医療系は引く手数多?!臨床工学技士の平均年収実態とは

医療系は引く手数多?!臨床工学技士の平均年収実態とは

 国家資格である臨床工学技士の制度ができたのは1987年。医師や看護師などの医療技術者と比較すると比較的新しい資格ですが、30年近くの歴史があります。主に医療現場で使われている医療機器を適正に管理し、正しく安全に操作したり、保守点検を行ったりする仕事です。現代の医療では人工心肺装置や生命維持装置を始めとする高度な医療機器が多く使われており、医療の現場では切っても切り離せない関係になっています。臨床工学技士はこの機器を専門として、正しく安全に扱えるスペシャリストが必要、といったニーズから誕生した資格です。ここでは臨床工学技士の年収について、リクナビNEXTの会員登録者データ(2010年12月~2015年11月)からリサーチしました。

臨床工学技士の平均年収は約430万円

 リクナビNEXTに登録している臨床工学技士の平均年収は約430万円という結果になりました。年代別では20代の平均年収が340.4万円、30代が453万円、40代が492万円、50代が564万円、60代が800万円と、年齢が上がっていることに比例し、年収も上がっています。なお、調査時期がずれますが、2015年11月のリクナビNEXT登録者データで見ると、全ての職種の20代の平均年収は298万円、30代が416万円、40代が495万円、50代が628万円と、40代を除き臨床工学技士の年収の方が高くなっています。

 それでは勤務先ごとに平均年収を見てみます。精密・計測・医療機器関連は460万円、医療用具・医療機器などのテクニカルサポートは517.5万円でした。また、企業規模で平均年収を比較してみると、従業員数が1000人を超える大企業で勤務する方の平均年収は約442万円、従業員数が1000人未満100人以上の中規模の企業では約454万円、100人未満の小規模な企業では約409万円という結果でした。100人未満の小さな企業だと平均年収が低めになってしまうようですが、100人を超える規模の企業であれば、大企業であってもそれほど大きな差はありません。

臨床工学技士の働く環境は

 新しく専門特化した資格であるため、最先端の機器を導入していない小規模の病院などには、まだ臨床工学技士という職種が浸透していないことも。そのため、主な臨床工学技士の活躍の現場は大学病院や専門性の高い診療所などに限られます。ただ、臨床工学技士が活躍する現場が限られている一方で、臨床工学技士を雇用するような高度な技術を求められる病院や診療所では、より専門的で責任感のある業務を任されられるケースが増えるため、臨床工学技士にとってやりがいのある現場が多いと捉える事もできるでしょう。

 実際の業務ですが、病院内において医師や看護師などとチームを組み、人工呼吸器や人工心肺といった生命維持装置の操作・管理を行います。また、透析に代表される血液浄化業務やペースメーカー、心臓カテーテル検査など、臨床における医療機器のスペシャリストとして活躍するのが臨床工学技士です。医療技術はますます発展し、高度・複雑化するなかで、臨床工学技士のニーズは今後も高まっていくと考えられます。

 なお、リクナビNEXTのデータによると臨床工学技士の半数以上が医療・福祉関連施設に従事して臨床現場に携わっていますが、メーカーや商社系企業に勤務してメンテナンスを行うなど管理業務に携わっている人も2割近くに達しています。誤作動や停止などが許されない医療機器だからこそ、管理業務も重要な仕事です。

医療機器メーカーなど企業勤務の方が年収が高い傾向

 先述で医療機器メーカーに勤務し、医療用具・医療機器などのテクニカルサポート業務を行っている場合の年収は約500万円代とご紹介しましたが、業種別で比較してみると、臨床工学技士の資格を持ち「医療機器メーカー」に勤務する人の平均年収が約575万、一方で「医療・福祉関連」の業務に従事している方の平均年収は約426万円です。実に150万円以上の差が出ていますが、この平均年収の差は年齢とともに開いていく傾向にあるようです。年代別では、20代や30代では数十万程度の差だったのに対し、50代や60代以上になると200万から300万以上の違いに。

最先端の医療機器のスペシャリストとして

 臨床工学技士という職業は誕生してからまだ間もないため、世の中の認知度は決して高くはありません。しかし、だからこそ自身の努力次第で活躍の場を広げることができ、やりがいも感じることができるでしょう。年々高度な医療が確立されていく現代において、臨床と機器のプロとして医療に欠かせない存在になることは明らかです。高度化する医療技術に伴い、最先端の医療機器への知識を持って医療現場で活躍するプロフェッショナルが今後も求められるでしょう。

画像:photoAC

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