頑張っている自分を見せてみましょう
わかりますよ。確かに、気合いと根性だけでは解決できないことがたくさんあるし、気持ちの切り替え方や具体的な解決策を持たずに根性論を言われても、熱を出して落ち込んでいる時なんて、とても受け入れられませんよね。
こういう上司には、頑張っている自分を見せないとダメなんですよ。逆に言うと、頑張っている自分を見せると優しくしてくれるんです。そして、上司が誰であるとか関係なく、まずプロとして怪我や病気はしないように心がけるのが大前提と認識しましょうね。例えば、役者さんが怪我をしても痛い表情ひとつせずに演技をするのと同様、仕事の現場であなたも根性は持つべきじゃないかと思うんです。
もし、本当にぎりぎりまで仕事を頑張ったのなら、「なんでこんな時に熱出しちゃうんだ。口惜しい」って気持ちを持つはず。それを「休んで当然」と思うと、仕事の結果も出ないでしょうし、そんな態度を見れば、上司だって余計に「気合いだ!」って言ってきます。早退したくない気持ちで一生懸命仕事をしていたら、上司も「顔色悪いから早く帰って休めよ」って声をかけるのじゃないかしら。
上司を好きになって喜ばせるとかわいがられる
同じことでも、ものの言い方ひとつで大きく変わるんですよね。例えば「もっと頑張りたいけど、これ以上会社にいるとみんなにカゼをうつしちゃうから、持ち帰りで仕事させて下さい」とか。これって根性あるように聞こえませんか?
同様に、怪我をした同僚も、まず「怪我をしてしまったことはプロ意識が欠けてることだと非常に反省しています」と言う。そして「気合いと根性で頑張りたいんですが、痛みで顔が歪んで笑顔を見せることができず、お客さまにイヤな思いをさせてしまいます。なので、今日は治療を受けてきたいのですが、必ず笑顔で戻ってきます」という言い方をしてみたらどうでしょうか。要は、どうしたら上司を喜ばせることができるかを考えてみることなんです。
あなたは、この上司を少し嫌いなのかもしれませんね。だけど、私が多くの上司についてきた経験上、体育会系の上司ほど、こちらの言い方や見せ方ひとつで「そうか、じゃあ頑張ってこいよ!」と励ましてくれる、単純でかわいい上司はいないと思いますよ。もし、気難しくて細かい上司についてしまったら、おそらくもっと大変だと思うんです。
あなたのほうがこの上司より頭がいいはずなんですよ。でも、プライドや自意識のせいで、自分が正しくて相手が間違ってると言ってしまうと、人間的な器が小さく見えてしまいますよね。この機会に上司と仲良くなる、好きになるという課題をクリアしてステップアップしましょうよ。相手のことを好きになるとかわいがられるものなんです。たとえ好きになれなくても、好きなフリをして、相手を肯定的に捉えるポーズを訓練すれば、あなたの人間力は飛躍的にアップするはずですよ。