【顧客の「思った通り」に!】ディレクターに求められるデザイナーの意識を変えるコツ

「デザイン」というのは、言葉で要望すべてを伝えきるのは難しいもの。デザイナーをマネジメントするディレクターの皆さんは、「なかなか思った通りのクオリティでデザインができてこない」「自分がやった方が早いかも」「クライアントの要望とはずれてしまっている」…と感じてしまうことはありませんか?

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特にクライアントから依頼を受けてデザインを受託した場合、デザイナーの仕事は「報酬を支払うクライアントの満足のいくデザインを仕上げる」ことが非常に重要です。クライアントが満足しない作品をいくら作っても、報酬にはつながらないのです。「仕事」とは何を目指すものかという意識を、デザイナーに持たせることも、ディレクターの仕事の1つです。

コツ1.デザイナーの「作りたいもの」を把握する

先の項目と矛盾するようですが、クライアントが「作って欲しい」と要望する内容と、デザイナーの「作りたい」という思いが一致するのは非常に幸運なことです。

人が「やる気」が高まりやすく維持しやすいのは、内発的動機づけにもとづいて行動しているときであり、内発的動機づけが生じやすいのは「自己決定感、有能感、他者受容感」を得ることができる場合です。

だからこそ、デザイナーの「この仕事をしたい」という思いと、クライアントの希望する方向が一致した場合には、クオリティの高い作品ができあがるのです。

そのため、ディレクターとしては常日頃から「デザイナーの作りたいもの」「デザイナーの目指す将来像」を知っておきましょう。クライアントからの依頼を受けたらすぐに、適任者を思い浮かべられるようにしましょう。

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コツ2.デザイナーを信頼し、仕事を任せる

マネージャーの中に「デザイナーに任せるべき仕事まで抱え込んでいる」という人がいます。理由としては「デザイナーが忙しそうで頼めなかった」「ディレクター自信が完璧主義で、全てを自分で確認しなければ気が済まない」など、様々な理由が考えられます。

しかし、そのようなマネージャーをデザイナーはどのように見ているでしょうか? デザイナーたちが「私たちのことが信用できないから、仕事を任せてもらえないのだ」「デザイナーのことを単なる末端の作業員としか考えていないのだ」と感じるようであれば、マネージャーの仕事としては失敗です。デザイナーは「自己決定感、有能感、他者受容感」のいずれも感じることができず、やる気を失ってしまいます。

マネージャーに求められるのは「デザインという作業そのもの」ではなく、「デザイナーがクライアントに満足してもらえる作品を作れる環境を整えること」です。その基本を忘れさえしなければ、一時的・急場しのぎにデザイナーのやるべき仕事をディレクターが担当する、ということも構わないでしょう。

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コツ3.急な変更があったら「明確な理由説明」と「フォロー」を欠かさずに

かつて「朝令暮改」は良くないことと言われていました。実際、「クライアントや上司の言うことがころころ変わる、昨日と今日で言うことが違う」ことは、デザイナーのやる気をそいでしまうものです。

ただ、時代の変化が非常に早くなった現代は、社会情勢を反映してプロジェクトの方針を頻繁に変更せざるを得ないこともあります。その場合には「クライアントの求めるものが、なぜ変更されたのか」を、デザイナーに伝えた上で、これまでの労をねぎらうということです。デザイナーの作業内容に非がなかった場合は特に「ここまでの作業には感謝しているんだ」と伝えることが大切です。また、日頃から信頼関係を築き「このディレクターの発言は、信頼しても大丈夫だ」とデザイナーが思うような存在となっておきましょう。

当然ながら「思いつきでものを言う」「言ったことをすぐに忘れてしまう」のは、決して良いことではありません。

コツ4.違う考えをもつデザイナーを大事にする

デザイナーの仕事は「クライアントに満足してもらうため」だと冒頭で述べました。実は、ディレクターの仕事も同じです。

もしも、デザイナーの中に「ディレクターの提案とは違う方法を採った方が、結果的にクライアントに満足してもらえるのでは?」と考える人がいた場合、その意見を単に切り捨てるのは得策ではありません。ディレクターやクライアントの考えが常に正しいとは限らないので「そうではないかもしれない」という視点で、プロジェクトを見直すことができるデザイナーは貴重な存在なのです。

ディレクターが、自分と同じ考えをするデザイナーばかりを重用していると、デザイナーたちは「クライアントのためではなく、ディレクターに気に入られるための発言・提案」しかしなくなってしまいます。

ディレクターはクライアントとの接点が多いため「仕事はクライアントの満足のため」という原点に立ち返る機会が多いです。クライアントとの接点が少ないデザイナーにも、折に触れて「クライアントの求めるものは何か?」を伝え、クライアントの存在を意識させることが必要です。

文:河野富有

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