叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「正社員として働きたいのですが採用されません…」

就職活動時に失敗し、今まで正社員の経験がありません。自分には事務職が向いていると思い、エクセルやワード、簿記の勉強もしています。でも、求人に応募しても一社も通りません。女で27歳なんて、もう若くないですし、将来が不安でたまらないので、どうしても正社員として働きたいです。今の経済状況の中では、私みたいな人間は就職するのが難しいと思うのですが、どうすればいいか何かアドバイスをもらえないでしょうか。(転職活動中・27歳)

女の安定剤は仕事・男・金 (あと、いれば子供)
今週の叱り役

漫画家
倉田真由美

information
『だめんず・うぉ〜か〜5』
(SPA! comics・扶桑社発行)

倉田さんや「週刊SPA!」の読者の実体験から、ダメ男とばかりつきあう女性たちをコミカルに描く、大人気シリーズの第5弾。
1971年、福岡県生まれ。一橋大学を卒業後、就職が決まらず、ヤングマガジンギャグ大賞に応募して大賞を受賞。ダメ男を好きになる女たちを描いた週刊SPA!連載の『だめんず・うぉ〜か〜』がブレイク。週刊朝日『ほやじ日記』など、コミックやエッセイを多数連載中。一児の母でもある。

本当の安息はあり得ない

男性の27歳なら、10年後に結婚を考えてもいいくらいの余裕があるけど、女性にとっての27歳は、「もう若くない」と思って不安になっちゃう時期なんですよね。でもね、あなたが感じている将来への不安は、多かれ少なかれ誰でも抱えていること。たとえ正社員でも「このままこの会社にずっといて大丈夫かしら」とか、「このまま結婚できなかったらどうしよう」って思いますよ。お金持ちの専業主婦になることを望んで、もしそうなったとしても、夫の事故や会社の倒産、ケンカして別れる可能性だってあるわけですから、真の意味での安息はあり得ませんよね。

正社員でなければ不安だなんて、そんな目先のことだけにとらわれるのではなく、もっと長い目で見て、自分が将来どうなりたいのかを、よく考えてみてはどうですか。その上で、自分のやりたい職種や会社にトライして、ダメだったらどうすればその仕事に就けるのか、対策や方法論を模索する。今のあなたは、目先の不安を払しょくすることだけにとらわれているのではないかしら。人間、やる気があって行動さえ起こせば、意外となんとかなるものです。全く何もなくて食いっぱぐれるなんて、そうそうあるものじゃない。

いい彼氏ができると精神的余裕も生まれる

とはいうものの、20代の頃は私も売れない漫画家で、さんざん不安な思いをしたから、あなたの気持ちはとてもよくわかるんですよね。私なんてあまりの不安に夜も眠れなくて、AV女優にスカウトされた時の名刺を捨てられずに枕元に置いて横になっていたくらい(笑)。それほど心が弱ってしまった時期もありました。

しかも、その頃の私は、仕事もなければろくな男ともつき合っていなくて、当然お金もない。不安は増すばかり。ところが、27歳のとき、いい彼氏ができたことで人生が一転したんです。相手はごく普通のサラリーマンだったけど、すごく精神的に安定しました。

結局のところ、独身の女性は「仕事・男・お金」のいずれかでしか、精神を安定させることはできないと思うんです。あなたが仕事に不安を感じるなら、彼氏をつくるのも有効な手段のひとつかもしれない。いい彼氏ができると、精神的に余裕ができて、自ずと仕事もいい方向にいくものです。

EDIT
マインドシェア
WRITING
羽塚順子
PHOTO
刑部友康

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