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(株)リクルートキャリア 門野友彦

1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。

2013年6月26日

今週の相談者

販売経験を活かして転職したいが、自己PRに自信が持てない本間さんの場合

本間一喜さん
(仮名・27歳)

プロフィール
契約社員として食品スーパーの販売を3年間担当した後、人材派遣会社に登録し、コールセンター業務を約1年間手掛ける。任期満了に伴い、転職活動をスタートし、外食産業や小売業を中心に応募しているが、自己PRが上手くできず、落ちてしまうことが多い。
現状
  • ・書類通過率は3割程度。面接のチャンスは多いほうだと思っているが、話が盛り上がることはほとんどなく、一次面接で落ちるケースが大半。
  • ・自分のスキルに自信がなく、自己PRがうまくできない。また、「話し方が淡々としていて、冷たく感じる」と言われたことがあり、面接では抑揚をつけて話すようにしているが、緊張するとどうしても元に戻ってしまう。
相談者:本間さんDr.門野

診断スタート

販売職志望だが、話し方が暗いと言われる。別の仕事を目指した方がいい?

大学卒業後、食品スーパーに契約社員として約3年間勤務した後、人材派遣会社に登録してコールセンター業務を務めていました。今月で任期満了になるため、転職先を探しているのですが、面接がなかなかうまくいきません。

どういうところに応募しているのですか?

販売職の経験が長く、やりがいも持っていたので、小売店を中心に応募しています。また、料理が趣味で、前職では食料品の実演販売も行っていたので、外食産業の調理スタッフにも少し応募し始めています。書類通過率は3割程度と、面接の機会はいただいているほうだと思うのですが、面接が全然盛り上がらず、ほとんど一次で落ちてしまっています。

なぜ盛り上がらないのでしょう?

実は、自分の経験やスキルに、全く自信がないんです。仕事はどれも楽しかったですが、与えられた業務をたんたんとこなしてきただけ。何か大きな成果を上げたり、自ら工夫を凝らして改善したり…なんて経験はありません。実績や評価に値するものがないので、「自己PRをしてください」と言われても当たり障りのないことしか言えないんです。

なるほど…。

しゃべり方にも問題があるのではと思っています。普段から、淡々としゃべるタイプで、友人から「冷たくて暗い印象を受ける」と言われたことがあるんです。面接の場でそういう印象を持たれるのは損だと思い、できるだけ抑揚をつけて話すよう努力はしているのですが、緊張すると元の話し方に戻ってしまって…。だから話も盛り上がらないのではないかと。

あまりそんな印象は受けませんけどね。理路整然とお話しされているとは思いますが。

そうですか?こんな感じだから、販売職には向いていないと思われ、落ちているのではないか…と、最近ではIT業界や不動産業界の営業など、成長性があって求人自体も多いところに応募範囲を広げています。とはいえ結果は芳しくないですが…。

うーん。なかなか決まらないからと言って、「成長性がありそうだから」「求人が多いから」という理由だけで応募先を広げるのは、あまり意味がないなあ。本当に興味があり、やってみたいならば別ですが、おそらく本間さんの志向は、違いますよね?

はあ…。おっしゃる通りです。

これが原因!

周りに流されず、自分が本当にやりたいことは何かを見つめ直そう。アピールとなり得る材料は、日常にある。華々しい成果ではなくても、自分なりにこだわり、努力・工夫した経験を振り返ってみよう

「販売の仕事にやりがいを持っていた」とのことですが、どういう点にやりがいを感じていたのですか?

お客様から「ありがとう」のひと言を直接いただけるのが、販売の仕事の醍醐味であり、やりがいでした。私は、調味料や缶詰、レトルトなどの加工食品のコーナーを担当していたのですが、品ぞろえにこだわりのある店舗だったので常連客が多く、「これで何が作れるの?」とか「使い方のコツってある?」などとお客様に相談される機会が多かったんです。そこで、質問を受けたものはすべて自ら購入し、自宅で料理を作ってみて、「○○と合わせるといいですよ」「○○に入れると風味が増しますよ」などと具体的にアドバイスしたところ、すごく喜んでいただけたんです。

いいエピソードですね。先ほど、「話し方が暗いから、販売に向いていないと思われている」とおっしゃっていましたが、お客様と正しくコミュニケーションを取り、必要な情報を伝える力があると感じました。単に「人当たりのいいスタッフ」とは一線を画している。そこが本間さんの大きな売りであり、話し方自体を気にする必要はありませんよ。それに、お話をうかがっていると、本間さんの志向は「接客したい」「お客様とじっくりコミュニケーションを取りたい」「直接ありがとうが聞きたい」の3つ。となると、ITや不動産よりも、小売業の販売職がしっくりきます。外野の声に惑わされることなく、このまま販売職一本で応募を続けたほうがいいのではないかな。

たしかに…おっしゃる通りです。世の中の流れに乗らないといけないのではと思い込み、方向性を見失いかけていました。

気持ちがぶれていると、必ず面接で見抜かれますよ。小売業の中でも、あまりに大きな総合スーパーよりも、地域に根付いていたり、こだわりを持っている小売店やスーパーのほうが、お客様に相談されたり、コミュニケーションを取る機会が多そうですね。また、本間さんの食への興味や食品の知識を考えると、外食を候補に入れてもいいでしょう。その際も、外食チェーンではなく、料理や食材にこだわりを持っているお店を選ぶといいでしょう。小売店でも、飲食店でも、何かしらに特化していたり、こだわりを持っているお店のほうが共感して働けるでしょうし、志望動機にも「想いがこもる」はずですよ。

ITや不動産業界に応募する際は、志望動機に困っていましたが(苦笑)、そういう会社ならば確かに、想いをスムーズに伝えられそうです。

よかった。少し笑顔が見えてきましたね。本間さんは始めに「スキルに自信がなく、アピールすることがない。工夫を凝らした経験もない」とおっしゃっていましたが、お話をうかがっていると工夫を続けているじゃないですか。お客さんに喜んでもらうために、自ら食材を買って、使ってみて、味わって、フィードバックしている。だからこそ「ありがとう」という言葉がもらえたのですよね?これは、お客様に喜んでもらい、来店を促すための「工夫」であり、本間さんのこだわりでもあります。もっと自信を持ってください。

ありがとうございます。お客様を喜ばせたいという想いは、人一倍強いです。でも、それがアピール材料になるとは思っていませんでした。

ぜひ、その想いとこだわりを、書類の段階でアピールしてください。今よりも面接のチャンスが増えるでしょうし、面接での会話も広がるはずですよ。

診断を終えて…

販売職を目指しながらも、周りの意見に流されてしまい、方向性がぶれかけていました。いろいろな業界に応募してみましたが、わき上がる想いがないから、通り一遍の志望動機になってしまっていました。今日のやり取りで、改めて自分が目指すべきは販売職だと気づけたので、軸をぶらさず、やってきたことにもう少し自信を持って、頑張りたいと思います。(本間さん)

EDIT
伊藤理子
DESIGN
マグスター
ILLUST
もりいくすお
PHOTO
平山諭

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