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手前味噌で恐縮です!でも、エンジニアの参考になると思います!

SEが立ち上げた
   “ポンパレ”スピード開発秘話

弊社リクルートのチケット共同購入サイト、「ポンパレ」をご存じでしょうか? 米国グルーポンの登場で、日本でも一気に市場が拡大したフラッシュマーケティング。ポンパレもそのひとつですが、実はこのサービスは元SEを中心とする社員3人の、「アンダー・ザ・テーブル」から始まりました。

(取材・文・撮影/総研スタッフ 高橋マサシ) 作成日:10.12.03

今年のGW明けから情報収集、これはいける!


カスタマーアクションプラットフォーム室
カスタマーウェブグループ
ポンパレチーム
大宮英紀(31歳)

リクルートにはエンジニア出身の転職者も多いが、大宮英紀もそのひとり。大学工学部を卒業後に大手SI企業に入社した彼は、主に金融機関の基幹系システムを構築していたSEだった。
弊社に転職したのは2007年。近年では宿・ホテルの予約サイト「じゃらんnet」のシステム開発などに従事していたが、グルーポンを代表とする米国でのフラッシュマーケティングを知り、日本でもできないかと考えた。今年5月のGW明けのことだ。

「私を含めた仲間3人で集まり、まずは情報収集から始めました。そして、実際に使ってみました。購入したのは『ゴルフレッスン』で2人分が6000円、正価の半分以下でした。ここまで安くなると行きたくなりますし、友達に『一緒にどう?』と誘える金額です。これは面白いサービスだと実感しました」

米国で話題となっていたため、ネットで調べるとその仕組み、売り上げ、商材、エリアなどが載っていた。そこで大宮が感じたのは、シンプルな作りのWebサービスであり、技術的にはさほど競合優位性がないこと。そして、リクルートで扱っている商品が多く含まれ、自社の集客力や営業力が生かせることだった。
しかし、まだ会社には内緒。日常業務と並行した「アンダー・ザ・テーブル」で進めていたわけだが、その理由は「上が入ると価値の定義付けに時間がかかる」から。3人が目指したのは何よりスピードだった。

当初9月オープンの予定を、「7月にしよう」


ポンパレ[東京都版]のトップ画面


テレビCMで使われた着ぐるみ

彼らが動き始めたのは6月から。しかし、技術職である大宮にも仲間にも「ビジネス化」は初体験だった。そのためビジネスモデルを考えるところから始め、サービスのブランディング、決済システムの規約、個人情報の取り扱い……などを関連部門の助けを得ながら進め、「事業内容」を完成させていった。
また、ポンパレに掲載するクライアントを集めてくるのは営業職なので、彼らに向けた説明会を何度も開催し、大宮自身も営業に同行した。

上記は3人で行ったが、サイト開発はエンジニアである大宮が担当。実績のある優秀な外部パートナー(ソフト開発会社)を紹介してもらい、ビジネス化と同時進行でサイトを構築していったのだ。
外部の開発チームはプログラマ1人、デザイナー1人、ディレクター1人の3人体制。実作業に入ったのは7月からだったので、猛スピードでの開発となった。なぜなら、サイトオープンが7月21日だったからだ。

「当初は9月の予定でしたが、競合するサービスが出てきていましたし、自分たちを追い込みたかったのです。それに、短納期ってかっこいいじゃないですか(笑)。3人で話して、『8月にしよう』、『でもお盆休みがある』、『7月だ』、『7月なら夏休み前に』となって、『何かの記念日に決めよう』という話になりました。実は7月21日は……私の妻の誕生日なのです」

仕事を各自に任せるとアジャイル開発になっていた


ポンパレチームの仲間と


フロアに飾られていた大きなロゴ

大宮がまず考えたのは、「ポンパレでこんな経験をしてほしい」をサイトに落とし込むこと。ポイントは「短納期」と「ピーク期」に絞った。短納期については、公開日から逆算してスケジュールを決め、ピーク期対応の開発には静的画面、動的画面、トランザクションなどの根幹と、決済システムなどボトルネックになる部分を先に抽出しておいたという。

「エンジニアとして、パワーを掛けるべき部分とそうではない部分がわかっていましたから、後者の無駄をできるだけ省き、サイトの『顔』となるトップページや画面遷移作りなどに集中しました。また、パートナー会社さんとは発注・受注の関係になりたくありませんでした。同じメンバーとして同じゴールを目標に、各自がそれぞれ走るスタイルにしたかったのです。ミーティングは週に2回で、現状の報告と次の目標を決めていました」

前社を含めたシステム開発の経験から、ビジネス検討、要件定義、開発、テストというウォーターフォール型の開発では、下流工程に行くほど変更の自由度がなくなり、皆の「妥協」が生まれることを大宮は知っていた。そこで設計書はなしで細かなルールも作らず、仕事は各自に任せることにした。このやり方だと個人のスキルが問われ、自分がボトルネックになったら困るという切迫感が生まれたという。

「途中で人を増やすことを上司に提案されたのですが、断りました。現在の『できる人』だけで進められると思いましたし、少ない人数のほうがスピードが上がるからです。何より外部パートナーの皆さんを信頼していました。初めて仕事をする方々でしたが、最初に話をして『任せられる』と感じたのです。エンジニア同士ってそんなものですよね?」
限られたリソースで業務を高速回転させることを続けていたら、いつの間にかアジャイル開発になっていたという。7月19日の「海の日」にテストをして修正を行い、翌々日の21日、予定どおりに「ポンパレ」はオープンした。

「ポンパレ」をフラッシュマーケティングの代名詞に


決定までに時間がかかったというロゴ

着想から約2カ月でポンパレはスタートしたが、最近のWebサービスを考えれば、この速度は決して早くはないかもしれない。企画からサービスインまでのスパンは驚くほど短期化されており、これを支えているひとつが企画者と技術者とのクロスオーバー化と言える。
企画者が技術を理解すれば、あるいは技術者が企画を立てられれば、実情に即した開発になって加速度が増すからだ。大宮は「見立てる力」と「仕立てる力」を語る。

「ニーズの発見、マーケティング、企画立案などは『見立てる力』、これらの意図をくみ取って、オペレーションを含めて実現するのが『仕立てる力』だと思います。エンジニアは『仕立てる力』を持っているのが強み。ここに軸足を置いて、いくらでも『見立て』を広げていけると思うのです。とは言っても、私も始めたばかりなんですけど(笑)」

最初は3人で始めた「ポンパレ」だが、かかわるメンバーは50人を超えた。大宮も今では7人の開発チームを率いるリーダーとなっている。また、当初はPC対応だけだった「ポンパレ」は、モバイル、iPhone、Androidへと対応が広がり、エリアも徐々に拡大させている。みなさまのおかげで、うれしいことに会員数や商品数も右肩上がりで上昇している。
「私の目標はポンパレを日本一にすること。そして、フラッシュマーケティングの代名詞にしたいと思っています。今まで『フラッシュマーケティングの……』と言っていた人が、『ポンパレの……』と言ってくれたら、そうなったら最高にうれしいですね」

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