【Webディレクターの禁句】デザイナーのモチベーションを底に落とす5つの言葉

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Webサイトの制作を行うWebディレクターの多くは、一回でクライアントに満足してもらえるデザインが出せないか、いつでも高いクオリティのデザインが出せないか、それもできる限り短い納期で…、と頭を悩ませているのではないでしょうか。

デザインというのは個人の感性が大きくかかわる部分であり、またオーダーもクライアントの言葉や「こんなイメージで」というサンプル程度といった曖昧なものになってしまいがちなため、「ハマるとなかなか抜け出せない」状態に陥ってしまうものです。

「厄介な案件を担当しちゃったな…」なんて、思わず愚痴をこぼしたくなる日もあるのではないでしょうか。

でもそれは、Webディレクターの指示を受けてデザインを制作するデザイナーにとっても同じこと。デザイナーにとってはWebディレクターがクライアントのような立ち位置にいるため、実はあなた自身がデザイナーから「厄介なクライアント」と思われてしまっているかもしれません。

あなたの無意識な言動がデザイナーのモチベーションを下げている!?

デザインという個人の感性が大きくかかわる仕事においては、デザイナーのモチベーションがクオリティに影響を与えてしまうことは否めません。モチベーションというのは「上げろ!」と言われて上げられるものではないため、Webディレクターとしてはいかにデザイナーのモチベーションを高めながら仕事をしてもらうか、というのも大事なスキルのひとつになります。

ところが、仕事に追われて忙しかったり、プロジェクトの進捗が芳しくなかったりした際、思わずポロっとこぼしてしまった言葉が、デザイナーのモチベーションを大きく下げてしまうことがあるのです。

ここでは、無意識に言ってしまいがちな、デザイナーのモチベーションを底に落とす5つのフレーズをご紹介します。

1. 「なんか違うんだよなぁ」「こんな感じにしてよ」

デザイナーから上がってきたデザインをチェックする際に、思わず言ってしまいがちなこの言葉。デザイナーのモチベーションを下げてしまう危険があります。

前者の「なんか違うんだよなぁ」は、具体的にどこをどうなおしたらいいかわからず、デザイナーとしては困ってしまう反応です。「なんか違う」と言われて何かを変えてみたところで、また「なんか違う」と言われてしまうんじゃないかと思い、やる気を失ってしまうものです。

といって、イメージを提示する際に「こんな感じにしてよ」と、漠然とURLだけを送ってしまうケースもあるのではないでしょうか。イメージがある分前者よりは具体的にはなっているものの、これも結局「このサイトのどこを参考にすればいいんだ」とデザイナーは困ってしまいます。

参考となるイメージを提示しつつ、「この部分は、このサイトのこの部分を参考に変更できないかな」といった具体的な「なおすべき箇所」と「どうなおしたいかのイメージ」を伝えるようにしましょう。

2. 「お任せします」

デザインの細部を詰めていく過程で「どう修正するべきか」というデザイナーの問いに対して、忙しくてあまり考えがまとまっていない時などに「お任せします」と思わず答えてしまうことがあるのではないでしょうか。

実際に「お任せ」してその通りにいくのであればまったく問題ないのですが、デザイナーは直接クライアントとコミュニケーションを取れているわけではないため、多くのケースで結局「お任せ」通りにはいかず修正・変更が発生してしまうことになります。「お任せします」と言いながら何度も修正が発生してしまうと、それだけデザイナーからディレクターへの信頼が損なわれていくことになってしまうのです。

「どう修正するべきか」と問われて答えに窮した際は、「このパターンとこのパターンをラフでもいいので用意してもらえますか?」といった形で、選択肢を用意してもらうなどの対応をとるようにしましょう。

3. 「絶対大丈夫です!これで通ります!」

クライアントと直接コミュニケーションをとるディレクターとして、自信をもってプレゼンテーションをしたり、デザイナーが仕上げてきたものに賛辞を送ることはとても重要なことです。しかし、過度に期待値を上げることは厳禁で、結局修正が入ってしまった際「話が違う…」となりがち。

「絶対大丈夫です!」といった表現ではなく、「僕はこれがいいと思っています。この魅力をきちんとクライアントに伝えられるよう、頑張ってきますね」といった、自分は自信を持っているが、断言はできないから成功を祈ってほしい、というレベルにとどめると、社内からの支持も得やすいと思われます。

4. 「これくらいのスケジュールでできるでしょ?」

クライアントへ納品をしなければいけない以上、事前にスケジュールを決め、その通りに進行させる必要がありますし、スケジュール管理はWebディレクターのもっとも重要な役割のひとつです。

ただ、デザインという作業は、極端にいうと「思いつくか、思いつかないか」が工数に大きく影響を与えます。どういうデザインにするのかが明確に決まりさえすれば、あとは作業の時間で見積もることができますが、なかなかデザインの方向性が定まらない時などは、事前に工数を明確に区切るのが難しいことも事実です。

そんな中で、全体の都合はあったとしても、デザイナーの意向を無視したスケジューリングをしてしまうと、「自分の仕事が軽んじられている」と感じてモチベーションを下げてしまう恐れがあります。

「できればこれくらいのスケジュールでできると助かるんだけど、現実的にどうだろう?」というような相手の意向を汲む姿勢が伝わるコミュニケーションを心掛けましょう。

5. 「後で見ます」

サイト制作などのプロジェクトを進めている際には、どうしても緊急で対応しなければいけない事態というのは発生するものです。他のプロジェクトの稼働を調整し、緊急事態に対応してくれたデザイナーに対して、言ってはいけないのがこの言葉。

急ぎで対応してくれ、と言っていた割に「後で見ます」と返されると、本当に急ぎの案件だったのか、うまく使われただけなんじゃないか、とデザイナーは感じてしまうことでしょう。もちろん、デザイナーが仕上げてくれたタイミングでいつでもチェックが可能というわけにはいかないでしょうから、すぐに見られない場合は、「ありがとうございます。今会議中なので、○時までに見てフィードバックします」というように、まずは感謝と次の具体的なステップを示すようにしましょう。

この5つの言葉は、何もWebディレクターとデザイナーの関係にのみ当てはまるものではありません。ただ、仕事の信頼関係においてコミュニケーションが持つ役割は非常に大きく、特にデザインというクリエイティブな仕事をするデザイナーにとっては、モチベーションがクオリティに影響するため、ちょっとしたコミュニケーションにも気を配る必要があります。すべては「クライアントが満足する仕事」をするために、デザイナーとのコミュニケーションの取り方もWebディレクターの大切なスキルのひとつと心得ましょう。

文:河野富有

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