人事はココに注目していた!応募条件に満たないのに採用される人ってどんな人?
転職を考えるのは、「今までとは違ったこれがやりたい!」という希望があってこそ。それだけに「希望職種だけど実績がない」という事態が起きる。自分にない資格や前職経験などを求められた場合どうすれば?2つの例に学ぼう。
・FILE 1:年齢と社会人経験が足りない!そのハンディを克服して転職に成功
・FILE 2:英語でのビジネス経験とインターネットの知識が実務レベルには不足
FILE3 未経験業界への応募。前職の類似業務のアピール成功で正社員枠をゲット!
人事 鈴木さん
エクセル・ジャパン株式会社
人事部 鈴木美香さん
当時の募集要項
仕事内容:ロジスティック(物流)・オペレーション
業務のスタッフを募集。
募集条件:2〜3年以上の経験者なら正社員で採用、業界未経験者でもやる気がある人なら勉強期間的な意味で最初は契約社員から。外資系のため語学力があれば尚よい。
応募
今井さん 転職者
今井佳奈子さん(当時26歳)
子供時代の海外生活が長く、英語は得意。英語に限らず語学の勉強は好きで、大学時代には中国語の勉強に力を注いだ。語学力を活かせるということで就職したのが前社のメーカーだったが、働くうちに商品の物流に興味が湧いてきた。
人事部 鈴木 美香さんの視点 転職活動スタート 今井 佳奈子さんの視点
新規事業立ち上げスタッフが必要。できれば即戦力が欲しいけれど……
一番欲しい即戦力は、「物流に詳しく、ビジネスレベルで英語に堪能な人」。しかしこの求人条件にぴったり合う人を探すのは厳しいことを最初から分かっていた。それでも、社内で新規事業を立ち上げるための重要なスタッフ募集で、良い人材を見つけたい。即戦力としては無理でも、将来的に期待できそうな人なら契約社員から育てるつもり。
応募前
どういう雇用形態にしても、物流について学びたい
前社のメーカーでは生産管理を担当。購買業務に関わるうちに物流に興味が生まれて、それを専門に勉強したいと転職を決意。もちろん社会的安定などを考えると正社員の方がいいのには決まっているけれど、業種としては未経験なので契約社員枠で応募することに。
前職での類似業務内容をはっきり明記した応募書類に好感
どうして物流に興味を持ったのかが、前職との関係のなかできちんと表現されていて好印象。「特にコスト面からモノの流れを学びたい」という具体的な課題を持っている。業界は違うが、生産管理・購買という近い立場での業務経験があるという点にも期待。
書類選考
経験に基づいた「やりたい」を主張
前職では「買う立場」から見ていたモノの流れを、今後は内側から支える仕事がしたいということを率直に書いた。購買業務に携わっていただけに、特に物流のコスト面には大きな興味があり、いずれは顧客に経費節減が提案できるような仕事に就きたかった。あくまで前職との業務内容とのつながりのなかからの志望動機を伝えた
高いコミュニケーション能力と語学力を評価
頭の回転が速く、質問した内容に適切に答えてくる。入社が決まれば、いずれは営業やコンサルティングもやってもらう予定のポジションだったので、コミュニケーション能力が高いのは大きなプラスポイント。二次面接の際のマネージャーによる英語と中国語による面接でも、確かな語学力を示した。
面接
聞かれたことは、内容をふくらませて答える
ひとつひとつの質問に対して、ただ「はい」「いいえ」だけを答えるのではなく、「なぜ物流業界を志望するのか」「物流という分野で何がしたいのか」など、アピールしたい方向に自分から話をふくらませていった。企業側にじっくり話を聞いてくれる姿勢があったため、最後まで落ち着いて話せた。二次面接で語学の話になったとき、途中から突然会話が中国語に切り替わったのにはびっくり。でも何とか無事に切り抜けた。
「自分からアクションを起こせる」ことが求める人物像にマッチ
「課題意識を持って自分からアクションを起こせる人材」という評価で、他の面接官とも意見が一致した。新規事業の立ち上げにおいて、契約社員としてのサポート的な業務からではなく、最初から第一線で働く主力スタッフになって欲しかった。足りない知識は経験のなかで身につけてもらえばいい。
採用決定
新規事業のなかでイチから業務を学ぶ
契約社員のつもりでの応募だったのに、「正社員で採用します」という通知をもらったときには驚いた。玩具を扱う新規事業部に配属が決まる。すべてイチからのスタートなので、物流について最初から学んでいく場としては最高だと思う。入社初日からクライアント企業を訪れて実務を兼ねた研修を受けた。
マイナスをプラスに
前職での経験と転職動機を関連づけてアピール
今井さんの場合、「物流業務のスタッフ」という募集に対し、業種は違っても前職でそれにつながりのある「生産管理・購買」の業務経験を持っていた。それを「前職での経験」→「それに基づく転職動機」→「今後のビジョンや意欲」という流れで論理立てて主張できたことで、人事担当者から「頭の回転が速く、自分から積極的に動いていける人物である」と高い評価を受け、それが正社員採用の決め手となった。
人事担当に聞きました
知りたいのは、不満要因に対する対応力
たとえ経験者でも、「前職でこういう面に不満があったから」というネガティブな姿勢だけでは、志望動機としてマイナスに捉えられてしまいます。私たちが前職の話で聞きたいのは、「そこの職場環境や待遇の悪さ」ではなく、「そういった不満要因に対してどう考え、どのように対処してきたか」です。加えて「今回の転職をターニングポイントに今後どうありたいか」を提示されれば、新しく雇用する側もその人への期待感が持てます。
FILE4 販売から営業へ。具体的な転職動機と熱意を示してスキル面の不足をカバー!
人事 佐川さん
翼システム株式会社
人事部 佐川豊さん
当時の募集要項
仕事内容:自動車関連業界への課題解決型
コンサルティング営業
募集条件:営業経験者。業界を問わず、企業経営者への提案営業、コンサルティング経験者であれば尚よい。
応募
金子さん 転職者
金子謙三さん(当時24歳)
大学卒業後、持ち前の社交性から「お客様と直接係わる仕事に就きたい」とホームセンターに販売職で入社。しかし、売場での型にはまった業務をこなす毎日に物足りなさを感じて、半年後に転職を決意。もっと自分から積極的に顧客にアプローチしていけるような、やりがいのある仕事を求めた。
人事部 佐川 豊さんの視点 転職活動スタート 金子 謙三さんの視点
「営業力」は会社の生命線。経験豊かな営業スタッフが欲しい
全国に42カ所にある営業拠点で、絶えず変化するマーケット需要に対応する人材が必要なため、各顧客企業への営業職は常時募集をかけている状態。研修制度も充実させているが、経営者向けのコンサルティング営業の経験者が即戦力としてはベスト。
応募前
販売と営業のスキルの違いに迷いはあったけれど……
ネットで偶然見つけた募集だったが、インセンティブがある採用条件にひかれた。頑張ればそれだけ評価してもらえるのは嬉しい。自分からお客様を開拓していける仕事内容も魅力。ただ、同じお客様を相手にする仕事でも、販売と営業では全く違うスキルが要求されるはず……。迷いはあったが思い切って応募。
理工系出身、趣味「パソコン」が目を引いた
履歴書は応募者本人の分身。格別きれいな字というわけではなかったが、志望動機、自己PRなど各欄をびっしりと埋めた文字から一生懸命さは伝わった。電気電子工学科出身で、趣味がパソコンの自作というのも目を引いた。業界的にIT系の知識があるのはプラス要素。前職の個人のお客様を相手にする販売とでは、仕事内容は大きく異なるが、ひとまず会ってみたいと思わせる意欲が感じられた
書類選考
自覚している性格と目標意識の高さを最大限にアピール
常にプラス思考で人と接せられること、物事を率先して進めていく前向きな姿勢があることなど、営業向きだと思われる自分の性格を履歴書のPR欄に具体的エピソードをおりまぜて空白がないように埋めた。また、「いずれは営業でトップの成績を上げたい」と具体的な目標を伝えた
転職理由を問いただして、営業の厳しさをロープレ
販売業務に携わっていただけに、印象はよい。とはいえ、実際の営業では厳しいお客様に出会う機会も多く、打たれ強さは必須条件。前職を半年で辞めたことについてどう考えているかを、敢えてきつく問い詰めてみた。それに対し、「もっと自分の能力を試したいと思った」、「仕事を通じてより多くの人との出会いを求めた」など、つたないながらにも真っ直ぐな答えが返り、最終的には「今後は御社で頑張りたい」という強い意志を確認できた。
面接
礼儀正しく、とにかくメゲずに真剣さを伝える
人事担当者と1対1での面接。前職での接客の経験を活かして、礼儀正しさやハキハキした受け答えに努めた。また、きちんと相手の目を見て話すことで真剣さを伝えた。コンサルティング営業という仕事の大変さも説明されたが、気持ちが揺らぐことはなく、「でも、やります」を繰り返して苦笑された
対人関係能力とバイタリティに今後の成長を期待
学生時代、バドミントン部の主将を務めていたというだけに、対人関係能力が高く、人を引っ張っていく力がある。同期の転職者のほとんどは30代の営業経験者で、年齢や経歴のギャップはあるが、このバイタリティなら違った世代とも馴染んで、彼らからも良い刺激を受けて成長してくれるだろうと期待した。営業未経験者ではあったが、将来性を見込んで採用を決意。
採用決定
先輩から営業スキルを、業界紙から知識を学ぶ
面接から2週間後、内定通知をもらった!入社してからは1カ月の研修の後、営業拠点に配属。早く仕事ができるようになりたいと、先輩に現場に同行させてもらって顧客との商談の進め方を聞くなど、営業の実践的なノウハウを学んだ。また、自動車関連の業界紙や専門誌に目を通す習慣をつけ、業界知識の吸収を心がけている。
マイナスをプラスに
押されても引かない意志の強さがキメ手
社会人としての経験自体が浅く、営業のスキルも持たない金子さんだったが、評価のポイントとなったのは、「それでも今後は営業がやりたい」という一点で決して引かなかったこと。少しでも迷いを見せると、採用側にも「今後ちゃんと仕事をやり遂げられる人材だろうか」という不安が生じる。言葉はつたなくても、意思の強さを伝え切れたのが採用のキメ手。
人事担当に聞きました
経験が豊富でも目標意識が低い人は採用できない
応募者のなかには、営業経験が豊富で「これも、あれもやりました」という人もいますが、そういった人に限っていちばん弱い質問が「では、なぜ今当社を?」。もっともらしい理由をいくら並べても、根底にあるのが単に安定志向だけなら、それは採用したい人材とは言えません。当社がインセンティブ制度を設けているのは、誰もが高いモチベーションを持って働けるように。目標意識の低い人は、経験にかかわらず採用対象にはなりません。
・FILE 1:年齢と社会人経験が足りない!そのハンディを克服して転職に成功
・FILE 2:英語でのビジネス経験とインターネットの知識が実務レベルには不足

会員登録がまだの方

会員登録(無料)

会員登録がお済みの方

「今すぐ転職」にも「いつかは転職」にも即・お役立ち!リクナビNEXTの会員限定サービスに今すぐ登録しておこう!

1転職に役立つノウハウ、年収・給与相場、有望業界などの市場動向レポートがメールで届きます

2転職活動をスムーズにする会員限定の便利な機能

・新着求人をメールでお届け

・希望の検索条件を保存

・企業とのやりとりを一元管理など

3匿名レジュメを登録しておくとあなたのスキル・経験を評価した企業からスカウトオファーが届きます

会員登録し、限定サービスを利用する

※このページへのリンクは、原則として自由です。(営利・勧誘目的やフレームつきなどの場合はリンクをお断りすることがあります)