遠慮するより、正しい方向へ行くことが優先
一人で自分の中に気持ちを抑えてしまうより、意見したいと思った時点で相手に伝えることが大事だと思います。自分もサッカーを続けてきた中で、何度も監督やチームメイト、スタッフが変わったし、特に監督が交代することによって、チームの雰囲気やサッカースタイルが大きく変わることもありました。それでも、選手としては監督が求めることをやらなきゃならない。だからこそ、自分が首をかしげてしまう時は、監督に直接「どうしてなんですか?」って、その都度聞いてました。
目上の人だからと遠慮するよりも、意見を戦わせてでも正しい方向に行った方がいいわけですから、相手が間違っていると感じたら、その場で言った方がいい。直接上司に言えないなら、同僚に話してみて、同感してくれる人がいたら、その人たちと一緒に言ってみてもいいと思います。
自分が所属してるクラブチームでは、学生や働いてる人、他のチームから入ってくる人といろいろいて、年齢も10〜30代までさまざま。でも「外部の人だから」なんて意識は全くないんですよ。いつもウエルカム。なので「外部の実績を買う」ということを懸念するなんて、不思議な気がします。「勝つためのチーム」としての単位で見ているから、外部の人が来た時こそ、「一緒に頑張ろう」って励ます。新しく入ってきた本人たちも、早くチーム独自のスタイルや雰囲気に慣れようと努力していることがよくわかります。我が強くてチームプレイができない人は、自然とつぶれてしまう。それくらい、勝つためには仲間と協調していくことが重要です。
100人100通りの意見のいい部分を合わせていこう
会社だって、同様にチームプレイだと思うんですよ。そう考えると、外部から来たデザイナーが、新しい会社のコンセプトも受け入れる、ギブアンドテイクの気持ちを持ってもいいという気がします。そうなってもらうためにも、直接この外部から来たデザイナーと、会社のみんなで話す機会を持つようにするのもいいんじゃないでしょうか。
100人いれば100通りの意見があるわけだから、いろんな人と話し合っていい部分を合わせていけば、うまくいく気がします。日本代表チームにしても、みんな一通り自分の意見を言うし、時には対立することもあるけど、それは相手を嫌って言うわけではなく、チームを良くするために話し合ってるんです。年齢が上の人には言いにくく感じても、内容のいい試合をしたい気持ちはみんな同じ。だから中途半端に我慢しないで、どうすればチームが良くなると思うか、それぞれがとことん言い合うんです。
たとえば、ミスをしても「今は自分がこう思って、こう落とし込もうとしたけど、どう思う?」って、そのプレーについて逐一聞いてくる。サッカーって、たったひとつのタイミングがずれることで、試合の流れも狂ってしまうんですね。ちょっとしたズレやタイミングをすぐにすり合わせていかないと、また同じような状況になった時にミスをする。それは仕事でも同じはず。ちいさなズレを感じたら、流れが大きく変わってしまわないうちに、納得いくまで話し合うのがいいと思います。