商談の「勝率」を上げる心理学とは?―「チャルディーニの法則」と「ザイアンスの法則」

人間の心理をまとめた法則として、「チャルディーニの法則」と「ザイアンスの法則」があります。実はこの2つ、営業や交渉の席で役立つノウハウが満載なんです。(しかもビジネスのみならずプライベートでも幅広く応用できる考え方でもあります。)今回はそんな2つの法則について解説していきます。

「チャルディーニの法則」と「ザイアンスの法則」|商談の勝率を上げる心理学基礎__画像

チャルディーニの法則とは

社会心理学者ロバート・B・チャルディーニが提唱した相手を自分の思い通りに誘導する6つの心理法則、それが「チャルディーニの法則」です。マーケティングや営業などの分野では、この法則が広く知られ、実践されているようです。この法則の6つの要素は次の通りです。

・「返報性」

人間は誰かに親切な施しをうけると、それに対してお返しをしなければならないと思う心理を指します。これを応用して、自分が何かを欲するときや要望を通したいとき、まず相手の要望を受け入れて妥協点を見出すという手法があります。

・「一貫性」

人間は自ら決めたことに対して、それを正当化する行動に走るという心理のことを指します。あえて相手に決断を任せることによって、その後も持続的に約束を守ってもらうという使い方ができそうですね。

・「社会的証明」

自分以外の誰か(第三者)の評価を、物事の判断基準にしてしまうという心理です。たとえば「満足度No.1」「世間で大流行」といったフレーズにひかれて何かを買ってしまう場合は、第三者の評価で判断しているともいえます。

・「好意」

親密であったり友好的であったりする人物からの頼まれごとは、受け入れてしまうという心理です。これは一般的によくあることでしょう。

・「権威」

自分より立場が上の人物や、目上と感じる人物には自然と従う心理を指します。肩書・資格・知名度などで自分を信頼させ、要望を押し通すという使い方が考えられます。

・「希少性」

いわゆる「残り物には福がある」という考え方に近いかもしれません。「限定〇個」「残り10セット」などの売り文句でレアな雰囲気を醸し出し、貴重だと感じさせることです。

いかがでしょうか。どれもなるほどと頷けるものばかりではないでしょうか。ビジネスだけではなく、さまざまなシーンで応用が利きそうですね。

ザイアンスの法則とは

チャルディーニの法則と並んで有名な心理法則に、ザイアンスの法則があります。ザイアンスの法則は、「単純接触効果」を提唱したものといえるでしょう。ザイアンスの法則をまとめると「人間は全く面識のない相手には冷たく接し攻撃的になるものの、その後顔を合わせる回数を増えるごとに好意が増していく。また、人間的な一面を見たときに一層強く相手に好意を持つ」というもの。確かに全くの面識の無い営業マンよりも、隔週で訪問して来る営業マンに対する態度の方が柔らかくなりますよね。

人間関係に一定の距離感があるビジネスシーンでは、この法則が効果的に働きそうです。近すぎず遠すぎず、その上で好意や安心感を抱いてもらうためには、ザイアンスの法則が参考になりそうですね。

商談におけるチャルディーニの法則とザイアンスの法則の使い方

チャルディーニの法則やザイアンスの法則を商談に応用するとどうなるでしょうか。まずザイアンスの法則に従って、顧客との会話を一定期間繰り返します。最初は顔を覚えてもらい、たまにプライベートな話題などを織り交ぜることで警戒心を解いていきましょう。

もちろん、顔を覚えてもらうだけではダメ。顧客が欲しがっている情報があれば無償で提供し続けましょう。これはチャルディーニの法則である返報性を狙った行動です。何度か有益な情報を提供し続け、警戒心が解けたかな?と感じたら、具体的な商談を持ち掛けます。すぐに契約に結び付くことは無いにしても、「色々情報をくれたから」という返報性の法則で、話を聞いてくれる機会ができるかもしれません。

さらに、営業トークにも法則が適用できます。「他社さんからも好評いただいている」や「残りの在庫が少ない」などといった社会的証明や希少性をアピールする言葉を織り交ぜていくのです。

万が一なかなか成立に至らない場合、自社の上司を伴って来訪してみましょう。これは権威の効果を狙った行動といえます。役職付きの人間を伴うことで、信用度をアップさせる作戦です。めでたく商談成立となったら、一貫性の法則によって契約の継続を狙うという作戦も考えられます。

実際には、これほど順調に事が運ぶことは少ないかもしれませんが、ビジネスシーンで応用できる機会が沢山ありそうですよね!

いかがでしたでしょうか?チャルディーニの法則やザイアンスの法則も、まさにビジネスの基本となる心理をまとめたもの。実は、どちらも多くのデキる営業マンが取り入れている手法なんです。顧客心理をうまく掴んで、より深い信頼関係の構築に役立ててみてくださいね。

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