こんな人が欲しかった!

イマドキの応募書類テクニック

景気が底をついたといわれるが、まだまだ採用の現場では厳しい状況が続いている。多くの応募者のなかから、人事担当者に「会ってみたい」と思わすためには、応募書類にもさらなる工夫が必要になってきた。そこで、若手ビジネスパーソンに対する転職指導で定評のある人材コンサルタントに、今の時代の「応募書類の書き方」を伝授してもらった。

2010年1月27日

ADVISER

株式会社キープレイヤーズ 代表取締役
高野秀敏氏
人材サービス会社「インテリジェンス」にて、人材紹介事業の営業、キャリアカウンセリングに従事。2005年1月にキャリア支援会社「キープレイヤーズ」を設立。現在までに6000人以上のビジネスパーソンのキャリア指導をする。著書に「セカンド就職のススメ」「就職氷河期だからこそ絶対に後悔しない就職先の選び方」がある。

採用があるのは、どんな職種?

景気に左右されず、年間を通して需要が高いのが経理職。「特にこの時期は、3月末の決算に向けて採用数が増えていますので、何回か決算経験のある人にとってはチャンスです」(高野氏)。全体に採用数が減っている中、なんともうらやましい話だが、実は営業職も悪くないという。「医療業界、保険業界、塾・学校などの教育機関、SEO会社などのWeb業界を中心に採用が増えているので、実績があれば異業種転職も可能です」。その他、企画系職種でいえば、ゲーム会社、携帯コンテンツ会社、Eコマース会社を中心にしたWeb系の事業企画の採用が増えている。では、人事担当者は応募者のどんな部分に注目しているのだろうか。応募書類作成上のアピールポイントを考えてみよう。

注目される「職務経歴書」の書き方

営業職のアピールポイント

●「タイトルホルダー」であることを強調しよう
今はどこの企業も人を育てる余裕がない。「入社後すぐに利益をもたらしてくれる人」を求めているのだ。「タイトルというと大変なもののように聞こえますが、『売り上げ部門賞』などの社内の賞でいいので、『表賞歴』という項目を作り、タイトルホルダーであることを強調しましょう」。

●「類似点」を重点的に書く
「以前より即戦力を求める傾向にあります。人事担当者の立場から言うと、教える必要がなく、顧客を持ってきてくれる可能性のある同業者がいいのが本音。ですから、異業界からの転職者の場合は、『応募先と現在の仕事に、類似点があること』をアピールしましょう」。特に「商品の種類」「商品の価格」「営業スタイル」「営業地域」「クライアント会社の規模」に関する類似点は重点的に書こう。

●「一人で何役もできる」ことを伝える
営業職の中でも、営業マネージャーの採用は比較的多い。「しかしこんな時代ですから、部下を管理できるだけでなく、自分でも数字を取ってこられる人が求められています。つまり、プレーイングマネージャーです。管理職でなくとも『営業企画や販路戦略も得意』など、一人で何役もこなせることがアピールできたら、市場価値はかなり上がるでしょう」

企画系職のアピールポイント

●結果を数字で書く
経営の数字に直結する人が欲しいのは企画職も同じ。「自分が携わった企画が利益を生んでいるかどうか。成果を数字できちんと表しましょう。収支が数字でわからない場合は、どんな効果を生み出せたかだけでも書いておくこと。独創的な企画でも数字や貢献度が書かれていなければ、相手にされません」

経理職のアピールポイント

●「決算経験+英語」が強い
経理職は通年で採用の多い職種だが、特に英語力があると有利。IFRS(国際財務報告基準)の導入が課題となっている企業が多いからだ。「TOEIC800以上の英語力がある経理職は、好条件で転職できる可能性があります」。英語力がある人は、職務経歴書の下に自己PRの欄を設け目立たせよう。点数が高くなくとも、国際会計を意識して英語の学校に通っているというだけでもアピール材料になる。

差がつく「志望動機」はこう書くべし

期待値を調整して好感度を上げる

職種に限らず、「書類は通るけど、面接で落ちてしまう人」が増えているという。理由の多くは、応募書類に実力以上のことが大げさに書かれている「上げ底レジュメ」が増えているため。「応募者に会う前に人事担当者の期待値が上がってしまい、面接でがっかりしてしまうパターンが多いんです」。自信満々かつ大げさに書かれた応募書類ばかりが目につき、辟易している人事担当者も多いとか。そのため高野氏は、「期待値を調整して好感度を上げる」やり方を転職希望者に伝授しているという。作成ポイントを挙げてもらった。

「志望動機」作成上のPOINT

●自分の言葉で、正直に書く
見本をコピーしてきた志望動機ではなく、自分の言葉で書かれた文章は人事の心を打つ。

●できることだけでなく、できないことも書く
強みと弱みの両方を書き、文章にめりはりをつけることによって、内容の信ぴょう性が高くなる。

●具体例を挙げて書く
「代理店営業は得意だが、直販営業は未経験です」など、強みと弱みを具体的に書くこと。「より商品に対して愛情が持てる直販営業に興味を持っていました」など、弱み部分のフォローを忘れずに。

<例文>

銀行の営業職から商社の営業職への転職の場合

商社にはパワフルなイメージを持っています。私はこれまで、金融業界で中小企業に対するルート営業をしてきましたので、堅実な仕事の進め方しかわかりません。しかし、これからのキャリアパスを考える上で、バイタリティあふれる人々と仕事をし、待ちではなく攻めの姿勢で仕事をしていきたいと考え応募しました。最初はとまどうことがあるかもしれませんが、年配の経営者との折衝で鍛えた交渉力、信頼構築力は、安く仕入れをしたい顧客と高く売りたいメーカーとの調整役である御社の営業でも活かせるのではないかと考えております。

大切なのは、キャリアパスに合った転職かどうか

転職をすると給与ダウンしてしまうケースが増えているという。しかし、そのことは一番大事な問題ではないと高野氏はいう。「どうしても就きたい仕事や入りたい会社があるならば、業績連動型で給与がもらえる会社に転職し、入社後に実績を出して給与を上げていけばいい。その場合は、応募書類に『給与は肩書にはこだわっていません』とひと言入れておきましょう。書類通過の確率はかなり上がります」(高野氏)。給与ばかりがステップアップではない。長い目で見てキャリアパスにあった転職をしていこう。

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