叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「落ちこぼれの人生にアドバイスを」

20人近くいる同期の中で、毎月の営業成績はほとんどビリ。「営業がまともにできなければ何の仕事をやってもうまくいかない。とにかく3年は頑張れ」と上司に言われていますが、いくら頑張っても売れず、とても3年も持つとは思えません。このまま落ちこぼれの人生になってしまうのかと不安でたまりません。こんな自分にアドバイスをいただけませんか…。(通信システム営業 25歳/男性)

とらわれる必要はない
今週の叱り役

アルピニスト
野口健

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●野口健公式サイト
野口さんの活動紹介、メッセージ、ブログ等はこちらから。
http://www.noguchi-ken.com
1973年、アメリカ・ボストン生まれ。高校時代に読んだ植村直己氏の本に感銘を受け、16歳から世界七大陸の最高峰登頂を目指し、25歳のとき、世界最年少でその夢を果たす。その後はエベレストの清掃登山、環境教育などに尽力。「富士山から日本を変える」をスローガンに精力的に活動中。

登山家のスポンサー探しも同じ営業です

営業ができなければ、どんな仕事もうまくいかないというのは、嘘ですよ。大学の教授だって恐らくほとんど営業できない人たちでしょう。そういう専門家であれば、営業ができなくても仕事になるんです。でも、そういう専門職でなければ、やはり営業は必要になってくるよね。

あなたは落ちこぼれじゃありませんよ。多分、営業が苦痛なんでしょう。登山家の場合もほとんど営業が苦痛なんです。トレーニングを積んで、一流の登山家になったとしても、大金持ちでもなければ、エベレストには行けない。スポンサー活動、つまり営業しながらチャンスを自分でつくらなきゃなりません。だからといって「エベレストに行くからお金ください」と、ただお願いして、もらえるわけじゃありません。どう相手に伝えるかを考えなきゃ、うまくいかないんですよ。

相手が喜ぶことを考えれば、人は徐々に変わってくる

例えば、僕はこんなことをしたことがあります。時計メーカーが冒険用の腕時計をつくったのを自分で買って、山で試してみた。すると、一般の時計よりはものすごくいいけど、標高の高い所に行くと手がむくむから、バンドをすぐ調節できたほうがいいとか、ステンレス部分は凍傷にかかりやすいから素材を違うものにするとか、そういったことを書いて時計メーカーに提案しながら、「俺とタイアップしませんか」って、僕のモデルをつくってもらうんです。

そうやって、「お金ください」じゃなくて、相手が喜ぶことを考える。すると、最初はまるで相手にしてくれなかった人も、徐々に変わってくるんですよ。なかには、半年以上時間をかけて変わる人もいて、その人は部署が異動するとき、後任の人に「ちゃんと野口のことをやってよ」ってサポートしてくれるまでになった。もちろん、圧倒的に断られる方が多いんですけどね。でも、僕はそうやって人を相手にして営業することが面白い。好きな女性を口説くのと同じですよね(笑)。

あなたも「買ってください」って、売る商品ばかりのことを考えているんじゃないかと思うんですよ。そうじゃなくて、人を見ることを心がけたらどうだろう。人間を好きにならないと、営業はできないよね。もし好きじゃないと思っていても、どんな仕事をするにも、人と付き合っていかなくちゃできないんだから、そこは越えていかなきゃ。まずはあなたが人を見て、人に興味を持つことです。同じような商品があったら、買う人は営業をする人の人柄で選ぶんだもの。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
ITコア
PHOTO
岡本寛

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