5年後、10年後、あなたはどんな働き方をしている?

28歳「自分の将来像が描けない」人のためのヒント

社会人として経験を積んでも、「自分に何が向いているのかわからない」「5年後、10年後の将来像が描けない」という人は少なくない。自分の軸を定めないままキャリアを積んでいくことを、不安に感じている人もいるはずだ。今回は、28歳のビジネスパーソンに焦点を当て、300人にアンケートを実施。30歳を目前に控えた今、5年後、10年後、さらにはその先の「職業人としての将来像」を描けている人はどれだけいるのだろうか?彼らのキャリア観の「リアル」を探ってみたい。

2011年10月19日

28歳ビジネスパーソン「自身の将来像」についてのアンケート

調査方法:インターネット上で実施(メディアパーク)
実施期間:2011年10月7日(金)〜10月11日(火)
調査対象:全国の28歳のビジネスパーソン
調査人数:300人(男性150人、女性150人)

<ADVISER>

株式会社人材研究所<br>
代表取締役社長/曽和利光氏

株式会社人材研究所
代表取締役社長/曽和利光氏

リクルート、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門、管理部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野でさまざまな実務やコンサルティングなどを経験。2011年10月に独立。「人々の可能性を開花させる場や組織をいかに作るか」に取り組んでいる。

【300人アンケートから見えてきた28歳のキャリア観】
「5年後、10年後の将来像」を描いていない人が8割を超える

「やりたい仕事のイメージがつかない」から将来像を描けない人が最も多い

「あなたは今、5年後、10年後、20年後に、自分がどんな環境でどんな仕事をしているという将来像を、具体的に描けていますか?」――こんな質問を全国の28歳ビジネスパーソンに投げかけたところ、「描けている」と答えた人はわずか14.7%。8割以上の人が「自身の将来像を描けていない」という結果となった。
その理由として一番多かったのが「漠然とやりたいことはあっても、具体的にどんな仕事なのかイメージがつかない」(21.5%)というもの。次に続いたのが、「目先の仕事が忙しくて考える暇がない」「世の中がめまぐるしく変化しているので考えても意味がない」という意見だった。
28歳と言えば、社会に出て5年程度経つという人が多いため、そろそろ自分の強み、弱みが見えてくる年齢のはず。しかし、まだ将来進む道を決めかねている人が大多数であり、「将来像が描かれていないことに焦りや不安を感じない」との意見が10.2%を占めるなど、将来を考えること自体にあまり重要性を感じていないという人も存在するようだ。

「なりたい将来像」を見つけるため、24%の人は行動している

「将来像を描いていない」85.3%の人の中で、「なりたい自分を見つけるために行動している」人は24.6%だった。決して高い数値とは言えないが、その回答からは、自分が進むべき道をつかもうと試行錯誤している姿が見えてきた。

「どのような行動を取っているか」との問いに一番多かった答えは、「友人に会って話を聞く」というもの。「友人の近況や仕事内容を聞き、自分と照らし合わせる。また自分の話を聞いてもらい第三者的な意見を言ってもらう」(電気・電子・機械系メーカー/ソフトウェア・ネットワーク系エンジニア)、「付き合いの長い友人に自分でも気づかないようなところを指摘してもらったり、気づかしてもらったりする」(流通・小売/サービス・販売系)など、同年代の友人のキャリア観をつかむ、客観的なアドバイスからヒントをもらうという声が聞かれた。

次に多かったのが「ビジネス本を読む」との意見。「分野を決めず、目に付いたものを手に取ることで、自分のやりたいことが見つかるかもしれないと思いながら読んでみる」(IT・通信/ソフトウェア・ネットワーク系エンジニア)、「自分と違う価値観、新しい考え方を吸収して、将来をいろんな角度から考えるきっかけにする」(不動産/営業系)など、ビジネス本の中から自分に向いている道を探し出したいとする意見が多かった。

その他としては、こんな意見もあった。
「転職エージェントに、自分のキャリアを客観的に見てもらう。自分は営業向きなのか技術向きなのか、それとも独立したほうが賢明なのかを、今までのキャリアと併せて率直に聞いている」(電気・電子・機械系メーカー/電気・電子・機械系エンジニア)
「旅に出る。ストレス発散が主な目的だけど、旅に出ていろいろな人に出会う中で、思ってもみない職業の人に出会うことがある。自分の生き方を、旅行に行くたびに考え直すきっかけになる」(製造業/事務)
「FacebookやTwitter、mixiなどSNS上でつながった人に話を聞く。自分の興味のある事でつながっているからほかの人の見方を知ることができる」(流通・小売/サービス・販売系)
「異業種交流会などに参加して、さまざまな業界の人に会って話を聞く。近場の人ばかりだと似たような考えを持ちやすくなるので、ほかの業界の人から情報を聞いたり、自分がどのように見られるのかを確認する。興味がある業界ならさらに詳細を聞き、情報を集めている」(電気・電子・機械系メーカー/電気・電子・機械系エンジニア)

ただ、75.4%と大多数の人は、「特に何も行動していない」という答えだった。将来なりたい姿、すなわちこれからの自分の軸を決めないままに働き続けることに、リスクはないのだろうか?そして、「なりたい姿を見つけたい」と思ったとき、どんな行動を取ればいいのだろうか?専門家にアドバイスをもらった。

【専門家のアドバイス】
28歳は「将来を1本に決めなければならない」ことに怖さを感じている年齢。
今、求められている役割が強みであり、進むべき将来である可能性が高い

株式会社人材研究所 曽和利光氏

株式会社人材研究所
曽和利光氏

■早晩「この道を進む」と決めねばならないときがくる
皆さん本当は、「これが自分の将来の軸では?」とうすうす気づいているけれど、「将来像を一つに決めなければならない怖さ」があるから「将来像が描けていない」と言っているのではないでしょうか?
それは、ごく当たり前の心理です。28歳と言えば、ぎりぎりポテンシャルが評価される年齢。未経験分野へのキャリアチェンジも、まだ十分可能性があります。この「まだ何にでもなれる可能性がある」状態はとても心地いいもの。将来像を決めてしまえば、ほかの可能性はなくなります。「まだある可能性」を捨てるのは、勇気がいるものですからね。
ただ、30歳を過ぎると、自分の意志とは関係なく、社会からの要請で「自分の軸」を決めざるを得なくなります。転職市場では、30歳を過ぎると未経験転職は一気に難しくなり、経験・スキルを活かした「即戦力」が求められます。このように、本人がいくら将来を1本に絞りたくなくても、決めねばならない「臨界期」は必ず訪れるのです。
そうなると、「自分の可能性の選択と集中」は早めに行ったほうがいい。30歳を過ぎてもぐずぐず迷うよりは、20代の今のうちに自分の方向性を決め、そこに集中投資をしたほうが将来のためです。「集中投資」とは、自分が決めた道にプラスになるような仕事の仕方をしたり、勉強をしたり、よりスキルをつけられる環境に転職する…などが挙げられます。早目に集中投資に着手すればスキルアップが早まり、「その道のプロ」になるのも早いでしょう。

■歩んできた道を振り返れば、これから進むべき方向が見えてくる
では、進むべき道をどう絞ればいいのか。おそらく、多くの人にとっては、「今現在、求められている役割、評価されていること」が、進むべき将来である可能性が高いです。
ピンと来ない人は、今まで歩んできた道を振り返ってみてください。たとえキャリアチェンジしていたり、紆余曲折な職業人生を歩んでいても、今に至るまで求められ続けてきた役割や強みなど、何らかの「一本の道」がうっすらできているのではないでしょうか?その道の延長線に、自身の将来像があるはずです。
まだいろいろな可能性を捨て切れず、迷っている人は、「あきらめ切れない可能性」について徹底して調べ挙げてみましょう。徹底して調べれば、自分に向いているかどうかわかりますし、「あきらめる決断」もできるでしょう。
中には、「社会人になってずっと同じ仕事に携わっており、道はできている。ここでの活躍を求められてもいる。でも、この仕事をずっと続けていくのはどうしてもしっくりこない」という人もいるでしょう。そんな人は、業界や職種ではなく、「仕事のプロセスで得られるスキル」をベースに将来を考えてみましょう。例えば、発想力、決断力、判断力など、業界や仕事にとらわれない「共通スキル」です。今までの仕事の中で何が得意だったのか考え、そのスキルが活かせる仕事、すなわち「天職になる可能性がある仕事」を探しましょう。

「やりたいこと」を見つけるために
リクナビNEXTスカウトを活用しよう!

「自分の強みって、一体何なのだろう?」と悩んだら、リクナビNEXTスカウトに登録してみましょう。職務経歴を考えていく中で、自分の過去歩んできた経歴を振り返ることができ、自分自身がこの先進むべき方向性がわかってくるかもしれません。
匿名のレジュメを登録しておけば、あなたの経験やスキルを評価した企業や転職エージェントから声がかかりますが、その際送られてくるオファー文面には、レジュメ内容のどこに注目し、どんな経験・スキルを評価したのかが記されています。それこそが、あなたの「強み」です。この「強み」が、あなたの5年後、10年後の将来像につながっているはず。自身の方向性を見出すためにも、リクナビNEXTスカウトに登録してみましょう!

スカウトに登録する

EDIT&WRITING
伊藤理子
PHOTO
関本陽介

会員登録がまだの方

会員登録(無料)

会員登録がお済みの方

「今すぐ転職」にも「いつかは転職」にも即・お役立ち!リクナビNEXTの会員限定サービスに今すぐ登録しておこう!

1転職に役立つノウハウ、年収・給与相場、有望業界などの市場動向レポートがメールで届きます

2転職活動をスムーズにする会員限定の便利な機能

・新着求人をメールでお届け

・希望の検索条件を保存

・企業とのやりとりを一元管理など

3匿名レジュメを登録しておくとあなたのスキル・経験を評価した企業からスカウトオファーが届きます

会員登録し、限定サービスを利用する

※このページへのリンクは、原則として自由です。(営利・勧誘目的やフレームつきなどの場合はリンクをお断りすることがあります)