あなたも見つかる!

“社外でも使える”スキルの発見法

「いろいろな仕事をしてきたのに、アピールポイントが見つからない」「自分には特筆すべきスキルがない」…。そんな風に悩んでいるビジネスパーソンも多いかもしれない。しかし、そんなことはない。それどころか、一つ一つの経験をきちんと棚卸していけば、誰にも「武器」となるようなスキルが必ず見えてくる。そこで今回は、「営業職」と「人事職」の2つのケースをもとに、「異業種・異職種でも活かせるスキル」の探し方を紹介する。

2011年7月27日

<ADVISER>

ハナマルキャリアコンサルタント<br>
埼玉女子短期大学准教授<br>
細田咲江氏

ハナマルキャリアコンサルタント
埼玉女子短期大学准教授
細田咲江氏

流通企業の人事部で採用担当や人事教育を経験後、独立。1994年にハナマルキャリアコンサルタントを設立する。学生の就職や社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広い分野で活躍中。

【case1】
個人向け住宅販売営業の経験を活かして
転職したいAさんの場合

(1)個人向けに高額商品を販売した経験を活かす

住宅は高額商品ですから、顧客も慎重に検討したうえで購入を決めます。一度の営業で簡単に売れる商品ではありません。だからこそ顧客の心をつかみ、信頼関係を築いて「この人から購入しよう」と思わせる営業力・人間力が必要になります。特に同じ価格帯の商材を取扱っている企業であれば、業界が全く変わっても経験を活かせますし、実績を出せている場合は、それだけで即戦力として評価されるはずです。「外国車のディーラー」「富裕層向け金融商品(投資信託、株、保険等)の営業職」は接点があります。

(2)ローン手続きや金融に関する知識を活かす

住宅営業であれば、ローン手続きにまつわる知識は必須です。ローンの計算ができるのは当然として、顧客のライフプランに合わせたローンの設計や、金利なども考慮のうえで顧客にとって最善の選択を取捨選択するという流れそのものが、異業界でも通用するスキルとして評価される場合が多いです。「投資信託銀行の個人向け融資」の仕事などはまさにぴったりでしょう。幅広い商品を扱う「証券会社のリテール営業職」等も、比較的転身しやすい仕事といえるかもしれません。また、業界知識を成果に結びつけるためにどう活用していくか、自身の経験をもとにアドバイスする仕事として、コンサルタントへの転身も可能です。

(3)カスタマーのニーズをきめ細かく把握する力を活かす

特に住宅のような高額の商材は、強いこだわりを持って購入する人がほとんどです。相手がどんな家に住みたいのかを細かくヒアリングし、その内容に合わせてサービスや商品を提案しなくては受注につながりません。日々の業務の中で培った、「一人ひとりのカスタマーのニーズを把握したうえでターゲットを設定し、コンセプトを決める」という一連の流れは、まさにマーケティング業務と同じ考え方なので「企画職」とも接点があります。特に今の業務では個人向けの商材を取扱っているので、同じように個人向け商材を取扱う企業であれば、接点も見出しやすいでしょう。またカスタマーにきめ細やかな提案を行うという観点では「ウエディングプランナー」等の職種でも活かせる力と言えるでしょう。

(4)色々な利害関係者をまとめてきたディレクション力を活かす

営業だからといって、ただ顧客にものを売るだけが仕事ではありません。あらゆる部門の人と折衝を行いながら、納期までに顧客の希望通りの商品を完成させることも大事な仕事です。あらゆる利害関係のある人たちを束ねた経験は、どの仕事をするうえでも必要となる能力ですから、同じような業務を行うポジションでは高い評価を受けるはずです。「イベント会社の企画営業職」等では経験が活かせそうです。未経験からの転身は難易度が高いかもしれませんが、「テレビ局のアシスタントディレクター」等も業務的には近しいと言えます。また多くの人を巻き込んで、主体的に仕事を進めて行く力がある人は、成長中のベンチャー企業など、少数精鋭の企業では特に重宝されるはずです。

【case2】
中小企業での人事経験を活かして
転職したいBさんの場合

(1)綿密な調査・検討を実施し、「制度」や「場」を創り出してきた経験を活かす

人事職というのは、実は企画力を求められる仕事です。賃金体系や人事制度の見直しといった、制度を根底から変えるような業務ではもちろん綿密な調査と検討が求められますし、説明会や内定者フォローのためのイベント実施も実施します。自社が求める人材をきちんと説明会に呼び、当日の動機づけを行えるコンテンツをつくったり、また内定者のモチベーションを高め、内定者同士の結束力を高めるイベントを企画する際にも、企画力が必要。しかも、企画立案だけでなく、その後の社内の関連部署への根回しや、事前にコンセンサスを得るための調整業務など、企画を通すために動き回る必要があります。そうした経験は、「無形サービスの商品企画」等でも活かすことができるでしょう。

(2)役職者の協力を仰ぎながら、業務を円滑に進めていく力を活かす

関連部署への調整業務の中でも、面接においては、役職者への協力依頼が不可欠です。しかも、採用方針の理解はもちろん、面接でどのようなことを話し、どのように動機づけしてほしいのかを、細かく指示出しする等の配慮が必要です。対峙するのが部長や役員クラスなど多忙な人ばかりですから、できるだけ端的に、わかりやすく、やってほしいことを依頼する必要があります。当たり前のことではありますが、どの仕事をする上でも基本となることを徹底してやっているという意味でも、役職者との協業を評価する企業は多いのです。役員クラスとの接点が多い「経営企画」等の職種で活かせるのはもちろんのこと、「役員付きの秘書」等でも価値を見い出してもらいやすいかもしれません。

(3)目的に対して着実に成果を積み上げていく目的遂行力を活かす

人事制度を変え、社員の間に定着させるということは、想像以上に難しい仕事です。人事制度は社員のモチベーションに大きく関わりますし、特に給与にも関係することですから、社内での反対意見もあります。大きな目的に向かってあらゆる人を巻き込みながら、一つ一つの業務を積み上げていく大変な業務です。こういったエピソードからは、目的遂行力を感じることができます。経営での意思決定を受け、それを達成すべく関係部署を統括して業務を進めていく「事業企画」等で、経験が活かせることでしょう。

実はあなたの中にはたくさんのアピールポイントがある

今回は2つのケースついてアピールポイントを掘り下げてみたが、汎用的なものが多かったのではないだろうか。大事なのは、一つひとつの業務を多面的に見ること。業務の中で、「どんな相手と」「どんな場面で」「どんな会話をしてきたのか」を改めて考えてみることで、思いもよらぬ仕事との接点が見つかることもある。そこを見つめ直すだけでも大きなスキルの金脈が見つかるはずだ。「自分にはスキルなんて何もない」とマイナス思考で考えず、プラス志向で前向きに捉えていけば、必ず自分なりのアピールポイントが見つかるだろう。

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EDIT
高嶋ちほ子
WRITING
志村 江

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