自分が気を使うほど相手は気にしていないよ
マイペースでやりなさい。人がとやかく言おうがどうでもいいんだよ。いろんな人に気を使っているようだけど、相手の人はそこまであなたのことを気にしていない、ってことを自覚した方がいいね。第一、気を使っても使わなくても給料は同じでしょ。
俺なんか、娘のキャディをしている親父ってことで、テレビや新聞でもおもしろおかしく取り上げられたり、週刊誌には馬鹿にされるようなことを書かれたり。そういうのを気にしていたらきりがないから、自分のことに集中するために一切見ないようにしてる。だって、みんな人のことなんて、すぐに忘れちゃうものなんだよ。いちいち気にしていたら自分の時間がもったいない。
「気を使う」ということは、イコール「疲れる」ということなんだよ。それがどれだけ無駄なことか。娘を本番の試合で集中させるために大事なのも、疲れさせないようにすることだけ。そのためにホテルは一切泊まらないで、マイクロバスを改造した自家製のキャンピングカーで、いつも会場まで移動するの。この前も雨で試合開始が何時間も遅れて、ほかの選手たちは雨の中をうろうろしながらずっと待っていたから、疲れて集中力も落ちるわけさ。さくらはその間、キャンピングカーの中で寝転がってテレビを見ていたよ。
恋愛一番、仕事二番。充実した私生活が大事
あなたもあちこちに気を使うことに果たして意味があるのかを考えなきゃ。気を使ったって疲れた割には、たいしたことではなかったりするはずだよ。一番簡単な方法はね、今、気を使っていることのすべてを「もう気にしない」と自分で決めて、それを自分に言い聞かせることです。そして、もっと楽しいことに目を向けるよう、切り替えなさい。
例えば、恋人ができるとするでしょ。そうすると早く仕事を終えて会いたくなるから、集中して仕事をするようになるでしょ?周囲からうるさく言われようが、気を使うことなんかどうでもよくなって、10分でも20分でも早くやるべき仕事を終わらせて、デートに行こうとするはずだよ。そういうものなんです。
俺なんかは小さい頃からそういう癖がついてる。早く遊びに行きたいのに、学校から帰ったら毎日手伝いをさせられたのよ。家で牛や豚を飼っていたから、餌をやって小屋を掃除しなきゃならないし、薪で風呂を焚いていたから、薪も割らなきゃならなくてさ。いかにその手伝いを早く終わらせて遊びに行くかの工夫をこらすわけよ。仕事も同じ。しかも 20代のうちなんてね、恋愛が一番で仕事は二番。仕事をするためには充実した私生活が大事なの。いい恋人とつき合っていれば、集中できていい仕事ができるんだよ。