やっぱり高年収?国家資格「公認会計士」の平均年収の実態とは

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 公認会計士となるには、まず国家試験である公認会計士試験に合格する必要があります。さらに、2年以上の会計監査・財務などの実務経験を持ち、「会計教育研修機構」が実施する実務補習を修了し修了考査に合格して、やっと公認会計士登録となります。「平成 26 年公認会計士試験結果」では、公認会計士試験の願書提出者数は10,712 人。最終的な合格者数は1,102 人と、合格率は10.1%でした。

 このような難関資格である公認会計士の資格を持っている人の年収は、いったいどのくらいなのでしょうか? リクナビNEXTの会員登録者のデータ(2010年12月~2015年11月)から、公認会計士の有資格者について調査した結果をご紹介します。

公認会計士の平均年収は767.1万円

 リクナビNEXTの2010年12月~2015年11月までの新規登録者のうち、公認会計士資格を持つ人の平均年収は767.1万円でした。年代別に見ると、20代:646.5万円、30代:757.4万円、40代:904.4万円、50代:922.1万円、60代以上:1,059.2万円と、比較的年収が高い人が多いことがわかります。

 職種別に見ると、公認会計士として監査法人などで働いている人がもっとも多く、平均年収は772.3万円とほぼ全体の平均年収と同程度となっています。さらに、年代別に平均年収を見ると、20代で679.1万円、30代で767.1万円、40代で886.3万円、50代で966.4万円、60代以上1,180.0万円と、経験を積むにしたがって年収が上がっていく傾向が顕著です。

 さて、公認会計士が就く職業で年収が高いのはどういった職種なのでしょうか?年収が高かった職種は、平均年収998.6万円の「管理部門の管理職」と、同983.3万円の「投資銀行業務・M&A業務」です。「管理部門の管理職」は、メーカー・サービス業といった一般企業で、会社全体の予算の作成や調整などを行うケースが一般的です。こうした一般企業で働く公認会計士の資格を持つ人は、40代以上で1,000万円以上の年収を得ている人が多いようです。

 「投資銀行業務・M&A業務」は、証券・投資銀行やコンサルティング会社などで、M&A関連の仕事をしているケースが多く見られます。買収対象企業のデュー・ディリジェンス(資産評価)などの業務は、数字に強い公認会計士向けの仕事といえるでしょう。20代~30代で活躍している人も多く、20代~30代で年収1,000万円、40代で年収2,000万円といったケースも見られます。

公認会計士の資格難易度と傾向

 次に公認会計士資格の難易度と傾向を見ていきましょう。最初の関門である公認会計士資格試験の合格率は、試験制度改正があった2006年度以降、以下のようになっています。

2006年度(平成18年度): 14.9%
2007年度(平成19年度): 19.3%
2008年度(平成20年度): 17.1%
2009年度(平成21年度): 10.5%
2010年度(平成22年度): 8.0%
2011年度(平成23年度): 6.5%
2012年度(平成24年度): 7.5%
2013年度(平成25年度): 8.9%
2014年度(平成26年度): 10.1%
2015年度(平成27年度): 10.3%
(金融庁、公認会計士・監査審査会ホームページより抜粋)

 試験制度改正直後の2006年度、金融審議会の方針により大量合格者を出した2007年度・2008年度のあと、一度合格率は落ちています。が、その後徐々に回復し、ほぼ10%前後で定着してきていることがわかります。大量合格時代は、試験に受かっても実務経験を満たすための受け入れ先監査法人がないという問題がありました。しかし、合格者数が抑えられたことにより、合格後の進路はむしろ決まりやすくなってきています。

公認会計士のキャリアパス

 公認会計士有資格者の職種でもっとも多いのは、監査法人などで働く公認会計士(平均年収767.1万円)です。リクナビNEXTの2010年12月~2015年11月までの新規登録者のうち、公認会計士有資格者の約3分の2が、監査法人などで働く公認会計士でした。2番目に多い職種は一般企業の経理担当(同696.1万円)で、公認会計士有資格者の約8%を占めています。3番目に多い職種は一般企業の財務・財務会計担当(同721.8万円)で、公認会計士有資格者の約6%を占めています。次は、財務・会計コンサルタント(同874.5万円)で、公認会計士有資格者の約3%でした。

 あとは、経営企画(平均年収861.7万円)、投資銀行業務・M&A業務(同983.3万円)、管理部門の管理職(同998.6万円)、内部統制(同754.8万円)、経営・戦略コンサルタント(同891.3万円)などの職種が続きます。いずれも会計・財務に関する知識や経験を活かした職種で、平均年収が比較的高いのが特徴です。公認会計士のキャリアパスは、監査法人での監査業務ほかに、さまざまな方向へ広がってきています。

最近では、企業に属しながら財務コンサル等を行う公認会計士が増加傾向

 公認会計士のキャリアとして、最近増えてきているのが、コンサルティング会社などの企業に属して、財務・会計コンサルティングを行う公認会計士です。公認会計士の多くが、監査法人などで企業の監査業務を経験していることから、さまざまな業界、さまざまな企業の財務書類や財務状態を知っています。その知識や経験を活かして、財務・税務分野についてのコンサルティング業務行い、クライアント企業をサポートします。
財務・会計コンサルタントの平均年収は874.5万円。年代別に見ると、20代:736.7万円、30代:822.6万円、40代:1,046.3万円と、公認会計士全体の年代別平均年収を上回っています。

 このように、公認会計士は、独占業務である会計監査業務のほかに、財務・会計のプロとしてさまざまな業務での活躍が可能。企業会計の公正性・透明化がますます求められるなか、公認会計士のニーズは今後も安定しているといえるでしょう。

画像:photoAC

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