叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「派閥争いのなかでうまくやっていけない」

会社の体質が古く、いまだに社内で派閥争いのようなものがあります。実は、自分をこの会社にひっぱってくれたのは、いまの直属の上司とは違う派閥に所属する人。そのせいで、直属の上司からは疎まれ、ほかのメンバーとはあきらかに違う扱いを受けています。人事考課は、直属の上司の判断によって左右されるので、このままではどうなってしまうのかとても心配です。(建設業・営業 30歳)

交換のきかない自分づくり
今週の叱り役

俳優
宇梶剛士

information
●「転んだら、どう起きる?
〜壁を打ち破る人生論」
(大和書房)

失敗から立ち上がるために - 恋について、友だちについて、大人になることについて「自分」から逃げるな!宇梶さんの熱い書き下ろし!
1962年、東京都生まれ。将来を期待される野球少年だったが、暴走族絡みの事件で逮捕され、高校を中退。少年院の中で読んだチャップリンの自伝に感動し、俳優を志す。菅原文太、錦野旦の付き人や建設現場でのアルバイトをしながらの長い下積み時代を経て、人気俳優に。主演映画に『お父さんのバックドロップ』。

翻弄されているだけでは毎日が空しいよね

どんな組織でも、人が多く集まれば、派閥争いのようなことは必ずあるものだよ。組織に入るということは、名刺に会社名と肩書が入って、一人の人間に付加価値を与えてくれるもの。その付加価値のおかげで、外部の人から本来の実力以上に評価してもらえる場合もあるよね。そういったことを理解した上で、現状を見つめていく必要があると思うよ。

今のあなたは、組織の入れ物に入っている感覚や、その企業がなし得る大きな仕事を見失っていて、ただ目の前で起きている派閥争いに延々と翻弄されているだけ。それじゃあむなしいし、毎日が無意味だよね。自分はこの会社で何ができるのかを探していかなければ、あなた自身を失ってしまうじゃない。確かに、周りも上司もきっとイヤな奴なんだろうと思うよ。でも、そいつらに絡め取られている今の自分も、悲しい生き方になっていると自覚しようよ。

僕はサラリーマンの父を見て「俺は絶対、会社組織には入らない」と決めていたんだけど、そうやって芸能界に入っても、やはり組織的な力や不条理さを感じることはあるんだよ。例えば、若かった頃、大きな役が回ってきて喜んでると、衣装合わせの前日に「やっぱりなくなりました」なんて、突然降ろされたりね。影で大きな力が動いたんだよ。そんなふうに理不尽なことは、どこにでもあるものだよ。

前向きになれない場でいい結果は生まれない

じゃあ、それを防ぐにはどうすればいいかというと、交換のきかない自分になるしかないんだ。上からモノを見ている立場の人は、全体のバランスを考えながら、我々をひとつの駒として見てるわけだよ。「このドラマに宇梶を入れるとハードボイルドになっちゃう」と思えば、僕をホームドラマには入れないわけさ(笑)。これをやらせれば、誰よりもうまくできるという訓練を積み重ねて、認められ、選ばれるようになるための戦いが、どんな世界にもあると思う。

派閥争いが嫌なあなたは、きっと優しい人なんだと思うよ。人をブロックに例えるなら、硬いブロックは、かすっただけでも相手を傷つけてしまうけど、柔らかければ、相手を傷つけはしないだろう。だけど、それは弱くてもろいということでもあるよね。そういった自分の弱さを見つめ直す時が来たんだよ。

仕事というのは、自分の心が前向きになれない場では、決していい結果は生まれない。今の場所で前向きになれないかをもう一度考え直して、どうしても無理であったら、少し給料が減っても、ネームバリューのない企業でも、自分がこの会社や自分の人生のために頑張ろうと思える所に移った方がいい。大事なのは自分の心持ちなんだよ。

EDIT
マインドシェア
WRITING
羽塚順子
PHOTO
岡本寛

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