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この「勉強法」は、やってはいけない~合格者の言うことは信じるな!~

「資格の大原」でおなじみ、大原学園で講師を務めた経験をお持ちで、『30代で人生を逆転させる1日30分勉強法』著者でもある石川和男さんに、失敗しない社会人の勉強法、特に今回は「鵜呑みにしてしまいがちだけど、気を付けた方がいい“合格者の勉強法”」について教えていただきます。

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合格者の言うことは信じるな!

あなたが、何かの試験を受けようとしたときに、その試験の合格者が近くにいたらどうしますか? 

「自分の勉強の参考にしたい!」ということで、色々と聞きたくなりますよね。

ここでは合格者から合格体験談を聞くときに、あなたが注意しなければならない点をお伝えします。

 

私は14年間、日商簿記3級を中心に教鞭をとってきました。

3級は簿記の基礎。簿記の学問の入り口です。当然ですが、3級に合格する力が無ければ2級、1級にも受かりません。税理士、公認会計士など、さらなるレベルアップも図れません。

その3級の試験。受講生のほとんどが「テキストを読めば受かる」「講義さえ聞いていれば受かる」「誰でも受かる」と思い込んで受講しに来ます。

あなたも、もしかすると「簡単に合格できる」と思っているかもしれません。

では、実際の合格率は何%ぐらいだと思いますか?

実は過去10回の平均合格率(合格者数÷受験者数)は31.9%。実に3人に2人は不合格者なのです。

 

合格率が、20.5%のときもありました。20人の教室で受かるのは4人だけです。これが日商簿記3級の実態なのです。

それなのに簡単だと思い込んで受講しに来ます。

 

一体なぜなのでしょうか?理由は2つあります。

1つ目は、「簡単だった」と言う過去の合格者の言葉を鵜呑みにしていること。

過去の合格者は、過去であって今では無いのです。20年前簡単だった試験が今でも簡単だとは限りません。長年続いている人気試験は、年々難しくなる傾向にあります。毎回同じ問題を出題すると過去10年分の試験を解いていれば受かってしまいます。じゃあどうするか?出題する側は徐々に新しい問題をつけ加えていくことになるのです。本試験で新しい科目や会計基準が出題されたら、専門学校は見過ごせません。その都度テキストは加筆修正されます。結果、受講生は理解することと覚えることが、過去の受験生より増え続け、負担が増し合格点に達することも厳しくなります。

過去の合格者は以前と変わらない試験をイメージして、これから受ける受験生に簡単、楽勝、誰でも受かると言うのです。

 

2つ目は、少し格好つけたくなってしまう合格者の心理。

「毎晩徹夜してやっと受かった」、「次の講義までに復習と予習をして70点ギリギリで受かった」、「講義で分からないところは、その都度講師に質問してその日のうちに復習したから、なんとか受かった」

このように言うよりは

「全然やらなくても受かったよ」、「講義受けただけで受かった」、「多分100点」、「過去問さえやれば受かるから」と言う方が格好良いと思ってしまうのです。

確かに、汗水垂らして頑張ってやっと受かったと言うよりは、誰でも受かるよ3級なんてと言った方がスマートですよね。

 

合格体験記は「成功談」より「失敗談」

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専門学校のパンフレットやインターネットで紹介されている合格体験記。満面の笑みを浮かべた顔写真とともに合格者の声が掲載されています。これから受けようとする試験です。合格者の記事が気になりますよね。

 

「どんな方法で受かったのかな?」

「どれぐらいの期間で受かったのかな?」

「一発合格だ。すごいな」

「20歳の若さで合格。東大在学中か。どうりで」

 

活用の仕方は、人それぞれですが、その試験を受けようと思ったときに参考にするところはどこですか? 大抵の受験生は、「どういう勉強方法で試験に受かったのか」に興味を持って読みすすめます。ただ、ここにワナが仕掛けられているのです。

注意してほしいのは、この一点!

合格体験記は「成功談」より「失敗談」

 

合格者の成功体験記。様々な合格者の声が記載されています。

「真面目に講義を聞いてノートにまとめたのが勝因です」

本当にこのような学習内容をしたから受かったのでしょうか?以前も綺麗にノートを取ることはやってはいけないことだとお伝えしましたが、テキストには試験に出題されることは大抵載っています。わざわざ一冊のノートを作って講義内容を写すほどの話はありません。書くならテキストの余白に、その講師の言った特別な話だけを書くべきです。

 

「講義が終わったあとは、もう一度DVDで同じ範囲を学習しました」

講義が終わったあとの再現DVDも時間の無駄です。後からDVDがあるから良いやと、講義中は注意散漫になってしまう。この講義が最後の講義だと思って集中して学ぶべきです。

 

上記の2例は実際に掲載されていた成功例です。この2人が合格したのは事実です。ただ、このやり方をやったから受かったのではなくて、実は他の勉強方法で受かっていたり、合格レベルの学習時間の何倍も勉強したから受かったのかもしれません。じゃあ合格体験記は無駄なのか?そんなことはありません。

 

合格者の「失敗体験」に学ぶのです!

 

合格者の成功体験を真似したからといって合格するとは限りません。ただし合格者が失敗したことは誰がやっても失敗します。

無計画で挑んだ。苦手な問題に時間をかけ過ぎた。模擬試験を受けなかった。疑問点をそのままにして試験を受けた……など、成功体験とは違い失敗体験は誰がやっても失敗するのです。

ぜひ、失敗体験から、やってはいけないことを学んでください。

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f:id:asukodaiary:20170309141602j:plain【プロフィール】石川和男(いしかわ・かずお)

建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。
『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)は16刷中ほか、勉強法、時間術など3冊のビジネス書を出版している。
石川和男 公式サイト http://ishikawa-kazuo.com