キャリアを好転させる “ご縁”を手に入れるために、やっておくべき「行動とマインド」とは?

「営業活動をしなくてもクライアントが絶えない」「留学エージェントの人と知り合って、まったく縁のなかったカナダに留学」――。これが、今回お話をうかがった渡辺達文さんに実際に起きていることです。「ほんのちょっとの工夫だけでご縁は広がる」と話す渡辺さんから、人生を好転させるご縁の掴み方をお聞きしました。

渡辺事務所 代表 渡辺達文さん

早稲田大学人間科学部卒業。新卒で独立系SIerに入社し、2012年に独立。
SEの経験を活かして、個人事業主向けの独自ツール開発から行政関連の大型案件まで、クライアントと対話をしながら設計開発を行っている。システム関連の他にも、企業やNPO等でセクターを越えて活動した経験を活かして、企業の業務支援を行う。
船橋情報ビジネス専門学校 元講師。情報処理推進機構(IPA) セキュリティプレゼンター。データサイエンティスト協会 会員。

「やるべきことをやる」と意識すれば、緊張しない

――渡辺さんは、独立後に人とのつながりを通じて仕事を広げていったということですが、何かコツはあるんでしょうか。

ひとつは、私の性格もあるのかもしれませんが、まずは「緊張しないこと」が大事です。下手に緊張しなければフットワークも軽くなりますし、仕事や人間関係の幅は自然と広がっていきます。

たとえば、私が以前通っていたビジネススクールの社会起業大学では、「ソーシャルビジネスグランプリ」という、400人程度の規模のイベントが行われていたのですが、突然私に「司会をやってくれないか」とのオファーがあったんです。このときも躊躇なくOKしました。

私自身は司会の経験などいっさいなかったのですが、大規模なイベントで司会をする機会なんてそうそうないので、むしろ「ラッキー」と思って受けました。このときの経験も、私自身の糧になったと思いますし、人との縁も生まれました。

――とはいえ、それだけの大人数を前にすると緊張する人の方が多いと思いますが、緊張しないためにできることはありますか。

それは、「目の前のやるべきことをやる」ということに意識を集中することです。私は、司会を任されたときもそうですが、仕事であれNPO活動であれ、条件がよほど悪くなければやることにしていて、いったん「やる」と決めてしまえば緊張することはありません。

ただの出会いを“ご縁”に変えるために必要な姿勢

――人との出会いを増やすために意識していることはありますか。

やはり、人のいる場所に積極的に行ってみることでしょう。セミナーでも異業種交流会でも、何でもいいと思いますが、まずはそうした場に顔を出しておくと、自然と出会いは増えます。

そのうえで、私が意識しているのは、“少しだけ目立つ”ということなんです。私は服装も人とは少し違う雰囲気のものを選ぶようにしていますが、態度をちょっと変えるだけでも、ぜんぜん違いますよ。

――態度というと、具体的にはどのようなことでしょう。

私自身、セミナーでお話することもあるので感じますが、「聞いている人が退屈そう」に見えると気になってしまうんですよね……。反応がないと、やはり不安になります。でも、逆に何かしらの反応をしてくれる人を見つけると嬉しいですし、その人のことは気になるものです。

ですから、私もセミナーなどに参加して、聞く立場になったときには、講師の顔を見てうなずいたり、あらかじめ質問を考えておいて質問をしたりということをしています。そういうふうにして目立っておいて、名刺交換をすると仲良く会話できることが多いです。

ちなみに、名刺交換のチャンスは、セミナーが終わった“直後”です。いつも感じるんですが、セミナーが終わってから、参加者が講師と名刺交換をはじめるまでにちょっとした間があるんですよね。おそらく参加者が遠慮しているからだと思いますが、私はこの時間を狙って真っ先に名刺交換をするようにしています。

――いつから、そういうことを意識されていたんですか。

いつからというのは考えたことがありませんが、小学校の先生の影響があるのかもしれません。その先生は、「授業で話しているときに、反応してくれると嬉しい」と仰っていて、私も相づちなどをして褒めてもらうこともありましたから。

これは小学生でもできるわけですから、大人もやろうと思ったら誰でもできますよね。頷くだけでもいいですし、メモをとるのもいいでしょう。講師の方に手応えを感じてもらうような雰囲気を作るように意識することが大切です。

会話するときにも、できることはありますよ。もし本を出されている人であればその本について触れてみる。セミナーで講師の方が話していた内容を引用しながら話をする――。そんな感じですね。例えば、講師が自己紹介で「インドが好き」という話をしていたら、どういうところが好きなのか深掘りしてみるといいでしょう。

――まずは相手に興味を持っていることを示すことが大事なんですね。

そうです。特に異業種交流会などでは、みんな自分の話をしたがってきている部分があるので、耳を傾けると喜ばれます。ただ、私が一方で気をつけているのは、「自分の話も少しは入れる」ということです。

というのも、以前は聞くことばかり意識していて、「渡辺ってどういう人なんだっけ」と思われることもあったので。もちろんバランスが必要ですが、相手の話を聞きながら、自分の話をするようにしたところ、仕事につながることもありました。

例えば最近、Googleマップなどの地図エンジンを最適化する「MEO」や、セキュリティに関する「サイバー保険」といった個人的な関心を話したところ、「詳しく教えて」と言われることもあり、その後のセミナーなどの仕事につながりましたね。

ただの飲み会が、全く縁のなかったカナダに運命を運んだ

――人との出会いを増やしていくと、人生も変わりそうですね。

そうなんです。実は私は間もなくカナダに留学するのですが、これも元をたどると知人から誘われた飲み会でした。その飲み会に留学エージェントの社長が来ていて、ITコンサルとして仕事をお手伝いするようになったことがきっかけです。そこからさらに縁がつながり、仕事の一環として、カナダで勉強することになりました。

これは自分が意図的にやった行動というより、むしろ関係者の方の協力があってのことなんですが、貴重な機会ですよね。ひとまずカナダ留学は2カ月の予定ですが、国内の仕事の状況によっては、もう少し長くいるかもしれません。

――初めての留学だと思いますが、不安はないですか。

意外と大丈夫です。やはり緊張しない性格だからかもしれません。相手が外国人でも、特に意識はしていませんね。ただ、英語は中学生の頃にテストで2点を取ったくらい苦手だったんですが(笑)。でもせっかくの機会ですから、英語を覚えて帰ってきたいと思いますね。

――今後の縁の広がりも楽しみですね。それでは、最後に今後の活動についてお聞かせください。

「これをやる」というふうには具体的に決めていません。でも、漠然と考えていることが、後になって実現するということがよくあるので、いずれ形になって気づくこともあると思います。もともと興味のあったコンサルティングやドラムコーチも、今では仕事になっていますから。

会社を作ることも考えてはいますが、どんなことを事業にするのかを、もう少し深掘りしていきたいと思っています。カナダ留学を機に、海外に仕事を広げる可能性もあるでしょう。自分のこれからを考えるうえでも、とにかく人とのご縁を作り対話をすることがヒントになると思っています。

――前編を読む
文・小林 義崇 写真・刑部友康

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