自分らしさとは?自分らしさを知り、自分らしさを活かした仕事を見つける方法

自分らしく活躍したいと思うけれど、自分らしさとは何なのかピンと来ない…という人は多いのではないでしょうか。自分らしさとは何か、どうやって自分らしさを知り、それを仕事で発揮していけばいいのか、ビジネスデザイナーであり自己分析やキャリアデザインに関する講座も手掛ける、Zoku Zoku Consulting代表の中野崇さんに伺いました。

電話をする若手ビジネスパーソンイメージ画像
Photo by Adobe Stock

「自分らしさ」とは何か

自分らしさとは、自分の価値観や感情、志向など、個人が持っているさまざまな要素が混じり合った「その人ならではの色」のようなものです。

ExcelやPowerPointなどの「カラーパレット」をイメージしてもらうとわかりやすいと思いますが、同じ「赤色」であっても、黄色みがかった赤やピンクに近い赤、青みが混じった赤などさまざまな赤色が存在します。

このように赤や青、黄色などいろいろな要素がいろいろな割合で混ざり合い、形成されたものが、「自分らしさ」であると言えます。そして、他者に捉われず自分ならではの色を自然に出せている状態が、「自分らしくいられる状態」です。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

自分らしく生きる・自分らしく働くメリット

自分らしさを知り、自分らしく日々を過ごすことのメリットはたくさんありますが、大きく次の3つに分けられます。

人生の満足度、幸福度が上がる

自分らしくいられる状態=「自分が楽しい、心地いいと思える状態」の時間が増えれば、仕事もプライベートもより楽しく、有意義なものになります。それにより人生そのものの充実度が高まり、満足感・幸福感を感じやすくなるでしょう。

心身ともに健康でいられる

自分らしさを出せない状態は、心身に負担がかかるもの。そんな状況に身を置き続ければ、当然ストレスがかかり、体調を崩してしまう可能性が高まります。

周りの環境に捉われず、自分らしさを出せる状態が長く続けば、ストレスを感じる場面が減り、快適に過ごすことができます。結果的に、心身の健康も維持しやすくなります。

仕事で成果が上げやすくなる

ビジネスの場で自分らしさを発揮できれば、快適に仕事をこなせるようになり、仕事に対するモチベーションも上がります。当然ながら成果も上げやすくなり、目標達成も容易になる。その結果、スキルが身につき高い評価が得られやすくなるというメリットがあります。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

自分らしさを見つけ、自分らしくいられる時間を増やす方法

人は誰しも「自分らしさ」を持っていますが、中には「自分らしさがわからない」という人もいると思います。そんな場合は、以下のステップに沿って自分らしさを考えてみるといいでしょう。

Step1:「自分が大切にしていること」を書き出し、理由を考えてみる

普段の生活の中で、「自分が大切にしていること・価値観」を紙などに書き出してみましょう。「大切にしていること」がピンと来なければ、「好きなこと・嫌いなこと」「楽しいと感じること・しんどいと感じること」を考えてみてください。

その際、「なぜ大切にしているのか」「なぜ楽しいと感じるのか」など、理由もセットで考えてください。それら理由には、自分が大切にしていることのヒントがたくさん詰まっています。

私を例に挙げると、次のようなことを大切にしています。

自分らしさを見つける「人生観=人生で大切にしていること」

同時に、書かれていないもの=そこまで大切にしていないものを書き出してみると、より自分が本当に大切にしていることや価値観が洗い出しやすくなります。

自分らしさを見つける「書かれていないものと重要な価値観」

例えばスポーツや趣味、旅行、グルメなどは、世間一般に言われている「多くの人が好きなこと・大切だと感じていること」だと思いますが、私にとってはそうでもありません。このように、「書き出す人が多そうだけれど、自分は書かなかったもの」にも注目してみると、より自分の本質が見えてきます。

そして、自分が大切にしていることの中でも、特に重視しているものが「より大事な自分らしさ」と言えます。書き出したさまざまなキーワードの中から、3つぐらいを目安にピックアップしてみるといいでしょう。私の場合は、「大切な人との時間」「楽しいかどうか」「充実した仕事」を特に重視しているのだと把握することができました。

前述したとおり、「自分らしさ」はさまざまな要素から成り立っています。キーワードの中からより重視しているものに注目し、それを重点的に満たしていくことで「自分らしくいられる状態」により近づけるようになります。

Step2:「大切にしていること」をより体感できるシーンを洗い出す

次に、大切にしていることをより強く体感できているシーンを考えてみましょう。

もし「成長することを大切にしている」のであれば、特に自分が成長していると感じられるシーン…例えば物事や時間、場所、一緒に過ごす人などを具体的にイメージしてみるといいでしょう。

その結果、高い目標に向かって仲間と一緒に走っているとき、新しい知識を習得しそれが身についていると実感できたとき、など人によってさまざまなシーンが洗い出されると思います。

成長実感を得られるのは仕事だけではないので、たとえばプライベートにも視野を広げれば、「趣味のジョギングでいつもより早く走れた」「ボルダリングで難易度の高いコースをクリアできた」などのシーンも挙がってくるかもしれません。

これらの洗い出されたシーンが、すなわち「自分らしくいられる時間」になります。

Step3:そのシーンがどれぐらい確保できているかを考えてみる

次に、Step2で洗い出された「大切にしていることを実感できているシーン=自分らしくいられる時間」が、現状の生活の中でどれぐらい確保できているのかを考えてみましょう。

あまり考えすぎず、ざっくりでOKです。「だいたい1割ぐらいかな」とか「最近は全然確保できていないな」などと考えてみましょう。そして、その時間が少ないと感じたら、どれぐらい増やすことができればもっと心地いい、もっと快適だと思えるかを考えていきます。

例えば、「仕事を楽しむことを大切にしているけれど、最近楽しいと感じる機会が減っているな。今では楽しいと思える時間は全体の2~3パーセント程度かも」と思ったら、「まずは全体の1割を目指そう!」などと目標を立てていくイメージです。

Step4:その時間を捻出するための行動計画を立てる

Step3で「改善目標」を決めたら、自分らしくいられる時間を捻出するための行動計画を立てましょう。

「新しい知識を習得して、知的好奇心が満たされること」が大切で、それが現状ほぼ確保できていないのであれば、例えば日々の行動スケジュールを振り返り、無駄な時間がないか、効率化できる部分はないか考えて実行し、捻出できた時間で独学したりセミナー参加に充てたりするといいでしょう。

「仕事を楽しむ」時間を増やしたい場合も同様に、日々の行動を見直し、ルーティン業務を効率化するなどして、新しいチャレンジや仲間との協業など「楽しい」と思える業務に時間を割くようにしてみましょう。

そうすれば、自分らしくいられる時間を増やすことができ、イキイキと快適に働けるようになるでしょう。

「自分らしさ」がわからなくなったら、診断テストなどを活用する方法もある

「自分らしさ」は、正解があるものではありません。ここでは、大切なことや価値観、好きなことという軸をベースに「自分らしさ」を洗い出し、その時間を増やす方法を解説しましたが、洗い出した「自分らしさ」が本当に正しいのか自信がない、ピンと来ないという人もいるかもしれません。

その場合は、自己分析の診断テストを活用するという方法もあります。強みや持ち味などとともに、自分が大切にしているものや価値観も見えてくるので、自分らしさを考えるフックになります。その際、自分自身で洗い出した「自分らしさ」のキーワードと、診断テストの結果を照らし合わせて判断するといいでしょう。

もしくは自分を良く知る第三者に、「私らしさとは?」と聞いてみる方法もあります。ただ、ある程度長く一緒の時間を過ごし、多くのコミュニケーションを取ってきた人でないと、見当違いの答えが返ってくるかもしれません。例えば家族や、普段一緒に仕事をしている上司や先輩などであれば、参考にできる意見が得られそうです。

【リクナビNEXTジャーナル編集部より】
リクルートでは、これまで培ってきたキャリア開発のノウハウを活かし、あなたの才能(強み)を分析することができる「グッドポイント診断」を開発!
あなたの志向を分析する質問を通じて、18種類の強みのうち5つを診断。診断結果は8568通りもあり、あなたの個性をつかむことができるかも…!

リクナビNEXT「グッドポイント診断」(無料)はこちら

自分らしく活躍できる環境探しのヒント

「自分らしさ」が洗い出されたら、そのキーワードを日々の仕事に取り入れていけば、今よりも自分らしく、快適に働くことができるようになります。

もし、「今いる環境では自分らしさを発揮できない」と感じているのであれば、自分らしさのキーワードと合致しそうな部署への異動や、別の会社への転職を検討してみてもいいかもしれません。

ある程度ターゲットが絞られたら、そこで実際に働く人と直接話せる機会を作り、「実際のところ」を聞いてみるといいでしょう。社内の部署であれば、同期や先輩のつてをたどっていけば誰かしら話を聞かせてくれるはず。

別の企業であっても、知り合いのつてをたどって社員を紹介してもらったり、その会社の社員が参加していそうなセミナーや勉強会に参加してみたりして接点を持ち、自分らしさが発揮できる環境があるかどうか、直接確認することをお勧めします。

たった3分、あなたの適職は?

適職診断

自分らしくい続けるためには、定期的に「自分らしさ」を確認することが大事

前述の方法で「自分らしさ」を把握し、自分らしくいられる環境で快適に働けていたとしても、時が経つにつれて状況が変わってしまう可能性はあります。

例えば、希望しない異動でやりたい仕事ができなくなったり、上司の異動や事業方針の変更などで快適な職場環境が失われたりする可能性は大いに考えられます。ライフステージの変化で自分自身の価値観や大切にしたいことが変化することもあるでしょう。

自分らしく活躍し、快適に毎日を過ごすためにも、定期的に大切にしたいことや価値観などを見つめ直し、「自分らしさ」をアップデートすることが大切。それを参考に、仕事の仕方や臨み方を変えたり、場合によっては環境を自ら変えたりするといいでしょう。

なお、社内で自分らしさを追求し続けるためには、「仕事で成果を上げ続ける」のは有効。高い成果を挙げ会社に貢献し続けていれば、「こんな仕事がしたい」「こんな働き方がしたい」などといった仕事に関する意見や要望も尊重されやすくなります。

同時に、折に触れて自分のやりたいこと、目指したいことなどを上司や周囲に伝え続けることも重要。1on1などの場を活かしてコミュニケーションを取り、自分の思いを発信し続ければ、「新規事業に着手することになったけれど、そういえば○○さんがやってみたいと言っていたな」など、いざという時に思い出してもらえるようになるでしょう。

Zoku Zoku Consulting 代表 中野 崇さん

中野 崇さん早稲田大学教育学部教育心理学専修卒。良品計画を経て2005年にマクロミルへ入社。事業部長として上海支社の立ち上げ、取締役として韓国支社の経営再建、執行役員としてSaaS型の事業開発・統合マーケティング部門の立ち上げ・グループ全体のMission/Vision/Value策定、電通マクロミルインサイトの代表取締役社長など、第2創業期の要職を歴任。現在はZoku Zoku Consulting代表としてスタートアップ・大手企業・NPOなど様々な法人に対して新規事業開発・組織開発のコンサルティングを提供するほか、キャリアデザイン支援・エグゼクティブコーチングも実施している。
著書に『マーケティングリサーチとデータ分析の基本』(すばる舎)『いちばんやさしいマーケティングの教本』(インプレス)など。動画講座は「キャリアデザインの始め方」「30代・40代から始めるシンプルな自己分析」「現役コンサルのChatGPT活用術」(いずれもUdemy)など。

取材・文:伊藤理子 編集:馬場美由紀
PC_goodpoint_banner2

Pagetop