パリコレは招待されないと見られない?知っているようで知らないパリコレ事情

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パリコレは「パリコレクション」の略。

ファッションショーの一種であることはみなさんご存知だと思います。

でもちょっと、パリコレだけ”スペシャルな感じ”がしますよね。

一体、普通のファッションショーとどう違うのでしょうか? というかそれ以前に「パリコレ」って何のためにやるのでしょうか?

ここでは、さまざまな角度から「パリコレ」を考察していきたいと思います。

■パリコレって何? いつやるの?

世界には四大コレクションと言われる大きなファッションショーがあります。これは、ロンドン・ミラノ・ニューヨーク・パリの各国で開催されるファッションショーのこと。

まずはニューヨークから始まり、ロンドン、ミラノ、そして最後がパリコレクションとなります。これが「パリコレ」です。

パリコレには、パリ・オートクチュール・コレクションと、パリ・プレタポルテ・コレクションという2部門のコレクションがあります。

オートクチュール(特注品)とは、発表された作品を見て、そのデザイナーに特注品を依頼するかどうかを見極めるためのイベント。年に2回、1月に春夏、7月に秋冬のコレクションが開催されます。

ただオートクチュールのコレクションは需要が少なく、一般的に「パリコレ」というと「パリ・プレタポルテ・コレクション」を指すことが多いようです。

プレタポルテ(高級既成服)は春夏物が3月に、10月には秋冬物のショーが開催されます。

この時、各ブランドの新作が発表されますが、オートクチュールもプレタポルテも、出てくる洋服は超高級品ばかり。特にオートクチュールは一着300万円~1000万円と、桁違いの世界です。私たち一般人が一般的に買うようなリアルクローズ(高級かつ現実的な服)やレディメイド(一般既製服)とは比べ物になりません。

■一般人がパリコレを生で見る方法

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パリコレとは、セレブリティと呼ばれるような方々のための催しです。「見たい」といって簡単に見られるものではありません。。一般的にコレクションとは、「見に行きたい人」に来てもらうイベントではなく、「見てほしい人」を招待して催すものなのです。

招待される方は、ブランドに直接買い付けなどをする国賓レベルの大物やその家族、影響力のある大物芸能人、スタイリストやデザイナーなど芸術家など、それからファッション雑誌の編集者や新聞記者などのマスコミ関係者、百貨店やショップのバイヤーです。このように、主催者側からして「見てほしい」と思う相手のみ招待されます。

それでは、「セレブリティとは縁のない一般人だけど、どうしても見に行きたい!」という方はどうすればいいのでしょうか?

こういった場合には、出版社や新聞社に入ってファッション記事の担当になる、ファッションの学校を出てアパレル業界に入り、師匠や先輩のオマケで魅せてもらうなどの方法があります。

ちなみに招待状でのみ入場可能で、チケットなどは全くありません。招待状は本人にしか使用できませんのでオークションなどで手に入れることもできませんし、公式にツアーなども催されてはおりません。

しかし、実は裏技があります。

パリコレというのは、1カ所の会場だけで行われているものではありません。期間中にはパリ市内の50カ所程度で、同時多発的にショーが催されています。そのため、中堅や新進気鋭のブランドのコレクションの場合、セレブリティを招待しても満席にならない場合があります。

ただ、席が埋まっていないショー会場というのは見栄えがよくなかったり、さびしいかったりしてしまいますよね。そこで、満席にならなかった場合のみ、一般客を無料で入れてくれるのです。

ですから、それを知っている地元のパリ人や、ファッションを勉強中の学生さんたちなどが、会場入りを狙って入場口に行列を作ります。

そう、公式ではなくパリコレを見るには、とにかく行ってみる!そして並んでいる人がいたら並んでチャレンジしてみる!これしかないのです。

■意外な人も!パリコレ出演の日本人

パリコレの目玉といってまず思い浮かぶのが「パリコレモデル」ですよね。

日本人で最も有名なパリコレ常連モデルといえば、冨永愛さん。「パリコレモデル」の中でも更にトップを占めるモデルしか担当できないとされる、ディオールやバレンチノなど、世界に名だたるハイコレクションのランウェイモデルを務めただけではなく、さらに格式が高いといわれるオートクチュールモデルも務めた経験を持ちます。

また意外に知られていないことですが、女優の杏さんも日本を代表するモデルさんです。アナスイ、ルイ・ヴィトンなどのハイコレクションのプレタポルテモデルを務めています。ご主人の俳優・東出昌大さんも、ヨウジヤマモトやZUCCAなどの日本ブランドでパリコレに出ているんです。

他にも、山田優さんなども桂由美のコレクションに出演しています。斎藤工さんもイッセイミヤケのモデルとして、オネエタレントのIVANさんもジョン・ガリアーノのモデルとしてパリコレに出演しています。

このように、「パリコレモデル」というと一律で「トップモデル」と見えてしまいますが、実は同じパリコレでもハイブランドやオートクチュールのモデルに採用されると、一気にモデルとしての格が上がります。

■「パリコレモデル」の気になるお給料は?

さて、これだけ頂点を極めた最高級なモデルの皆さん。気になるのはそのギャランティですよね。

たとえば冨永愛さん。彼女はブランドからのご指名ですので、当然ギャラも高く、「ランウェイ1往復300万円」とも言われていました。ご本人は「だいたい1ショーで100万円くらい」と上記の噂を否定する発言をされていましたが、それにしても1日で100万というのには驚かされます。

日本のブランドに依頼されたり、日本でのオーディションに受かったりして渡仏した場合、コレクションに出品するブランドからギャラや経費が出ます。しかし、モデルさんのレベルやブランドによって、そのお値段はまちまちなようです。

他にも、実績はないけどパリコレに出たいモデルさんは「現地でオーディションを受けまくる」という作戦に出ることもあります。

その場合、渡航費やホテル代は自分持ち。IVANさんがパリコレに出た時はランウェイ1往復10万円とのことで、プラマイゼロどころかむしろマイナスになるケースもあるようです。

中には、「ノーギャラで服を支給」というブランドも。

デザイナーさんやメイクさんの方が「クリエイター」として上位であり、モデルさんは「出させていただいている」という立場という場合もあるそうです。

しかし、それだけの価値がパリコレにはあります。

「パリコレに出た」という箔があるとないとでは、その後の活躍度が大きく変わってきます。

「パリコレ出演モデル」という箔がつけば、オーディションを受けなくても次から次へとオファーが舞い込むようになり、自身を売り出していくことが可能となります。

その時はマイナスになったとしても、将来への投資という視点で見ると「パリコレ」には大きな意味があるのです。

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