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最も多いのは中国とアメリカ。東南アジア系も増加傾向【語学より大事なものは?海外勤務エンジニア100人の声】
グローバル化の進展で海外勤務するエンジニアも珍しくなくなった現代。仕事は同じでも、そこは“異国の地”、仕事の進め方や風土、人間関係等日本との違いに戸惑うことも多い。今回、その実態を探るために海外勤務経験のあるエンジニアに対する調査を実施した。
(総研スタッフ/山田モーキン)作成日:12.12.20
最も多い海外勤務先は中国とアメリカ。東南アジア諸国も近年、増加傾向
今回、25歳〜39歳までの海外勤務経験のあるエンジニア100名に、海外勤務の実態に関するアンケート調査を実施した。
これからその結果に関して紹介していくが、合わせて海外勤務のサポート事業を手掛けている松元氏にも専門家としてのご意見を伺ったので、こちらも紹介していきたい。
株式会社グローバルネットワーク 代表取締役 松元 健一氏
株式会社グローバルネットワーク
代表取締役 松元 健一氏
http://www.global-network.co.jp
【グラフ】国別、海外勤務経験
まず国別の勤務先についての結果がこちら。
最も多かったのは「中国」。約3人に一人が中国での勤務を経験している。次に多かったのは「アメリカ合衆国」で、約5人に1人の割合。一昨年の日本を抜いて世界第二位の経済大国になった中国と、シリコンバレーなど最先端技術が集結するアメリカ。予想通り、この2国が突出して多い結果となった。
一方、近年中国以上に経済発展を遂げようとしているタイやシンガポール等の東南アジア諸国も、海外勤務先として注目されるようになってきた。
松元氏のチェックポイント
アンケート結果と同様、中国とアメリカが突出して多い傾向があります。
業種としてはメーカー系が多く、自動車系企業などに加えて最近ではスマホ向けの部品メーカーによる、海外勤務事例も増加中。
また最近の動きとして顕著なのがソーシャルゲーム開発企業による海外進出の動き。アメリカやシンガポール、インドなどで増加傾向にあります。
日本と海外の最大の違いは「風土文化」「仕事の進め方」「職場環境」
【グラフ】日本と海外、勤務上の大きな違い
続いて海外で勤務する時、実際に感じた日本との大きな違いについて答えてもらった結果が、上記の表。その中で上位3つは「社風・文化・風土」「仕事の進め方」「職場環境」。
最も多かった「社風・文化・風土」は、ほぼ3人に一人が挙げている。
社風・風土・文化
『社風・風土・文化』に関するコメント
松元氏のチェックポイント
回答項目にあるように、こうした風土・文化の違いはどの国にもあります。その一方で、タイなどの東南アジア諸国の方の多くは非常に勤勉で、まじめに仕事をするケースが多い。そういう意味では日本人との相性も良く、近年の東南アジア各国への海外勤務者増加トレンドの一つの要因と言えるかもしれません。
仕事の進め方
『仕事の進め方』に関するコメント
松元氏のチェックポイント
日本とは違って、海外の場合の多くは「個人主義」。つまりグループワークが苦手であるケースが多いので、組織型のワークスタイルに慣れている日本人にとっては思うように仕事が進まず、悩むことが多いようです。
職場環境
『職場環境』に関するコメント
松元氏のチェックポイント
多くの方が指摘するように、一番多い職場環境における違いは、勤務時間に対する認識。どんなに忙しくても残業をしない、というのが海外での一般的な常識となっています。
これから海外でスムーズに仕事ができるようになるためのアドバイス
最後に、これから海外で勤務する場合、事前に準備すべきことについてのアドバイスを聞いて見たところ、以下のような内容が寄せられた。
言葉
『言葉』についてのアドバイス項目
松元氏からのアドバイス
基本的に海外と比べて日本人は、語学力に難のある方が多いのは事実。ただそれ以上にコミュニケーション力がない方が問題になることが多いのです。上のアドバイスにあるように言葉はわからなくても、現地でキャッチアップしていけば問題ありません。大事なのは積極的にこちらから片言でもジェスチャーでもいいから現地の人と“同じ目線”になって話しかけていくこと。海外で活躍されている方はほぼ、こうしたことを地道に取り組んでいます。
仕事の進め方
『仕事の進め方』についてのアドバイス項目
松元氏からのアドバイス
先ほどの触れたように特に海外勤務する場合、マネジャーとしての立場に就くケースも多いので、知らない相手に対してどうマネジメントしていくか、という視点が重要です。そのためにはまず相手のことを少しでも理解しようとする姿勢を常に持ちながら接していく。それが一番のアドバイスです。
風土・文化
『風土・文化』についてのアドバイス項目
松元氏からのアドバイス
基本的な解決策は「その土地に慣れる」しかありません。そのためには勤務時以外の過ごし方が重要。最近では休みの日に閉じこもってしまう海外勤務者が増加傾向にあるのですが、せっかく海外に来ているのだからその土地の人と交流し、食べ物を堪能することで余暇を楽しむ。それがその国の風土や文化に慣れる近道なのです。
以上、さまざまなアドバイスを紹介したが最も大事なことは「相手の気持ちを考えること」。どんな国でも相手が人間であることに変わりはなく、同じ目線に立って理解しようとする気持ちと行動が伴えば、必ず相手は心を開いて理解し合える。そう、今回の海外勤務エンジニアからのメッセージがひしひしと伝わってきた。
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
私自身には幸か不幸か、これまで海外勤務経験はありませんが今回のアンケートや取材からは、かなり苦労されている方が多いようです。今後、グローバル化が進み海外勤務が国内転勤とほぼ同じ意味合いになる日も近そうですが、来るべき日に備えてまずは海外の文化をもっと深く探っていきたいと思います。

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