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リストラ、提携、再編成、技術の空洞化…内側から見た現実

製造業

製造業はどうなる?
   メーカー技術者400人の声・前編

日本の製造業が危機的な状態に陥っている。自動車は回復基調にあるが、家電と半導体は戦後最悪とも呼べる状況だ。製造業の要となる製品を作り続けてきた技術者たちは、この現状をどう見ているのか。400人への緊急アンケートを実施した。

(取材・文 総研スタッフ/高橋正志) 作成日:12.09.19

「日本のモノづくり」の代表は1位が「自動車」、2位は「AV家電」

メーカーのエンジニア400人にアンケート調査を実施


日本の製造業に勤務するエンジニア400人にアンケートを実施した。内訳は「回路設計」「半導体設計」などの電気系職種が200人、「機械設計」「プロセス設計」「生産技術」などの機械系職種が200人だ。業界別では「自動車」「家電」「機械」「その他」で各100人、年齢は20代が200人、30代が200人とした。
まず聞いたのが、「日本のモノづくりを代表する製品」。現場の技術者が感じている「日本代表」を、できるだけ製品名で答えてもらった(最大3つ)。

製品別でのランキングは1位がプリウス、2位がウォークマン


その結果、ダントツの1位が「自動車」。2位「AV家電」の約4倍という364人、何と9割以上の人が「自動車」と答えた。車名で最も多かったのが「プリウス」(トヨタ自動車:86票)、続けて「スカイラインGT-R」(日産自動車:19票)、「レクサス」(トヨタ自動車:12票)の順。技術者が「世界初のハイブリッドカー」を誇りにしている様子がわかる。

2位は「AV家電」。製品名の順位は「ウォークマン」(ソニー:24票)、「アクオス」(シャープ:15票)、「レグザ」(東芝:9票)の順。確かに日本の代表製品だが、どれも今ではアップルやサムスンなどの海外勢に押されているものばかりだ。
以下、3位の「白物家電」では「エアコン」「炊飯器」「洗濯機」が多く、4位の「精密機器」は「カメラ」と「デジタルカメラ」が中心。5位の「輸送機器」は「新幹線」「造船」などで、11位には「ウォシュレット」(TOTO:11票)が入った。

当然かもしれないが、自動車業界の技術者は「自動車」を推しており、111票と業界別のトップ(家電業界からは85票)。家電業界の技術者も同様で、「家電」(AV家電と白物家電)に52票を投じて業界別トップだった(自動車業界からは33票)。
職種別で見ると、「自動車」と答えた人は機械系が197票(電気系は167票)、「AV家電」では電気系が59票(機械系は34票)と多かった。製品の主たる技術分野に携わる技術者の誇りがうかがえる。

自動車、家電、機械―業種で差が出た「勤務先企業の業績」


業界別の「景気」を見てみよう。勤務先企業の業績を選択肢で答えてもらった。「とてもよい」は3%と少なかったが、「多少よい」と合わせた「よい」は28%。「多少悪い」と「かなり悪い」を合わせた「悪い」は37%だった。この数字を「想像したより悪くない」と見るか、「じり貧だ」ととらえるかは分かれるところだが、業種別では大きな差が出た。

平均的なのが機械業界だ。「よい」が28%で「悪い」が36%と、全体とほぼ同じ。一方、自動車業界は「よい」が33%と高く、「悪い」は25%と低い。順調な業績回復が察せられるが、その逆が家電業界だ。「よい」が18%と少なく、「悪い」は半数以上の53%となった。

このように技術者が社内で感じる業績は、各業界の「今」を表しているようだ。ただ、職種での差も出た。機械系は「よい」が31%で「悪い」が33%、電気系では「よい」が24%で「悪い」で42%。機械系は「楽観意識」、電気系は「危機意識」が強そうだ。

仕事に不満がある人は25%、意外に高い「幸せ度」


アンケートでは今の仕事の満足度も尋ねている。特徴的なのは不満が少ないことだ。「多少不満」と「かなり不満」を合わせた「不満」は25%しかなく、逆に「かなり満足」と「多少満足」を合わせた割合は38%と、約4割の人が「満足」と答えている。
回答で最も多いのは「可もなく不可もなく」(37%)だが、「不可」がない仕事ならば社会人として上々だろう。

職種別、業種別では目立った特徴はないのだが、年代別では若い層ほど満足度が高く、20〜24歳では「多少満足」が42%と突出し、30〜34歳では「多少不満」が25%となっている。
また、業績のよい企業に勤める人ほど満足度が高く、「業績がかなりよい」と答えた人の22%が「仕事にかなり満足」している。逆も同様で、「業績がかなり悪い」と答えた人の36%が「仕事にかなり不満」を持っている。

エンジニアの4割以上が、「製造業は日本の主力産業でなくなる」


現場の技術者は製造業の今後をどう考えているのか。「日本の製造業はこの先どうなると思いますか?」という質問に一番多かった答えは、「下降を続けて日本の主力産業でなくなる」。当事者である技術者の4割以上が、「製造業の没落」を予想しているのだ。
特にそう感じているのは30代前半(30〜34歳)の技術者で、半数以上の51%がそう答えている。次が30代後半(35〜39歳)の43%で、20代後半(25〜29歳)が38%、20代前半(20〜24歳)が33%と、若い世代ほど否定的な意見が多い。

この傾向は「徐々に復活していく」への解答にも表れており、全体で17%しかないのだが、世代別では20代前半は33%が「復活」を信じている一方、30代前半は10%しかなく、将来を最も絶望視しているのは30代前半の技術者のようだ。
「日本の主力産業でなくなる」を業種別で見ると、機械業界が46%と最も多く、家電業界の45%、自動車業界の41%と続く。ただ、自動車業界であっても、「このままの状態を維持していく」が40%と業種別で最も多く、決して楽観視していないことがわかる。

日本は技術立国と呼ばれ、内需も外需も製造業が引っ張ってきたと言ってよいだろう。その製造業が主力産業の座を降りるとしても、そこには「生き残る分野」と「消滅していく分野」があるはずだ。
この2つの回答、および製造業復活に向けたアイディアも技術者に聞いた。後編記事ではそれらを紹介したい。

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