ビットコインとは?
Mt.GOX(マウントゴックス)の破たん騒動で、結果的に多くの人がその存在を知ることになった仮想通貨「ビットコイン(bitcoin)」。最近では、実業家の堀江貴文さんや、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんなどの有名人もビットコインを購入・所有しているというニュースが流れ、以前に増してビットコインに興味を持つ方が増えているようです。
ビットコインという名称しか聞いたことがない方は、ビットコイン=Mt.GOXのもの、と勘違いしているかもしれませんが、それは間違いです。Mt.GOXは「円をビットコインに交換するための取引所の一つ」で、取引所は他にもBTCボックスやcoincheckなどさまざまなものが存在します。つまり、Mt.GOXが破たんしたからと言って、ビットコイン自体が無価値になるということではないのです。
さらに掘り下げて「仮想通貨ビットコインって何?」というと、これに似ているもので私たちがイメージしやすいのはJR東日本のICカード「Suica」などの電子マネーかもしれません。Suicaも円を電子マネーに変えて電車に乗ったり、買い物したりすることができますよね。仮想通貨ビットコインも、イメージはこれと同じで、円を電子マネーではなくビットコインに交換して、使用することができるということです。ただ、ビットコインはSuicaとは大きく異なる点があります。
ビットコインは発行元が存在しない?
ビットコインと電子マネーのSuicaが大きく異なる点は、発行元が存在しないところです。SuicaであればJR東日本が発行元ですが、ビットコインはその母体となる組織が存在しません。これは、一体どういうことなのでしょうか?
ビットコインができた経緯をさかのぼると、2009年に中本哲史(なかもと・さとし)氏が発表した論文「ビットコイン:P2P 電子マネーシステム」の理論に基づいて、運用がはじまったものと言われています。P2Pとは「Peer to Peer」の略語で、通信方式のことを指しています。要は、P2Pというネットワーク上でやり取りをする通貨というわけです。
「発行元がない通貨なんて大丈夫なの? いくらでも発行できてしまうのでは?」と眉をひそめる方もいるでしょう。でも、ビットコインも無限に通貨が発行されるわけではありません。ビットコインの採掘ソフト「miner」が需要からその流通量を調整されています。つまり、ビットコインを欲しがる人が多ければマイニング(採掘:ビットコインの発行)に時間がかかるという仕組みになっています。
ビットコインをむやみに勧めるつもりは毛頭ありませんが、あくまで一つの目安としてお伝えすると、アメリカでは初の公認取引所「コインベース」が設置され、そこにはNTTドコモも出資しているそうです。国内でも、ホールディングスが傘下の投資会社リクルートストラテジックパートナーズを通して、ビットコイン取引所「bit Flyer」に出資・参入するなど、大手企業が公然と出資する存在になっているのです。
リップルとの違いとビットコインのメリット・デメリット
最近では、ビットコインに並び、Googleが出資した「リップル」も話題になっているようですが、リップルとビットコインは別物です。簡単にその違いを説明すると、ビットコインが仮想通貨ならば、リップルは「仮想通貨の送金システム」と言えます。
リップルを使うと、送金する側はビットコインをはじめとするあらゆる仮想通貨で送金することができて、受け取る側は仮想通貨に限らず、円やドルで受け取ることも可能です。つまり、リップルは「(仮想)通貨を橋渡しする存在」と言えるのです。
今後、デジタル全盛の世の中がさらに進むと、ビットコインをはじめとする仮想通貨がより一般的なものになってくるかもしれません。
最後に、現状でのビットコインのメリット・デメリットをまとめて終わりにしたいと思います。
メリット:
・海外への送金を瞬時に済ますことが可能。
・送金手数料がほとんどかからない。
・導入する店舗は初期費用がかからない。
デメリット:
・相場の変動が激しい。
・導入されている店舗が少ない(使えるところが少ない)。
・決済システムがまだ完璧に整備されていない。
現状では、メリット・デメリットともにいろいろありますが、グローバル化が進む時代ならではの新しい「価値交換の仕組み」としてとらえてみると、その価値がよくわかるかもしれませんね!