ただ受け取るだけではなくしっかりと理解しよう!給料の手取り額について

給与明細書を見ると、支給額から税金などいろいろなものが天引きされています。引かれる額が大きいと気になりますが、具体的にどのようなものが控除されているか?となるとよくわからない人も多いようです。給料の手取り額はどのように計算されているのでしょうか?給料に関する用語なども紹介しながらお話しします。

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給与額と手取り額の内訳

1.給与明細書の項目

給与明細書に記載されている項目をまず確認することから始めましょう。給与明細書は大きく分けると、勤怠、支給、控除の3つで構成されています。

勤怠は勤務日数をはじめ、欠勤や遅刻早退、また有給休暇や特別休暇日数など勤務状況を表す項目です。さらに、時間外労働時間も勤怠の項目に含まれる場合があります。給与は勤怠の内容に応じて支給されるため、勤怠の欄に勤務実態が正しく反映されているかの確認は重要です。

支給の欄では基本給のほかに支払われている諸手当を確認することができます。手当の主なものは通勤手当や時間外手当、また家族手当や住宅手当などです。さらに、役職手当や資格手当などが含まれることもあります。

控除の主なものは社会保険料と税金の2つです。「給与から引かれるものはなに?」の項目で詳しく説明しましょう。

2.給与に関係する用語

給与に関する用語は似たようなものが多いので使い方を間違ってしまう場合もあります。ここで、用語の確認をしながら給与額と手取り額の内訳を見ていきましょう。

総支給額は基本給とさまざまな手当を加えた合計額をいい、給与の額面額といわれるのは総支給額のことを指しています。

また、手取り額とは差引支給額のことで、毎月の手取り額は原則として「総支給額-控除額」の金額です。

さらに、「年収はどのくらい?」と聞かれたときには1年間の総支給額の合計を答えてください。手取り額の1年間の合計は可処分所得といわれています。

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給与から引かれるものはなに?

給与から控除される主なものは社会保険料と税金です。社会保険料には健康保険をはじめ、厚生年金保険や雇用保険などの保険料、税金の中には所得税と住民税があります。

1.社会保険料

・健康保険料

健康保険に加入すると、病気やケガなどのために支払う医療費の負担を3割に軽減することができます。例えば、医療費が10,000円とすれば、自己負担額は3,000円です。また、健康保険の被保険者のうち、対象者と被扶養者は出産手当金や傷病手当金などが支給されます。

・介護保険料

40歳から65歳未満の人は健康保険料のほかに介護保険料の負担も必要です。介護保険では、高齢になって自立した生活が困難となった場合に介護サービスを利用することができます。

健康保険料や介護保険料は「標準報酬月額」に保険料率をかけて求めます。「標準報酬月額」は原則として4月から6月の3ヶ月の平均額によって決定し、その年の9月から1年間にわたって適用されます。保険料は会社と従業員が折半するため、従業員の負担割合は原則として2分の1です。

・厚生年金保険料

厚生年金保険は国民年金に上乗せして加入する形となるため、厚生年金保険の被保険者は国民年金の第2号被保険者となります。厚生年金保険は従業員の老齢や障害、死亡の際に従業員や遺族に対して年金を支給する制度です。さらに、支給要件を満たすことによって国民年金もあわせて支給されます。

厚生年金保険の保険料は健康保険と同じく「標準報酬月額×保険料率」で算出し、保険料の負担は原則として半分です。

・雇用保険料

失業した際に次の就職先を見つけるまでの生活安定や就労支援のために失業給付や教育訓練給付などが行われます。保険料は事業の種類によって異なる雇用保険料率によって算出し、いずれの事業でも会社が6割以上を負担します。例えば、「一般の事業」の雇用保険料率は平成27年度で1.35%、そのうち会社は0.85%、従業員の負担は0.5%です。

2.税金

総支給額のうち、雇用保険料、通勤費など税金のかからないものを引いた金額が課税対象(課税所得)となります。しかし、通勤手当が1カ月に10万円を超える場合には10万円を超えた部分も課税対象です。

・所得税

所得税は課税所得にかかる国税で、毎月の給与において控除している所得税は月々の給与を基準に求めた概算額です。1年間の所得税は年末調整や確定申告の際に所得控除や税額控除を行い、正しい税額を求めて精算します。なお、平成27年分以降の所得税率は5%~45%です。

・住民税

地方自治体に納める住民税には所得割と均等割があり、所得割の税率は基本的には一律10%、均等割は定額となっています。所得税と同様、住民税の所得割にも所得控除と税額控除がありますが、異なる点は前年の所得金額に課税することです。また、前年の所得から求めた住民税は6月から切り替わるため、6月の住民税はよく確認しましょう。特に、新入社員の場合、住民税が控除されるのは2年目の6月からです。控除額がアップして「急に手取り額が少なくなった」と焦らないように心づもりをしておきましょう。

その他に、給与額から引かれるものには財形貯蓄や職場の旅行積立などがありますが控除額には含まれません。

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まとめ

月々の給与から控除される健康保険料や厚生年金保険料などを見ると「高い」と感じるかもしれません。しかし、国民健康保険や国民年金の被保険者にはない給付が受けられるなど利点もあります。また、所得税は給与から天引きされるのはあくまで概算です。医療費控除などの還付申告を行うことによって所得税と住民税の節税につながるので対象となる人は忘れずに手続きをしましょう。

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