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年下上司に対する質問では、「何歳であろうが特に気にならない」との答えがいちばん多く、30%。 「年齢よりもその人の適性や性格が問題」との意見が目立つ。次いで3歳以上5歳未満、1歳から3歳未満とのこと。「1歳でも年上なら気になる」との回答は6.0%でそれほど目立たない。 ただ、そうは言ってもやはり年齢差は開かないほうが……と考える傾向にはあるようで、10歳以上15歳未満の年上部下と答えた人は、わずか1.0%。 「年下の上司がいたのでは部下がやりづらいだろう」 「ネガティブな感情をもたれてしまうのでは」と、自分の感情よりも相手の心理面を考える回答が圧倒的に多かった。 では反対に、年上部下はどう考えているのだろうか。 |
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やはりこれも「何歳であろうが特に気にならない」が33.0%。「年齢幅ではなく、年上の理解がすべてだと思う」との含蓄のある意見が光る。 次いで1歳から3歳未満、3歳以上5歳未満と続くわけだが、この部分が上司側の回答とちょうど逆転している。年上の部下からしてみれば、「1歳でも年齢差の開きがないほうがラク」ということなのだろう。もちろん、15歳以上も年下の上司でも気にならないとの回答はゼロ。「プライドの問題」を指摘する人が多かった。 職場の年功序列は撤廃され、そしてそのことを世論も個人も頭では理解している。年齢差は問題ではない。「でも」「だけど」……。働く側の心には、まだまだ古き日本の「年の功」制度が心理的に根を張っているのではないだろうか。 |
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この質問では圧倒的に「年上部下の立場が嫌!」と答える人が多かった。 「年下になんか従えるか」 「これまでの経験を否定されてしまったような気持ちになる」 「仕事ができないと思われるのはイヤだ」 「やる気を失う」 などなど、ほかの質問では冷静で大人の回答をつまびきだしていた回答者たちも、この質問には思わず本音が出てしまったようだ。「能力があれば年齢なんて……」と言いながらも、「年上部下にだけは絶対になりたくない!」との、アツい意見が大氾濫。 一方、「年下上司の立場は勘弁」と答えた人のその理由は、 「ただでさえリーダーは大変なのに、年上部下のプライドまで気を使ってやらなきゃならないなんて面倒くさい」 |
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「年下の上司なんて、年上の部下には不愉快でしょう」 「年上には指示が出しにくい」 と、相手のプライドを考慮した切り口になっている。裏を返せば「だってオレなら年下の上司に指示されるなんてイヤだもん!」、ということか。 |
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年下上司と年上部下の微妙な確執をクリアするために、世の人々はどんな手段を用いているか?アンケートの結果では、 「飲みニケーションで仲良くなる」 「普段感じていることを、腹を割って話す」 などの結果が目立つ。 しかし、もともと人間的な部分がぶつかり合って始まる優劣争い。従来の方法で果たしてうまくいくのだろうか? 自らも若くして上司の立場となり、さまざまな人間模様を目にしてきた高城さんにお話を伺ってみた。 大切なのは、上司として、部下としてどうつき合うか、ということですね。お互いを人間関係で縛ろうとしてもダメです。 年下上司と年上部下の場合、年上部下が仕切っちゃうことがあるでしょ。「年齢」と「経験」があるぶん年下上司を甘く見て、上司の領域にまで手をつけてしまう。 年下上司もバカにされたくありませんから、気づけば優劣争いに夢中。お互いの役割を忘れて、どっちが上かなんて競い合う。 では、イチロー選手のことを考えてみてください。彼のコーチが、彼よりも技術をもっていると思いますか?彼以上の技術をもっているべきですか?違いますよね。 コーチはイチロー選手ほどの技術をもっていない。でもそれでもいいんです。コーチが求められているのは、イチロー以上の技術を身につけることじゃありません。彼の「役割」は、イチローに明確な指示を出し、具体的な目標を掲げ、こちらが何を彼に求めているのか、何を期待しているのかをきちんと伝えること。 |
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あなたにはこれをしてもらいます。これを期待しています。そのためにはどうすればいいか?目的や目標、そのプロセスをしっかりと明示することが彼の仕事であり、それを果たしていれば「技術を教えられないくせに」なんて責められる必要はないんです。 年下上司と年上部下の間に起こる摩擦は、技術がないからといってイチローがコーチをバカにしたり、イチローほど技術がないからといってコーチが自信喪失したりする状態に似ています。 技術は教えられなくても、マネジメントし、結果として成果を上げる。 お互いに「仕事としてどうなのか」と考えることが常に必要なんですね。 |
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成果主義の人事が中心の現代社会。年功序列はこのまま時代の遺物となってしまうのだろうか?年功序列は、もはや無用の長物か?アンケートでは、実にさまざまな奥深い意見が集まった。 「周りが認める能力があれば、年齢は関係ないと思う。本当に優秀な人に活躍の場を!」 「年功序列にはあまり意味がないと思う。ただし、人づき合いなどのスキルはやはり年配の人にはかなわないと痛感する場面がある。経験によるスキルも絶対に無視できない」 「年功序列では新しいものは生まれにくい。だけど、年齢を重ねて得られるものもある。それを生かすポジションを明確にすべきでは?」 多くの意見が、「基本的には年功序列は必要ない」と語っている。しかし、「だが……」と意見を加える人がほとんどだ。 若いからこそできること、年齢を重ねたからこそできること……。 われわれの心の中には、「年功序列、絶対反対」「実力主義万歳」と断言することのできない、「年輪を重ねること」への深い思い入れがあるのだろう。 人間には決して数字で割り切ることのできない底力と、可能性があることを、それぞれが無意識に理解しているからなのかもしれない。 |
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