営業職、経理・財務職、企画系職 不況でも引く手あまたの人材とは?

こんな時代に、企業がのどから手が出るほど欲しい能力

不況による買い手市場が続いている。しかしながら「こんな時代でも、どうしても欲しいと思う人材」は確実にいる。それどころか、優秀な人材に対する採用ニーズは増えているというのだ。では、企業が求める「能力」とはどのようなものなのか。営業職、経理・財務職、企画系職に関して、必要とされる能力を第一線で活躍する人材コンサルタントに聞いた。

2010年1月20日

ADVISER

株式会社クライス&カンパニー 代表取締役
丸山貴宏氏
リクルートの人事採用担当を約7年間経験後、人材紹介会社クライス&カンパニーを設立。面談者は現在までに1万人を超える。「候補者の根っこのエネルギーを発掘する」がモットーの人材コンサルタント。

株式会社キャリエーラ 代表取締役
藤井佐和子氏
大学卒業後、カメラメーカーに入社、3年半従事した後、インテリジェンスに転職。現在は、フリーのコンサルタントとして研修・講演等で幅広く活動。著書に「伝え上手で、キャリア・アップ!働く女性のハッピー法則」など。

優秀な人材への市場価値は上がっている

2008年9月のリーマンショックから1年以上経った今でも、景気が回復したとは言い難い状況が続いている。企業側も不要な人材を抱えたくないのが本音である。採用の現場でも、「あえてこの時期に採用するべき人材かどうか、を厳しく問われることが多い」(丸山氏)という。しかしながら、「優秀な人材は企業の生命線。しっかりと企業が抱え込んでいるので、なかなか転職市場に現れない」(藤井氏)ために、優秀な人材に関してはますます市場価値が上がっていることも事実である。では、企業はどんな力を求めているのか。職種別に見てみよう。

「営業職」なら、これが欲しい!

顧客コラボレーション力

既存の商品がなかなか売れない時代です。営業職も、ただ商品を売るだけではなく、新しい商品や販路を自ら作り出せる力が求められています。例えば、営業に行った際に、顧客に対し「御社と組んで、何か新しいことができないでしょうか」と話を持ちかけ、新ビジネスを生み出せる力があると強い。顧客企業も財政面で厳しい場合が多いですから、「一緒にお金を作っていきましょう」と提案すると受け入れられやすいでしょう。ただ、そのためには、ビジネスパートナーとなれるような信頼関係のある顧客を持っていることが大前提となります(藤井氏)。

自立力

自ら売り上げを出せる力のことです。これには、自分で仕事を見つける発想力、売り上げに結びつけていく目標達成力が必要となります。営業職だけでなく法務や財務職などにも言えることなのですが、「放っておいても、利益に貢献してくれる人」を、会社は手放しません。今の時代は、誰かが考えたことを、何も考えずにそのままやっているような人は、会社から必要とされません。待ちの姿勢ではダメだということです。(丸山氏)。

サバイバル前進力

サバイバル力

厳しい時代でも生き抜いていけそうな、たくましい前進力を企業は求めています。業績が伸び悩む会社が多い中、暗くなりがちな社内を活気づけるような明るさや前向きさ、そして失敗しても成功するまで止めない粘り強さなどを感じると、企業はその人を採用したいと思うようです。今は会社員であっても、ビジネスに対しての本気度が見られる時代と言っていいでしょう(丸山氏)。

「経理・財務職」なら、これが欲しい!

やり切り力

これも経理・財務職に限ったことではないのですが、「やりましょう」と言うだけで形にならない人が多い。最後までやり切って形にできる力が非常に重要です。景気がよかったときは、一つがダメでも次があった。その影響からか、執着する力が落ちているように感じます。その中で、我慢強く愚直にやり遂げられる人、ルーティンな仕事でも、ただこなすのではなく目的意識を持って意欲的に取り組める人は、今後ますます貴重な存在となるでしょう(藤井氏)。

経営者に夢を見させる能力

打ち出の小づち

例えば財務だったら、資金調達してくれそうと思わせるなど、この人と話していると、自社の弱い部分や経営上の難点が解決できそうと思わせる能力のことです。面接では、「既存の社員にはないもの」かつ「自社に必要なもの」を持っていることを企業側にアピールできなくてはなりませんから、企業情報から応募先が抱えている問題点を読み取る想像力も必要となります(丸山氏)。

安心力

安心して仕事を任せられるかどうか。経理・財務職に限ったことではないですが、今の時代、「安心」や「信頼」が重要なファクターになっています。これは「納期を守る」とか、「必ず返信をする」とか、そんな簡単なことに現れてくるのですが、スピード社会の弊害からか、できなくなっている人が多い。社会人として基本的なことがおざなりにされているのはないでしょうか。少ない人数で仕事を回していかなくてはならない時代に、「この人に任せれば安心」と思ってもらえることは、とても重要です(藤井氏)。

「企画系職」なら、これが欲しい!

臨機応変力

先行き不透明な状況にあって、企業もいろんな施策を手探りで試していかねばなりません。そんな中、いかに臨機応変に柔軟に対応できるかが問われています(丸山氏)。
仕事内容、待遇、給与、制度など、さまざまなことが、企業が置かれている状況によって急変します。その都度、「前はこうだったのに…」と不満に思っていてはダメ。既成概念にとらわれないことが、今の時代を乗り切るポイントとなります(藤井氏)。

付加価値力

企業も従業員も商品も、「本物」でないと生き残れない時代がきたと言われています。では、本物のビジネスパーソンとはどういう人かというと、「付加価値を生み出して、それを対価にできる人」なんです。仕事をする際に、その人にしかできない価値をつけ加えてきた人は、どんな世界でも生き残っていける力を蓄えているでしょう(丸山氏)。

企画リサイクル力

企画を探す

「営業職はいるけれど、売れる商品がない」という企業が増えています。企画職としては、新しい商品や販路、営業方法を生み出さなくてはなりませんが、ここ1年あまりの間にドラスティックに価値観が変わってしまったために、何から取りかかっていいかわからず、立ち止まってしまう人も多いようです。そんなとき、昔、通らなかった企画を見直してみると、意外と今の時代に合っているものがある。捨てたアイディアは宝の山。そんな考え方を持っている人は、ほかの人より豊かな発想ができます(藤井氏)。

前向きな人には、チャンスの多い時代

二極化の時代と言われて久しい。以前は単純な収入の差だったので、ライフスタイルや生きがいを変えれば、どちらも幸せをつかむことができた。しかし今は、「仕事があるかどうか」という厳しい二極化の時代。まじめに仕事をしていても、待ちの姿勢だったり、上から言われたことを単にこなしているだけでは、リストラの対象になってもおかしくないのだ。大変な時代だが、ビジネスに本気で取り組み、自分から前のめりになって機会を作っていける人にとっては、飛躍するチャンスの時代がきたとも言える。せっかくならば、自分にとっていい時代になるよう、前向きに過ごしていこう。

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EDIT&WRITING
高嶋千帆子
ILLUST
高田真弓

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