うことは避けた方が無難であり、使うときにも感謝の気持ちを伝える言葉と一緒に使用した方がいいでしょう。その言葉が「とてもありがたく、感謝の気持ちで一杯でございます」という表現です。二重表現でないかと疑問に感じる方もいるかもしれませんが、伝えているのは感謝の気持ち。二重表現であっても「言い過ぎ」ということはあまりないでしょう。 

■「ありがたい」の言い換えとは

 ご存知の方も多いでしょうが、「ありがたい」という言葉の語源は、めったにない、珍しくて貴重という意味の「ありがたし(有り難し)」です。現代を生きる私たちにとってなかなかピンとこない由来かもしれませんが、人間として生を受けたことに感謝する言葉として用いられたのが始まりなのです。

 「ありがたし」という言葉と同様に形容詞である「ありがたい」を文法的に正しく使うならば、後に続くのは「です」ではなく「言葉」や「好意」等の名詞です。たとえば「御社からのご好意、ありがたく受けさせて頂きます」、「ありがたいお言葉です、感謝致します」といった使い方がよりベターといえます。

 「ありがたいです」を全体として言い換えるなら、「~していただけると幸いです」という言葉が使えます。また、メールなど少しかたくなっても構わない状況なら「~していただけると幸甚(こうじん)です」という言葉も良いでしょう。「幸甚」は、「非常にありがたいと思うこと」を意味し、感謝を伝えることができます。

 断るときにも「ありがたいです」という言葉は便利です。たとえばどうしても外せない用事が入っている日に一緒に飲もうと誘われたなら、「お誘いは非常にありがたいのですが、今日は○○があってどうしても行くことができないのです」と伝えれば、「ありがたい」という言葉がワンクッションとなって、相手もあまりイヤな気分はしないでしょう。 

■上手に使って、人間関係を円滑に

 若者を中心として、「ありがたいです!」という言葉が使用されている理由の1つに、以前に比べると厳格な上下関係がなくなってきたことが挙げられるかもしれません。このような事態は嘆かわしいことばかりでなく、会社の発展のために部下が自分の意見を言いやすくなったという点で見れば、好ましいことでもあるでしょう。しかし、言葉遣いが災いして険悪なムードが作られてしまっては元も子もありません。大切なことは日ごろから円滑な人間関係を築けるコミュニケーションを心がけることです。

私たちは言葉を使って意思疎通を図ります。もし言葉遣いが悪いと、コミュニケーションをとる度に相手方に悪印象を与えてしまいかねません。では、最後に上司や先輩との距離を縮める敬語の崩し方についてお話ししましょう。

 まず敬語を崩すときに気を付けなければならないのはTPOです。たとえば「~してもらっても良いですか?」という言葉でも、会議のような場所で使うのと飲み会の席で使うのでは与えるイメージが大きく異なります。また、敬語を崩した場合には態度や表情など言葉遣い以外の点で相手に対する敬意を示すことが重要です。最初からカジュアルな敬語を使うのではなく、相手の態度を見ながら少しずつ崩していくことも有効な手段です。相手を不快にしないように、相手との距離を縮めていくことを心がけましょう。