新卒で入社したシステム開発会社に15年間勤務し、汎用機系エンジニアとして長く活躍してきた枚田さん。しかし、年数が経つにつれ、徐々に退職を考えるようになったという。
「金融系を主力とする会社でしたが、一度、自動車メーカーの輸出入システムを手掛けたことがあるんです。金融と違い、扱う商品が『モノ』であることが新鮮でしたね。モノの流れが見えやすいので、自分がプロジェクト全体のどこに関わっているかがわかり、とてもやりがいを感じました」

それを機に、貿易系の案件にもっと関わりたいと思ったが、依頼が来る案件の大半は金融系だった。
「退職してフリーのエンジニアになれば、さまざまな開発案件に携われると考えたんです。経験を積むにつれ、マネジメントなど管理業務の比率が増えてきたことも退職を後押ししましたね。現場に徹し、システム開発のスペシャリストを目指したいと思いました」

41歳で退職し、フリーランスの道へ。しかし、なかなか思惑通りにはいかなかった。
「フリーになっても、汎用機系・COBOLでの開発経験が活かせる案件というと、圧倒的に金融系ばかり。希望していた貿易関係はおろか、他業界の案件もほとんどありませんでした。加えて、フリーのエンジニアが関われるものは、短期間の開発案件が多いというのも誤算でした。長期の大型案件のほうがその業務に精通できるし、腰を据えてじっくり関われるから面白みも大きいんです」

貿易系に固執せず、金融系の経験を活かして少しでも大型の案件に関わろう…と思い直した枚田さん。いい開発案件を抱えていそうな会社を探して自らアプローチしてみようと考え、アクセスしたのがリクナビＮＥＸＴだった。そのときは再就職の意思はなく、「開発案件探しが目的だった」という。汎用機系職種、経験言語COBOLで求人を検索し、検索一覧の上位にあったビーエムシーに目が留まった。

「金融系、流通系が得意とあり、2分野に携われることに魅力を感じましたね。従業員数が当時3人と少なく、意思決定が早そうだとも考え、まずは話を聞いてみたいと応募フォームからエントリーしました」
面接担当者は、千葉英之社長。「お客様が満足するのは当たり前。エンジニアの満足も満たせる会社を作りたい」との社長の理念に共感。「この会社なら社員になるのもいいかもしれない」と思ったという。

数週間後、社長から連絡が入った。「枚田さんのために」と数件の開発案件を探してきたというのだ。
「その中に、損害保険会社の代理店勘定システムの大型案件があったんです。私が以前手掛けたことがある分野に近く、力を発揮できそうだと思いました。何より、社長が私のために、案件を探してくれたことが嬉しかったですね。この会社に入ろうと、腹が決まりました」

昨年10月に入社。すぐにプロジェクトに参加し、現場で力を発揮している。1年半ほど続く予定の大型案件。「今までの経験を活かせているし、自身の力になっているとも感じる」という。
「クライアントに『ビーエムシーの人はレベルが高い』と思ってもらえるよう、現場で努力し続けたい。社長をはじめみんなで力を合わせて、この会社を大きくしていきたいですね」