覚えておきたい!勘違いしがちなビジネス敬語まとめ

 社会人には、あらゆるスキルが求められます。仕事力はもちろんですが、身だしなみや言葉遣いといった基本的なマナーは社会人といて覚えておくべきことです。なかでも使いこなしたいのが「敬語」です。とはいえ、正しい使い方ができている人は意外と少ないもの。大事な取引の場面や、得意先に送る書面等、文章を使う場面はたくさんあります。そこでビジネス敬語をきっちり使いこなせないと、仕事がうまくいかないことも。今回はそんな「敬語」について、間違いやすい敬語をいくつかあげながら、正しい使い方を紹介します。

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なぜ敬語は必要なの?

 そもそも敬語はなぜビジネスの場面で必要なのでしょうか。その理由は大きく3つ挙げられます。

 1つ目は当然、「相手を敬う気持ちを表すため」です。接客をするときにまず習うのが敬語などの言葉遣いです。店員はお客様に対して、不快な思いをさせないように、相手に敬意を払わなくてはなりません。そこで重要なのが、言葉遣いと動作なのです。いかに深いおじぎができていても、敬語が使えなくてはお客様は不快に思うことでしょう。日本では古くから敬語が使われてきたため、「使われないと不快に思う」人も多いようです。

 2つ目は「立場をハッキリさせるため」です。上司に対して敬語を使うのは、当然上司を尊敬しているという意味もありますが、ビジネスの場ではそれ以上に立場を明確にする意味を持ちます。例えば、取引先に上司と二人で訪ねたとき、取引先の担当者の前で自分の上司にタメ口を使っていたら、担当者はどう思うでしょうか。上司はもちろん不快に思いますが、取引先の担当者も戸惑うことでしょう。どちらが上司なのか、と疑問に思うはずです。このようにビジネス敬語は、立場をハッキリさせる効果もあるのです。

 3つ目が「コミュニケーションを円滑にするため」です。前に述べたとおり、日本では敬語を使うのが慣習になり、当たり前とされてきました。適切な場面で正しい敬語が使えないと、思わぬトラブルを生むこともあります。確かに敬語は堅苦しいイメージがあり、使いこなすのは簡単なことではありませんが、きちんと習得することでメリットはたくさんあるのです。

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日頃から意識したい間違えやすい敬語まとめ

 敬語を習得している人の中でも、意外と間違えて使っていることがあります。いくつか紹介します。まずよく耳にするのが「おっしゃられる」。一見すごく丁寧な言い方のように思えますが、これは二重敬語と呼ばれるもので、正しい使い方ではありません。本来「言う」を表す尊敬語「おっしゃる」に、敬語の基本である「~られる」をくっつけたものです。この場合は、「おっしゃる」か「言われる」が正しいです。

 次に「了解です」という言葉。SNSやメールで業務内容のやりとりをすることも多くなりましたが、何気なく使われるのがこの言葉。「了解」という言葉自体は、「物事を理解して承認する」という意味で、敬語ではありません。承認というニュアンスを持つために、目上の人に使うのはあまり適切とはいえません。「承知しました」や「かしこまりました」で代用できる言葉なので、「了解」を使うのは避けたほうが無難です。

 それから「なるほど」というのも敬語としては不適切な表現です。特に相手の言ったことに対して口癖のように相槌として使う人も少なくありませんが、止めましょう。「おっしゃるとおりです」というのが適切です。他にも、「~させていただく」という言葉は、正しくは「~いたします」、「~になります」は「~でございます」というように細かくあげていけばきりがありません。敬語を正しく使えないことで、相手から低く見られたり、取引を断念されたり、ということは意外とあるもの。敬語の書籍など多く出版されているので、確実にマスターしておきましょう。

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思わず使ってしまっている言葉や表現

 間違って使われている敬語と似ていますが、本来正しくないのに勘違いされて広く使われている敬語もいくつかあります。一般的になってしまっているのが、「ご苦労様」というフレーズ。これは目上の人が目下の人に使う言葉とされています。そのため、上司に向かって「ご苦労様」とねぎらうことは不適切なのです。代わりに「お疲れ様です」という言葉は目下の人から目上の人へ向けて使っても問題ありません。意外と混同して使われている言葉です。

 それから「とんでもございません」という言葉は、よく店員が使っていますが、これも間違い。「とんでもない」という言葉の「ない」を敬語にしたものと考えられますが、それだと「とんでもある」という言葉があることになってしまいます。正しい使い方は「とんでもないことでございます」です。少し回りくどく聞こえてしまいますが、本来はこちらが正解なのです。ただ、広く一般的に使われるようになってしまった敬語については、少し注意が必要かもしれません。というのも、間違った使い方を上司や取引先が使っていたとして、部下の自分が正しい使い方をした場合、かえって不快に思わせてしまうかもしれないからです。もちろん正しい使い方をするのが正解なのですが、場面や状況に応じて使いこなすことが大切です。

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