プライベートでも仕事でも、メールは読んでもらわなければ意味がありません。特に仕事では、件名の書き方ひとつでスルーされてしまう可能性があります。
なるべく早く・確実に開封してもらえるメールにするためには、「まずは一覧で目につく件名にすること」が大切ですよね。では、どんな件名にしたら良いのか、ポイントを押さえてご紹介します。
件名の基本 4つのポイント
前述の通り、メールチェックの段階でメールを開封する優先順位を件名で判断している人は少なからず存在します。このため、必要のない情報まで長々と書くと、読むのが面倒くさくなり後に回されてしまう可能性もあります。できるかぎりパッと見てわかりやすい、シンプルな件名を心がけましょう。
会社によって書き方はあると思いますが、基本のポイントは下記の3点です。
ポイント1.できるかぎり短く簡潔に
ポイント2.用件を明確に、わかりやすく
ポイント3.具体的な返信期日などがある場合は、件名にも日時を記載する
3つのポイントを押さえた例文を見てみましょう。
例)
○月○日の会議の詳細(○○部 田中太郎)
○○開催イベントの詳細と参加可否について 期日:○月○日
会社訪問のお礼(株式会社○○ 田中 太郎)
**
丁寧さを残したい場合も、なるべく長くなりすぎないよう簡潔に書くと良いでしょう。
例)
【○○様】会社or店舗名:お問い合わせいただいた件へのご回答です。
【ショップ名】お問い合わせいただきありがとうございます。
**
英語の場合も同様です。簡潔にわかりやすい内容で送りましょう。
例)
Price Quotation for ○○(○○見積もり依頼の件)
Thank You for Your ◯◯ (◯◯をありがとうございます)
Final notice on◯◯ (◯◯についての最終通告)
英語の場合、よく使う単語は事前に調べておき、まとめておくと便利です。
ポイント4.挨拶メールやアポイントを打診するメールは件名に自分の素性を入れる
お客様にメールを送る時は、どこの誰が送ったメールなのかを件名に置きましょう。特に初めての挨拶は、会社名や名前などの情報を入れるのがおすすめです。どこの誰が・どんな用件でメールをしたのかが伝わらなければ、メールを開いてすらもらえない可能性もあるためです。
メールの件名に会社名や名前を記載することで、信用が生まれます。親しい間柄であれば必須ではありませんが、なるべく記載するよう心がけましょう。
例)
引き継ぎのご挨拶(○○商事 田中太郎)
○月○日開催の会合について(田中太郎)
担当者変更のお知らせ(○○商事 田中太郎)
件名で差をつける3つのポイントと注意したいこと
ここでは、基本のポイントから一歩進んで、目を引く件名にしたり、丁寧な印象を与えるポイントをお伝えします。
ポイント5.【】(墨付きカッコ)などの記号を利用する
カッコなどの記号があると、視認性が上がり、目に付きやすくなります。また、メールの内容がわかる端的に分かる情報をカッコ内に含めることで、「そのメールは何のメールなのか(報告か?連絡か?または返信不要か?等)」といった優先度を一目で判断できるようになるのも利点です。
例)
【返信不要】○月○日の謝恩会の詳細
【お知らせ】給与の振り込み期日変更について
19時から会議です。【以上】
社内宛のメールであれば、【以上】などの情報を記載することで、メールを開かずに内容をすべて件名だけで知らせることも可能です。
ポイント6.複数の要件がある場合は、件名で用件を併記する
複数の要件がある場合、件名にはそれらを簡潔に示します。数が多い場合は、要件の数を記載すると伝わりやすいでしょう。また、主軸となる要件があれば、それを記載し、他にも伝えることがある旨を記載するとわかりやすくなります。
例)
(1)○○の件(2)××の件(○○商事 田中太郎)
【ご質問】○○と○○について
資料ご送付のお願い/○○の仕様についてのご確認
○○の件とそれに付随する3つの要件について(株式会社○○ 田中太郎)
ポイント7.返信するとき「Re:」は基本的につける。ただし用件が変わったら件名を変える
返信するときは基本的に「Re:」を付けた状態でやり取りをします。
会社によっては、複数人が同一のメールアドレスを使ってやり取りするケースもあり、件名をいじらずに「Re:」を付けたまま返信した方が、どの担当者が対応している案件かわかりやすい場合もあるためです。
もし途中で用件が変わった場合は件名を変えておきましょう。後から見返す時に、「何のやり取りをしていたのか」がわかりやすくなるというメリットがあります。
件名で避けた方がよい(やらない方がよい)こと
ポイントを押さえた上で、件名で避けた方が良いことを3つご紹介します。
1.「緊急」や「大至急」「重要」などは、本当に重要な内容や期日が迫っている内容でないかぎり使わない
注目を集めたいだけ、または相手にとって重要な内容ではないメールに「緊急」や「重要」などの言葉を使用するのはやめておきましょう。次回から見てもらえなくなる可能性もありますし、仕事の足を引っ張ってしまい、不快な思いをさせてしまいます。
2.日付があいまいな件名や冗長な文章は避ける
文章が冗長であったり、期間が大雑把でわかりにくい件名は相手にとっての優先順位を下げてしまいます。また、件名は文章を書く場所ではありません。余計な前置きや挨拶は件名を見にくくしてしまいます。また、あまりにも長いと件名の最後の部分が切れてしまい誰のメールかわからなくなってしまう場合もあります。件名で確認しなくても良い情報は記載しないようにしましょう。
NG例) 春ごろに開かれる新入社員を歓迎する飲み会の参加可否について【つきまして3月ごろまでに返信下さい】
NG例) この前お話しにあった、○月○日に○○で開かれる会議の詳細をお送りします。○○部田中太郎
3.機種依存文字の利用は避ける
㈱や①などのカッコ付きの略称や囲み文字は機種依存文字と言い、PC環境によって文字化けする可能性があります。仮に件名が文字化けしてしまうと、
「=?UTF-8?B?(読めない文字列)」
など意味不明の文字列が表示されてしまい、相手を混乱させてしまいます。できるかぎりビジネスメールには環境依存文字を使用しないようにしましょう。
ポイントまとめ
今回ご紹介したポイントをまとめます。
<ビジネスメールの件名で押さえておきたい7つのポイント>
- できるかぎり短く簡潔に
- 用件を明確に、わかりやすく
- 具体的な返信期日などがある場合は、件名にも日時を記載する
- 挨拶メールやアポイントメールは、件名に自分の素性を入れる
- 【】(墨付きカッコ)などの記号を利用して視認性を上げる
- 複数の用件がある場合は、件名で用件を併記する
- 返信するとき「Re:」は基本的につける。ただし用件が変わったら件名を変える
<避けた方が良い3つのポイント>
- 「緊急」や「大至急」「重要」などは、本当に重要な内容や期日が迫っている内容でないかぎり使わない
- 日付があいまいな件名や冗長な文章は避ける
- 機種依存文字の利用は避ける
はじめにご紹介した通り、メールは件名ひとつで開いてもらえるかどうかが変わります。件名は相手を気遣い、また確実に開封してもらうための重要な場所です。相手に伝わりやすい件名を作り、ビジネスメールを使いこなせるようにしましょう。
監修者:瀧本 博史 (キャリアカウンセラー)
産業カウンセラー/2級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)。
「心のケア」ができるのと同時に国家資格者のキャリアコンサルタントとして前向きな働き方を提案し、新卒から高齢者までの一人ひとりの方へ「個性」と「適性」を尊重した、きめ細やかなアドバイスを行っている。キャリアカウンセリングに加え、ビジネスマナーにも精通。
文:リクナビネクストジャーナル編集部