SE『究極のレジュメ』自己PRは？キャリアプランは？

携帯ベンチャー社長が今すぐスカウトしたい人材とは　SE『究極のレジュメ』（2）希望条件は？自己PRは？キャリアプランは？

携帯電話業界が今後求める人材像を探るレポートPart２。携帯業界のベンチャー社長2人の話から、求める人材像をリクナビＮＥＸＴスカウトの「究極レジュメ」として紹介。今回は、「希望条件」「自己PR」「キャリアプラン」からその姿を明らかにしていく。

（取材・文／入倉由理子　総研スタッフ／宮みゆき）作成日：06.02.01

　Part１に引き続き、モバイルインターネットに特化した開発・制作会社の株式会社ゆめみ代表取締役・深田浩嗣氏と、携帯フルブラウザなどの開発で知られるアプリケーション開発会社、株式会社jig.jp代表取締役社長・福野泰介氏に話を聞いた。もちろん、猛スピードで変化する携帯電話業界で、彼らが描く戦略は確実に求める人材像に影響を与えている。それについてはPart１を参照してほしい。この業界へ興味のある方は、ぜひ自分のレジュメを照らし合わせて、記入の参考にしてほしい。

　さて、今回のPart２では、リクナビＮＥＸＴスカウト「希望条件」「自己PR」「キャリアプラン」という登録項目で、どんな点に注目するのか2人に投げかけた。これらの項目では、デジタルな経験・スキルだけではなく、本人の仕事の取り組み姿勢や仕事で大切にしていること、将来に対する考え方などが見えてくる。Part１では共通して学歴や資格、スキルだけで人材は測れないと語っていたが、今回取り上げる３つの登録項目で、いよいよ彼らが本当に求める理想の人材像と究極のレジュメが浮き彫りになる。

株式会社ゆめみ
代表取締役　深田浩嗣氏

京都大学大学院情報工学科在学中の2000年1月、現取締役会長の片岡俊行氏、技術担当取締役中田稔氏とともに株式会社ゆめみ設立。ユーザー視点でのモバイル向けサービスを中心に、モバイルコンテンツ・ソリューションの企画・開発・運営・コンサルティングを手がける。2005年4月、代表取締役就任。

株式会社jig.jp
代表取締役社長CEO兼CTO 　福野泰介氏

1999年3月国立福井工業高等専門学校電子情報工学科卒業、2000年にiアプリのエミュレータを公式に先駆け公開、携帯アプリケーションに集中する。2社の経営に参加後、2003年に携帯アプリケーションツールに特化した株式会社jig.jpを設立、代表取締役社長に就任。jigブラウザ、jigムービーなどを開発販売する。

	希望年収に対する企業の考え方はさまざま

転職意欲

積極的に多くの企業と会いたい

業種

IT・通信系

従業員数

希望条件　11～50名、51～100名

職種

アプリケーション設計（Web・オープン系）

勤務地

東京23区、京都市

年収

希望条件　600～699万円くらい

　転職意欲はあったほうがいいが、あまり転職経験が多い人は感心しない。職務経歴と合わせて見て、1年、2年で転職を繰り返している人は、「飽きっぽい人かもしれない」と勘ぐってしまう。希望年収はその人の経験やスキルによるが、現在の年収と自分の経験から、常識的な金額を提示してほしい。

転職意欲

積極的に多くの企業と会いたい

業種

IT・通信系

従業員数

希望条件　11～50名、51～100名

職種

アプリケーション設計（Web・オープン系）

勤務地

福井県（あるいはこだわらない）

年収

希望条件　1000万円くらい

　開発拠点が福井県鯖江市にあるので、「どうしても東京で働きたい」という人には向かない会社。福井は首都圏と異なり、職住接近が実現でき、開発に集中しながらプライベートも充実できる環境なので、仕事と生活を楽しみたいという人にはうってつけといえる。希望年収はいくらでもいいが、1000万円以上の金額がチェックしてあると、「自信があるのかな」と期待する。2人分の給与に見合うような実力がある人なら大歓迎。

	プライベートも含め、技術に対する積極的な興味を知りたい

自己PR

　Webを中心としたシステム開発会社で、ポータルサイトやショッピングサイトなど、BtoCサービスのシステム構築に携わってきました。開発のみならず、工程管理や予算管理、顧客との交渉などでさまざまな役割を担い、サービスを立ち上げてきた経験が大きな強みとなっているのだと思います。
　また、新しい技術の習得に対しても貪欲であり、プライベートでWebアプリケーションのシェアウェアを公開しています（＊＊＊.jp参照）。さらに昨年はWeb最先端国のアメリカと北欧を旅し、Web2.0の今後の可能性を模索してきました。

　「できる人」であれば、学歴や資格は問わないのが当社の方針。だからこそ仕事で培ってきた強みや実績、また、仕事以外の作品などを積極的にアピールしてほしい。次々と技術が進化する携帯電話業界では、「今までこうだった」という過去の経験則だけでは通用しない。「これからはこうあるべき」という考え方をもち、最先端の技術を積極的に取り込みながら世の中の動きに敏感に反応する姿勢が欠かせない。仕事、プライベート問わず、技術を中心としたさまざまな方向にアンテナを張り、興味をもったらそれをすぐ行動に移せる人材に注目する。

自己PR

　携帯電話業界で、ゲームを中心としたアプリケーション開発に携わっています。勤務する会社が小規模なこともあり、企画提案からプログラミング、携帯電話の新機種・バージョンアップ対応まで、一人で担当することも少なくありません。
　プログラミングには自信を持っています。仕事での経験はまだ浅いですが、小学校のころからコンピュータに興味をもち、簡単なゲームなどを作っており、また、高専時代には自ら検索エンジンの開発に取り組み、それは現在でも土日を使って続けています。

　携帯電話業界は新機種・新技術対応に追われるので、携帯業界以外でもいいが、そうした状況の中で仕事を進めてきた経験があると望ましい。また、当社はエンジニア一人ひとりに自分が作るものに対する誇りをもっていてほしいと考えている。だから単に仕様設計をしてディレクションするだけでなく、高いプログラミング技術を持ち、プログラムを書くことが好きという人材を求めている。プログラミングが好きであれば、長い時間、集中力をもって仕事に取り組め、いいモノづくりにつながっていく。学生時代やプライベートでどのくらいプログラムに接しているのか、ぜひ聞きたいところ。

	プロジェクトマネジャーだけが道ではない　専門志向も大歓迎！

キャリアプラン

　Linuxベースの開発において、日本屈指のエンジニアになりたいと考えています、Linuxは日々進化しており、Web2.0の世界観をより進化させていくには欠かせないと思うからです。これまでの経験・スキルはもとより、最先端技術に積極的に取り組み、会社の発展に貢献できるようなキラーアプリケーションを作るのが夢です。
「SE→プロジェクトマネジャー」という道だけではなく、エンジニアがスペシャリストとして長く働くことができ、評価してくれる企業で働きたいと思います。

　SEのキャリアステップは、一般的にはプロジェクトマネジャーになっていくケースが多いが、当社ではスペシャリストとして頑張りたいという人材も大歓迎だ。そうしたある技術において突き抜けた人材がいることで、全体の技術レベルの向上にもつながる。ほかのエンジニアがスペシャリストの意見を素直に聞き入れチームがひとつになることもあるし、また、その人の近くにいることで多くのヒントを得て、ブレークスルーできることも多い。

キャリアプラン

　携帯電話などIT端末は、特に中高年齢者から見ると、まだまだ使いにくくて難しいものだと思います。私は携帯電話を、水道の蛇口やテレビのスイッチのように誰にでも簡単に使えるようなアプリケーション開発を作るのが夢です。
　今後5年間は携帯電話業界で技術とスキルを磨き、その後は自らの開発したアプリケーションで起業し、世の中に貢献したいと考えています。

　キャリアプランでは、エンジニアとして「これをやりたい」という夢を語ってほしい。将来起業したいなど、jigがワンステップでもかまわない。その人の持つ夢に当社が共感できれば、その夢を実現する場としてjigを使ってもらえればいいと考える。夢がある人材とともにならば、お互いが高めあっていけると思う。単に「プロジェクトマネジャーになりたい」というのではなく、どんなモノをつくりたくて、どう社会に影響を与えたいのかを聞きたい。

「希望条件」「自己PR」と「キャリアプラン」を中心に求められる人材を見てきたが、2人の社長にとって、単に「仕事の役割を全うする」という人材では物足りないようだ。仕事を超えて技術が実現できる可能性に目を向け、積極的に学び、新しい価値を作り出そうとする意欲が欠かせない。IT端末の最先端をいく携帯電話だけに、日々進化し、競争も激しい。

　その業界を牽引していく企業であるためには、社員一人ひとりの「前に一歩でも進もうとする姿勢」が欠かせないのである。もちろん、そうした仕事のスタイルはタフであり、決してラクな選択ではない。しかし、携帯電話の進化と同じくらいのスピードで、自らを成長させられるステージであることも間違いないだろう。

あなたを求める企業がある！

まずはリクナビNEXTの「スカウト」でチャンスを掴もう！

宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ

携帯業界にかかわらず、ベンチャー企業の社長が求めるのは自分と同じ目的をもって、それに全力投球できる人材。技術スキル、経験よりも、ベンチャー企業で自分がやりたいこと、やれることを明確に伝えることで、経営者側も採用イメージがつきやすくなります。ベンチャー志向のあるエンジニアの皆さん、ぜひその熱い意思を伝えられているか、レジュメをもう一度チェックしてみませんか？　もちろん、まだ登録されてない方は急いでご登録を！