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プライドが高く指示を聞かないVS権力あるけど知識はない その一言にムカッ!年下上司VS年上部下の危うい関係
自尊心を守るため?はたまた自己愛を満たすため? 彼らの「意地」と「プライド」がぶつかり合い、職場は一気に戦場と化す。天下統一、太平の世をつくるため、彼らは今どのように向き合うべきなのか?
(取材・文/ハタジュン 総研スタッフ/山田モーキン イラスト/村林タカノブ)作成日:07.11.14
その1:年下上司VS年上部下 エンジニアの複雑なトラブル事例
年功序列の制度がほとんど崩れたといって過言ではない今現在、職場の人間関係の様相は、大きく変わりつつある。特に上司の年齢が部下よりも低い場合、お互いに気を使い、やりにくさを感じることもあるだろう。
「年齢なんて関係ない」と言いつつも、悔しい思いをかみしめたり、理不尽な思いを強いられたり、心の中には複雑な攻防が繰り広げられているはずだ。
そこで今回、年上部下または年下上司になった経験のあるエンジニア100人に対するアンケート調査から、この両者の間にある「壁」を明らかにしつつ、最適な関係性を徹底検証してみた。

右の表は、今回のアンケートを基に作成されたもの。年齢差について、「最大いくつ離れた状況で仕事をした経験がありますか」という質問では、5歳未満が最も多く49%。次いで5歳以上10歳未満が36%。
それでは、なぜ「年下上司・年上部下」という構造を経験することになったのか?
ダントツに多かった回答は、やはり「年功序列の崩壊」「完全能力主義」
次いで「転職による不可抗力」
確かに、この業界で「転職」はひとつのキーワードとなっている。ゆえに、新しい職場でゼロから始めるという経験者も少なくはない。当然、経験も知識も年齢も重ねていながら、年下上司の下で働く機会は増えてくる。
このように、会社の人事は確かにその性質を変質させた。では、そこで働く人間たちの感情面は、こうした変革にしっかりとなじむことができているのだろうか?
経験者100人の「年下上司」と「年上部下」の年齢差
■年下上司→年上部下への典型的トラブル事例
指示に従わない、失敗を認めない、頭が固い、上から目線……、年上部下の傍若無人は止まらない !?

年齢も経験も知識も上!との自負心をもつ年上部下。これまでやってきたというプライドがあるために、なかなか年下上司に素直になれない年上部下。
「頭」ではわかっていても、「心」がそれを受け入れられず、どうしてもひと言、物申さずにはいられない。指示を出すとき、出されるとき。悲しき闘争本能が、むき出しにされる瞬間だ。
「年下の自分をバカにする」
「年上だから気を使ってしまう」
「経験の少ない自分が何を言っても不満顔」

などなど、年下上司は年上部下の扱いに、軒並み苦慮している様子。
「自分を認めさせたい」「年下になめられたくない」という「年長者のプライド」が地雷となり、チームや職場に混乱を招いてしまうハメに。
イラスト
エンジニア100人の典型的トラブル事例
注意をしたら、「オレがこの会社で何年やってきたと思ってんだよっ」と逆ギレ。(研究、特許、テクニカルマーケティング/35歳)

客先への訪問で年上部下のほうが上司に見えてしまい、気まずくなった。(システム開発(Web・オープン系)/34歳)

中途入社の年上部下。なめられるものかという意気込みが露骨で、失敗をなかなか認めない。何かと前の会社を引き合いに出して言い訳するので大変だった。(ネットワーク設計・構築(LAN・Web系)/34歳)
■年上部下→年下上司への典型的トラブル事例
実力ゼロでも態度はデカい。失敗すれば部下に責任転嫁!年下上司のしりぬぐいに、てんてこ舞いの大騒動。

「年下だからってナメんなよ!」とばかりに、自分を大きく見せようとする年下上司。ときにその行き過ぎた言動は、「傍若無人」になってしまうことも。
経験豊富な年上部下には、その虚勢が伝わってきて、なにやら面倒くさいし痛々しい。
それはこうしたほうがいいのに……、などと、自らの経験をもとにアドバイスをしたくとも、
「私が上司だ」とふんぞり返り、聞く耳もたぬ。そのくせ失敗したときはここぞとばかりに「年下」ぶり、責任は部下に 押しつけて涼しい顔。
「現場のことをナニもわかっていない若造に、どうして頭を下げなきゃならんのか!?」
イラスト
「経験不足、コミュニケーション下手でどうにもならん!」
「カッコいいことは言いません、とにかく年下には従えない!!」

導くものが道に迷い、いらぬ仕事だけが増えていく……。これまでの努力と軌跡を振り返るとき、年上部下の心には、なんとも筆舌しがたい苦い思いがこみ上げる。

親の縁故で昇格した年下上司。実力はなく仕事は部下に丸投げ状態。部下の残業が規定をオーバーする月が増え、労組からクレームが……。(運用、監視、テクニカルサポート、保守/39歳)

現場レベルでの経験値が少ない人が上に立ったため、開発スピードの目録の誤りや、他協力業者の反感を買って板 ばさみに。(ネットワーク設計・構築(LAN・Web系)/42歳)

院卒というだけでいきなり主任になったものの、経験が浅いためあいまいな指示ばかりでトラブル続発。しかし、 なぜか責任はこちらにあると主張された。(機械・機構設計、金型設計/37歳)
その2:年下上司VS年上部下 エンジニアの複雑なトラブル事例
■年下上司&年上部下 気になる年齢差は?

年下上司に対する質問では、「何歳であろうが特に気にならない」との答えがいちばん多く、30%。
「年齢よりもその人の適性や性格が問題」との意見が目立つ。次いで3歳以上5歳未満、1歳から3歳未満とのこと。「1歳でも年上なら気になる」との回答は6.0%でそれほど目立たない。
ただ、そうは言ってもやはり年齢差は開かないほうが……と考える傾向にはあるようで、10歳以上15歳未満の年上部下と答えた人は、わずか1.0%。
「年下の上司がいたのでは部下がやりづらいだろう」 「ネガティブな感情をもたれてしまうのでは」と、自分の感情よりも相手の心理面を考える回答が圧倒的に多かった。

では反対に、年上部下はどう考えているのだろうか。
年上部下になった場合、直属の上司と心理的に気にせず付き合える年齢差/年下上司になった場合、直属の年上部下と心理的に気にせず付き合える年齢差
やはりこれも「何歳であろうが特に気にならない」が33.0%。「年齢幅ではなく、年上の理解がすべてだと思う」との含蓄のある意見が光る。
次いで1歳から3歳未満、3歳以上5歳未満と続くわけだが、この部分が上司側の回答とちょうど逆転している。年上の部下からしてみれば、「1歳でも年齢差の開きがないほうがラク」ということなのだろう。もちろん、15歳以上も年下の上司でも気にならないとの回答はゼロ。「プライドの問題」を指摘する人が多かった。

職場の年功序列は撤廃され、そしてそのことを世論も個人も頭では理解している。年齢差は問題ではない。「でも」「だけど」……。働く側の心には、まだまだ古き日本の「年の功」制度が心理的に根を張っているのではないだろうか。
■年下上司or年上部下 どっちの立場が嫌?

この質問では圧倒的に「年上部下の立場が嫌!」と答える人が多かった。
「年下になんか従えるか」
「これまでの経験を否定されてしまったような気持ちになる」
「仕事ができないと思われるのはイヤだ」
「やる気を失う」

などなど、ほかの質問では冷静で大人の回答をつまびきだしていた回答者たちも、この質問には思わず本音が出てしまったようだ。「能力があれば年齢なんて……」と言いながらも、「年上部下にだけは絶対になりたくない!」との、アツい意見が大氾濫。
一方、「年下上司の立場は勘弁」と答えた人のその理由は、
「ただでさえリーダーは大変なのに、年上部下のプライドまで気を使ってやらなきゃならないなんて面倒くさい」
■年下上司or年上部下 どっちが嫌?
「年下の上司なんて、年上の部下には不愉快でしょう」
「年上には指示が出しにくい」

と、相手のプライドを考慮した切り口になっている。裏を返せば「だってオレなら年下の上司に指示されるなんてイヤだもん!」、ということか。
その3:年下上司&年上部下 うまくつき合うためには?
年下上司と年上部下の微妙な確執をクリアするために、世の人々はどんな手段を用いているか?アンケートの結果では、
「飲みニケーションで仲良くなる」
「普段感じていることを、腹を割って話す」

などの結果が目立つ。
しかし、もともと人間的な部分がぶつかり合って始まる優劣争い。従来の方法で果たしてうまくいくのだろうか?
自らも若くして上司の立場となり、さまざまな人間模様を目にしてきた高城さんにお話を伺ってみた。

大切なのは、上司として、部下としてどうつき合うか、ということですね。お互いを人間関係で縛ろうとしてもダメです。
年下上司と年上部下の場合、年上部下が仕切っちゃうことがあるでしょ。「年齢」と「経験」があるぶん年下上司を甘く見て、上司の領域にまで手をつけてしまう。
年下上司もバカにされたくありませんから、気づけば優劣争いに夢中。お互いの役割を忘れて、どっちが上かなんて競い合う。

では、イチロー選手のことを考えてみてください。彼のコーチが、彼よりも技術をもっていると思いますか?彼以上の技術をもっているべきですか?違いますよね。
コーチはイチロー選手ほどの技術をもっていない。でもそれでもいいんです。コーチが求められているのは、イチロー以上の技術を身につけることじゃありません。彼の「役割」は、イチローに明確な指示を出し、具体的な目標を掲げ、こちらが何を彼に求めているのか、何を期待しているのかをきちんと伝えること

株式会社セレブレイン 代表取締役社長 高城幸司
株式会社セレブレイン
代表取締役社長
 高城幸司

1964年、東京生まれ。同志社大学文学部卒業。86年(株)リクルート入社。05年に(株)セレブレインを設立。若くして数多くの部下をマネジメントした経歴を生かし、マネジメントの強化による人生育成、上司と部下との関係を説く。経営メンバーの育成コミュニティー『オルティナ』を主催。著書『営業マンは心理学者』はベストセラー。
あなたにはこれをしてもらいます。これを期待しています。そのためにはどうすればいいか?目的や目標、そのプロセスをしっかりと明示することが彼の仕事であり、それを果たしていれば「技術を教えられないくせに」なんて責められる必要はないんです。
年下上司と年上部下の間に起こる摩擦は、技術がないからといってイチローがコーチをバカにしたり、イチローほど技術がないからといってコーチが自信喪失したりする状態に似ています。
技術は教えられなくても、マネジメントし、結果として成果を上げる。
お互いに「仕事としてどうなのか」と考えることが常に必要なんですね。
Column/エンジニアに年功序列は必要ない?
成果主義の人事が中心の現代社会。年功序列はこのまま時代の遺物となってしまうのだろうか?年功序列は、もはや無用の長物か?アンケートでは、実にさまざまな奥深い意見が集まった。

「周りが認める能力があれば、年齢は関係ないと思う。本当に優秀な人に活躍の場を!」

「年功序列にはあまり意味がないと思う。ただし、人づき合いなどのスキルはやはり年配の人にはかなわないと痛感する場面がある。経験によるスキルも絶対に無視できない」

「年功序列では新しいものは生まれにくい。だけど、年齢を重ねて得られるものもある。それを生かすポジションを明確にすべきでは?」


多くの意見が、「基本的には年功序列は必要ない」と語っている。しかし、「だが……」と意見を加える人がほとんどだ。
若いからこそできること、年齢を重ねたからこそできること……。
われわれの心の中には、「年功序列、絶対反対」「実力主義万歳」と断言することのできない、「年輪を重ねること」への深い思い入れがあるのだろう。
人間には決して数字で割り切ることのできない底力と、可能性があることを、それぞれが無意識に理解しているからなのかもしれない。
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
もともと日本人は、ほかの国に比べて年齢に対して非常に意識する傾向が強いと思っています。完全実力主義で上司と部下の年齢が逆転、なんてこともこの先ますます増えると思いますが、何かと普段のつき合いではいまだ、数々の「地雷」を抱えているようです。皆さんは職場内での「年齢」について、どう思われていますか? ご意見お聞かせください。

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