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「ランチ自転車」でお店を開拓、ランチに2時間は当たり前! ポジティブな投稿が飛び交うグルメサイトの制作現場は、食へのこだわりと元気な笑い声で満ちていた

Retty株式会社
取り組みの概要
会社所有のランチ自転車を使い、近隣の飲食店のランチを味わいながらコミュニケーションを深める
取り組みを始めたきっかけ
組織が拡大し人が増える中で、コミュニケーション場面を作るために始めた
取り組みを運用する秘訣
社員に共通する「食へのこだわり」に注目して、無理に制度化・ルール化せずに、自然なコミュニケーションができるよう環境整備
よかったこと
新しいメンバーにとって、こだわりや勢いのあるカルチャー、雰囲気をつかみやすく、業務においても交流が活発になっている

正午前、「今日はトンカツかなあ」と誰かがつぶやく

ランチ自転車に乗ってランチへ

企業サービスのイメージと、そこで働く人々の持つ雰囲気はどこかでつながっているのだろう。飲食店の良さを投稿し友達にオススメできるポジティブなグルメサイト「Retty(レッティ)」。事業拡大により人員が増え続けるオフィスは、サイトのイメージと同じように明るくにぎやかだ。

今日食べたいランチを求め、自転車で奔走

この明るさを支えている制度の一つが、「ランチ自転車」だ。至ってシンプルな取り組みで、ランチタイムになると会社の自転車を使い、その日の気分に合わせて行ってみたい飲食店を訪ねる。2~3人単位で出かけることが多いという。ただし、ランチへのこだわり方が普通ではない。

正午に近くなると、誰かがポツリと「今日は○○の気分」とつぶやく。大体はこういったシーンからスタートするという。それを聞いた周囲のメンバーは仕事の手を止め、食べたいランチのジャンルについてワイワイと議論をし、チーム分け(トンカツのチーム、カレーのチーム、パスタのチーム……といった具合に)をする。そしてそれぞれのチームが自転車に乗って出かけていく。誰と食べたい、ではなく「何を食べたい」からチームが決まるため、いつも違うメンバーになるそうだ。ランチに費やす時間は2時間程度、予算は1000円から1500円程度だという。

食に対するこだわりが強いメンバーが集まり、自然なカルチャーに

社員・インターン合わせて50人、10台の自転車を抱える同社。CFO・人事統括を担当する奥田健太さんは、「事業が成長し、組織が拡大していく中で、Rettyらしいカルチャーを失わないようにしたいと考えています」と語る。同業他社での経験を積んで中途入社してきたメンバーが多いが、「食に対するこだわりが強い」という点で全員共通しているという。新しいメンバーとも食を共通の話題にして仲良くなり、お互いを知って尊敬し合うような関係性を作っていくことが制度の狙いだ。

「Rettyが日々行っているのは飲食店の良さをシェアするサイト作りです。Rettyらしいカルチャーとは、お互いの良さを認め合ってシェアする、サイトの精神同様の社風だと思っています」と話す。

明るく仲の良い雰囲気がうかがえる社内

新しい街で、自転車を増やして…ステージが変わってもやり方は変わらない

他部署との気軽な交流がランチ自転車の醍醐味

ビジネス開発チームのマネージャーを務める高橋恭文さんは、前職も食関連の仕事。以前からランチに対してこだわりは持っていたが、ランチ自転車の魅力を「攻めていく感じが前とは違い好き」と表現する。会社から自転車で移動する距離は15分圏内だが、お目当ての店にたどり着くまでに知らない店を発見し、次回のリストに加えることも多い。「自分たちの力でお店を開拓していこうぜ」というRettyの精神を体感でき、サービス自体やユーザーの気持ちを理解することにつながったそうだ。また、営業部門のメンバーとともに出かける際は、クライアントとのエピソードを聞き、開発の参考にしている。

プログラマーの吉田隆さんは、長いフリーランス期間を経てRettyに入社。「久しぶりの会社勤めなので、最初は緊張しました」と話す。入社前の選考過程においても会社メンバーと食事をする機会が設けられていたという。「食の場は、お互いにリラックスしていて普段よりもなじみやすくなるんです。また、Rettyでは歓迎会というものがないのですが、ランチ自転車があることでコミュニケーションに困ることはありません。ランチ自転車だと、交流がなかった人とも気軽に出かけられるので、僕の場合は初めのころからさまざまな部署のメンバーとランチをして、仕事の参考にしていました」。

規模が拡大しても、変わらずにあり続けたい

ざっくばらんに意見が飛び、異なるミッションのメンバー同士が課題共有をしながら進んでいるRetty。オフィスはいつも元気な笑い声が飛び交っていて、IT企業というイメージからするとやや意外な印象を持つ。スタッフ同士の関係の良さについて、奥田さんは「エントリーマネジメント」によるものだと話す。

「経営陣やメンバーの考え方、人柄から生まれる会社のカルチャーを、入社前の面談でよく理解してもらうようにしています。ランチ自転車は、それを分かりやすく伝えるためのツールであり、フィルターでもある。ランチ自転車の取り組みを良いと思う人が集まってきているから、感覚にブレがないんだと思います」と秘訣を語ってくれた。さらなる規模の拡大に向けて中途入社のメンバーは今後もますます増えていくだろう。そのため、コミュニケーションツールを活用しつつも、「カルチャー」を通じて社員がつながる仕組みを続けていくという。

ともに経験・スキルを持ち、さまざまな組織を知っている者同士の集まり。一つの取り組みを通じて同じ肌感覚だと知っているからこそ、強い関係性が生まれて行くのかもしれない。

受賞者コメント

武田 和也 さん

自分たちが美味しいお店に出会ってHappyになろうという思いで取り組んできました。それが企業理念の『食を通じて人々をHappyに』へつながると信じています。今回の賞を受けて、現在10台の自転車を20台に増やしたいと思います(笑)

審査員コメント

大久保 幸夫

「ランチ自転車」に象徴される「食を通じて人々をHappyにする」という自社のカルチャーを伝えることが入社前後の印象の違いを無くすことに繋がり、結果、雇用のミスマッチを減らし、中途入社後の高い定着率を誇っていることを評価いたしました。

※ 本ページの情報は全て表彰式当時の情報となります。

第1回(2014年度)の受賞取り組み