在宅勤務は本当に「いいことづくし」なのか?

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こんにちは。在宅勤務(リモートワーク、テレワークともいいます)を実践しているハブチンです。在宅勤務は、通勤時間もなくなるし、ご飯も家で食べられるし、世間一般的にいいことばかり言われています。

総務省26年版の『テレワークの効果と活用事例』でも下記のような記載があります。

通勤時間が無くなることでこれまで時短勤務でしかできなかった社員がフルタイムで就業できることにより企業の生産性が向上することや、育児や介護等により退職せざるを得なかった優秀な社員の雇用を継続できる等、BCP対策以外にも様々な効果が期待されるところである。加えて、テレワークを推進することで社員が限られた時間での業務遂行や会議を意識するようになる等で業務効率化に繋がったり、ペーパーレス化が進むことによるオフィスコスト削減や、電力消費削減によるCO2等の環境負荷の軽減などにつながることも期待される

在宅勤務をべた褒めしていますね!

特に日本は労働人口が少なくなっていくことが予想されるので、今まで育児や介護などで退職せざるをえなかった女性や、定年退職された高齢者の方々も働く仕組みをつくるために推進しているのでしょう。

しかしながら在宅勤務を実践している立場から感じることは、「必ずしもいいことだけではない」というのが本音です。状況によっては、正直、集中力がとぎれて、オフィス務めをしていた頃と比べて生産性が低くなったこともありました。

今回は、在宅勤務しづらかった体験を基に、どうすれば在宅勤務を快適にできるのかを考察していきたいとおもいます。

仕事環境は「デスク機能」と「会議室機能」に分類される

仕事を大きく分類すると、一人で作業する業務と、複数人で議論して決断する業務があります。筆者は企画の仕事をしておりますが、まず関係者とTODOを決めて、自分の与えられた業務をこなし、また関係者とレビューして次のTODOを決めて、また繰り返すスタイルで働いています。

オフィスのレイアウトも、一人で作業するデスクと、複数人で対話する会議室がありますよね。在宅勤務をする際は、家の中でデスク機能と、会議室機能をつくらないといけません。この機能がつくれないと、生産性は低下していきます。

筆者の場合、以前暮らしていた家では、上手にデスク機能と会議室機能をつくることができませんでした。理由は家の間取りが、家族が過ごすリビングと、仕事をする部屋がつながっていたからです。私は0歳児の息子がいて彼は泣くことが仕事なので、こちらの都合をお構いなしに泣きます。

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来客との打ち合わせ中に、子どもが泣いていると、ちょっと気まずくなってしまいます(信頼関係がまだ構築できていないクライアントだと特に…)。どうしても泣き止まない場合、妻が家の外に出てあやしていました。妻にとっても一定時間、負担が発生してしまいます。そこで現在は、デスク機能と会議室機能がある仕事空間と、居住空間を分ける間取りの家に引越しました。息子がいくら泣いていても仕事空間までには聞こえないので集中して仕事をすることができます。

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在宅勤務をして気づいた「隠れ機能」とは

さらに在宅勤務をして気づいたことですが、会社のオフィスには隠れ機能がありました。それは「雑談機能」です。仕事仲間と雑談しているときに自分の知らないことを知れておもしろかったりしますよね。たとえば、美味しいお店を見つけたとか、このWebサービスがおもしろいとか。

会社員時代は、そんな雑談はどうでもいいと思っていました。しかし雑談を通じて、同じ価値観を共有しているうちに、仕事仲間のことを理解することができます。相手を理解すると、コミュニケーションの負荷が下がり、仕事がうまくいきます。

しかしながら、在宅勤務をしていると、仕事に必要な最低限のコミュニケーションしかしなくなっていきます。電話代がかかっていた名残りなのかもしれませんが、無料のオンライン会議でも雑談はしないものです。

電話会議は、相手の温度感は伝わりづらいので、本音を伺いたいときは、実際にオフィスで会って話すことで解決しています。

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結論、在宅勤務は必ずしも生産性が高くなる訳ではない

上述のとおり、在宅勤務をするためにそれなりに就業環境を整えないといけませんし、仕事仲間を理解するための工夫をしなければなりません。

また在宅勤務をするということは、プロセスや姿勢よりも、結果で評価されることになりがちなので、より仕事仲間との信頼関係が必要になってきます。

在宅勤務がいいと謳うのは、それによって利益を得られる側のポジショントークかもしれません。ですので、在宅勤務をこれから実施しようと考えている方は多角的な検討が必要ですよ。

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【羽渕 彰博(ハブチン】
1986年、大阪府生まれ。2008年パソナキャリア入社。転職者のキャリア支援業務、自社の新卒採用業務、新規事業立ち上げに従事し、ファシリテーターとしてIT、テレビ、新聞、音楽、家電、自動車など様々な業界のアイデア創出や人材育成に従事。2016年4月株式会社オムスビ設立。

habchin(Akihiro Habuchi)|Facebook

編集:鈴木健介

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