叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「かわいがっていた部下の退職で自信喪失」

「一番弟子」と思って親身に仕事を教えていた部下から、何の相談もなく突然「もう学ぶことはありませんので」と退職願を突きつけられ、ショックで自信をなくしています。会社を辞めずに自分に付いてきてくれる部下を育てたいのですが、どうすればよいでしょう?(サービス業 34歳 男性)

無かったことにしろ!
今週の叱り役

株式会社サイバーエージェントCEO
藤田 晋さん

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1973年、福井県生まれ。青山学院大学在学中からベンチャー企業で営業を経験。卒業後はインターネットの人材紹介・派遣会社に入社。98年にサイバーエージェント社を設立。インターネット総合サービス企業として2000年には26歳で東証マザーズに株式を上場。著書に『渋谷ではたらく社長の告白』(アメーバブックス新社)、『藤田晋の仕事学〜自己成長を促す77の新セオリー』(日経BP社)など。

部下の育成は手段であって目的ではありません

部下に辞められたことは、私も数えられないほど経験しています。自分の会社の社員が辞めていくというのは、裏切られたような、自己否定されたような、複雑な気持ちになるんですよね。最初のうちはかなり落ち込みました。創業してから10年以上になるので、今はだいぶ慣れましたが(笑)。

もちろん、今でも期待していた社員に辞められるのはショックです。あなたの気持ちはよくわかる。女の子にフラれたような気分ですよね。でも、社長がそのことをひきずって、何日も仕事が手につかなくなってしまったら、残っている部下たちに迷惑がかかるだけ。管理職として、付いてきてくれる社員を育てることは重要ですが、それは手段であって目的ではありません。求められる成果を出すことが目的。部下の育成が仕事と思っていたら、本末転倒です。

例えば、サッカーチームを率いる監督だったら、たとえメンバーにケガ人が出ようが、移籍していく人がいようが、今いるメンバーでチームを優勝に導くことが求められる成果ですよね。今のあなたもそれと同じ。会社で上に立つ人間は、現時点で会社にある資源の中でパフォーマンスを上げることを考えなくてはならないんです。たとえ社員が辞めたことでショックを受けても、戦力がダウンしていても、それは「なかったこと」として、チームを率いる監督の気持ちで奮起することです。それくらい強く割り切る気持ちが必要で、落ち込んでいちゃダメなんです。

部下に舐められない毅然とした態度を

会社の仕事と関係ないことで自信喪失するのは、よくないですよ。しかも、「もう学ぶことはない」なんて、親身に教えてきたのに失礼な言葉を言って辞める社員に対して、あなたは毅然とした態度を取るべきです。自信喪失した上司を見た部下がどう思うか。「ああ、あんなひどいこと言われて困ってる」と不安な気持ちになりますよね。たとえ心の中でショックを受けても、ここはほかの部下たちに強いリーダーであることを見せなくてはいけません。

私の会社では、新人社員の面倒を同じ部署の先輩社員がみるよう、トレーナー制度やメンター制度というのを設けているんですが、面倒見のいい人と悪い人との個人差があるんですね。だから定期的な面談を義務化しています。そんなことをしなくても、あなたは部下と密にコミュニケーションが取れていたのだから、いいところはそのまま活かし、今度は部下に舐められない厳しさを持ち合わせなくてはいけないと思います。

あなたにとって大切なのは、今、会社に残っている部下たち。これからも上司としてメンバーと前進していかなくてはならないのだから、悪影響を与えるような辞め方をする部下は、「嫌われてもかまわない」と割り切って、「さっさと辞めろ」くらいに言えるようにしないと、後を引いてしまいますよ。部下から本当の意味で支持を受ける上司となるため、ここはしっかり強いリーダーシップを見せてください。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
マグスター
PHOTO
刑部友康

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