しょこたん1位！萌えよエンジニアアイドルランキング

待ちに待った大型企画が実現した。言うまでもなく、エンジニアのみが主体的に選んだアイドルランキングだ。当初の回答者は500人だったが、回答の不備を除いた400人を厳選。技術と親和/神話性の高いこのアイドルという共通言語。エンジニアの熱い想いを彼女たちに届けたい！

（取材・文／総研スタッフ　高橋マサシ　撮影／三浦健司　イラスト／立澤準一）作成日:08.11.20

　ソフト系とハード系の男性エンジニア、22～45歳の400人にアンケート調査を行った。命題は「今、あなたが熱中している女性アイドル」だ。しかし、何をもってアイドルとするか、と悩む読者もいるだろう。今回の定義は以下とした。
「歌手、女優、グラビアアイドル、モデル、タレント、芸人などジャンルを問わないが、『芸能関係の女性』に限る。年齢・国籍は問わない。対象となる人間の演技力、歌唱力、人生観などがファンの理由でも構わないが、それがすべてではなく、異性として興味のあることが条件」

――	アイドル1位おめでとうございます。

　ありがとうございます。

――	私たちの読者のエンジニアにどんなイメージがあります？

　エンジニアさんたちのお仕事はとても幅が広いので、まとめて言うのは難しいです。ただ、体を張って、頭も使って、あるときは心が疲れてしまうような、大変なお仕事をしていると思います。皆さんがいないと成り立たない、世の中の「骨」を作っている男らしい仕事です。

――	エンジニアを代表して、ありがとうございます！　アンケートでは「技術でアイドルを幸せにする方法」も聞いています。読んでいただけますか？

　……「公式サイトを作る」だって、うん、作ってほしいなあ。「しょこたんを主人公にしたゲーム製作」、いいですね、こちらもぜひお願いします。いろいろ面白いですね。

――	中川さんもアイドルがお好きとか？

　アイドルは私に夢を与えてくれる存在です。特に1980年代の女性アイドルの歌が大好きで、そうした歌やアニメソングばかりを聴いて、生きてきたんだと思います。男性アイドルに憧れたことはありません。自分で歌を歌うなど考えてもいませんでしたから、今回ランキング1位に選ばれたことはとてもうれしいです。

――	中でもいちばん好きなアイドルは誰ですか？

　松田聖子さんがすべてにおいて大好きで、特に『野ばらのエチュード』や『天国のキッス』を歌ってらっしゃった1983年の聖子さんです。それまでのストレートな発声から『風立ちぬ』でハスキーボイスになって、キャンディボイス、究極のキャンディボイスになったのが1983年だと思います。
　そう、ずっとずっと欲しかったLPの『Candy』を最近ゲットできたんです！　再生するレコードプレイヤーをもっていなかったんですけど、手に入れて聴いています。

――	聖子さんのいちばん好きな歌というと……。

『Candy』の中の『黄色いカーディガン』です。細野晴臣さんが初めて聖子さんに提供した曲で、CD盤とはテイクが別です。CDのほうが落ち着いた歌い方で、LPはテンポもキーも高くて、もっとブリブリっと甘えた感じです。その違いがとてもいいんです。
　もうひとつの入手困難な曲が『WITH YOU』で、めちゃめちゃ幻想的で、聖子さんと（作詞の）松本隆さんが生んだ奇跡です。聴けてよかったと思う曲です。私はどちらかというとB面とかアルバムに収録されているような、控え目な女の子の気持ちを歌う曲が好きですね。

――	中川さんが歌手として心掛けていることを聞かせてください。

　聖子さんの曲を歌うときはノリノリなんですけど、自分で何かを作っていくことが怖くて怖くて仕方ないんです。前は人前で歌うなんてなかったですし、学校でも手を挙げられず、すぐに胃腸炎になるという人生でしたから、今の私にいちばん驚いているのは私なんです。
　ただ、初めてのコンサートでたくさんのファンの方が声援を送ってくれて、助けてくれて、皆と一緒に作っていく瞬間がとても楽しいことを知りました。だから自分だけじゃなく、皆のために歌いたいと思っています。

中川翔子:歌手、漫画家、グラビアアイドルなどマルチに活躍する一方で、圧倒的なアクセス数を誇る「しょこたんぶろぐ」のブロガーとしても有名。最新の写真集『しょこア・ラ・モード』（主婦と生活社）が11月に発売されたばかり。

――	話は変わりますけど、中川さんはマンガ好きで、楳図かずおさんがいちばんお好きとか。

　それは変わらないですね。『14歳』の謎をいつか理解して解き明かすことが夢です。どの作品を見ても気持ち悪いとか怖いとかではなく、人のもつ内面の醜さとか心の闇を描いてるし、美しさとのギャップを誰よりも多く誰よりも濃く描いている方だと思います。「綺麗」なんです。
　『14歳』の絵の模写をよくするんですけど、1本1本の線の細かさとか、影の部分に見える狂気とか、なぜこんな絵を描きたくなったのかとか、ご本人の天真爛漫な笑顔を思い浮かべると、恐ろしくなってしまいますよね。また、楳図さんの漫画は読んだ後に「なぜ」が残るんです。

――	これからどんなことをしたいですか？

　歌もそうですけど、絵はずっと描き続けたいですし、歌も作りたいですし、好きなサブカル系のことにもかかわっていきたい。あと、どうしても特撮のヒロインになるのが夢で、何らかの形で変身がしたいです。
　正直に言うと今までは、「いいや、自分はもうできないから」ってゆるい部分もあったんですけど、気を引きしめていかなきゃ、そうしないと間に合わないなって気持ちです。自分が変わっている最中なんだと思います。

――	最後にエンジニアにメッセージをお願いします。

　エンジニアさんたちのおかげで暮らしやすい世の中ができているんだと思います。私は好きなアイドルがいっぱいいる80年代に行きたいと思うんですけど、でも、現代に生まれてやっぱりよかったなと思うのは、毎日の進化が感じられるからなんです。本当にありがとうございました。

・	研究対象であるネットワーク技術を利用して、彼女のブログ環境を最適なものにする。（研究・特許：28歳）

・	彼女のコレクションを整理するソフトウェアを作ってあげます。（Web系SE：27歳）

・	彼女の公式サイトを構築したい。（Web系SE：31歳）

・	動画の日記にします。（ネットワーク設計・構築系：34歳）

・	しょこたんを主人公にしたゲーム製作。（ミドルウェア開発：30歳）

・	マニアな装置を作ってあげる。（回路設計：36歳）

・	設計技術でコスプレの小道具作成を支援する。（生産技術：27歳）

・	おたくの力で幸せに！！（←技術じゃないぞ　研究・特許：29歳）

・

新しい技術工具を開発して製品名を「はるか」と名付け、売上金を上納する。（インフラ設計・構築：33歳）

・

出演CMをプロデュースしたいです。（ネットワーク設計・構築：29歳）

・

フローチャートを描いて幸せの手順を描く。（運用・監視：43歳）

・

携帯で撮影した画像と音声でブログを自動作成するツールを開発する。（Web系SE：29歳）

・

世界中の子供たちと通信できるWebシステムを開発する。（Web系SE：33歳）

・

サーバーの管理でよければやります。（ネットワーク設計・構築：29歳）

・

基本設計書で笑顔を出すような設計をする。（汎用機系SE：24歳）

・

ホームページやブログを24時間監視して、炎上やサイバー攻撃されないように見守る。（運用・監視：26歳）

・

グラビアで使うセクシーなイスを開発する。（機械・機構設計：26歳）

5位

相武紗季

・

「見かけだけ中身なし男性芸能人判別機」を作って悪い輩から守ってやる。（機械・機構設計：36歳）

6位

上戸　彩

・

演技の練習の相手役ができるロボットを開発する。（機械・機構設計：32歳）

6位

堀北真希

・

SEOやSEMの技術を使って関連するHPの検索結果が上位にくるようにする。（Web系SE：31歳）

6位

安田美沙子

・

日々の生活（スケジュール管理、エアコンの電源を自動で入れるなど）をシステム化して楽にしてあげる。（汎用機系SE：27歳）

9位

小倉優子

・

製品検証エンジニアとして、小倉優子の目指すキャラが世間のニーズにとって妥当かどうかの検証を行い、キャラづくりを一緒にしていく。（品質管理：29歳）

9位

長澤まさみ

・

金融工学で株の利益を上げてプレゼントをあげる。（オープン系SE：35歳）

9位

ほしのあき

・

MySpace、Twitter、YouTubeなど多くのツールを使って彼女を宣伝する。（Web系SE：27歳）

9位

安めぐみ

・

生活設計をしっかりやってあげます。（研究・特許：43歳）

　エンジニアはアイドルのどこに魅力を感じるのか。7つの選択肢（＋その他）から最大3つの回答で尋ねたところ、「笑顔」と「かわいらしさ」がダントツの1位、2位を占めました。「好きなアイドル」にはグラビア系も多いのですが、3位の「スタイル」はこれらの半数以下となっています。
　笑顔が顔の表情なら、かわいらしさとは仕草や言動から感じられるものでしょうから、体の表情とも呼べます。しかし単なる「ナイス・バディ」などと違うことは、「大人の魅力」を挙げる人が少ないことからも察せられます。誤解を恐れずに言えば、エンジニアの求めるアイドルとは、少年として付き合いたい少女のような存在なのではないでしょうか。

　別の質問として「中学・高校生のときに最も胸を熱くしたアイドル」を尋ねた。いわば「思い出」のアイドルだ。回答者の年齢が22～45歳と幅広く、アイドルの活躍したレンジにも差が出たため、20代、30代、40代の年代別ランキングも発表する。心の奥の懐かしい記憶を思い起こしてほしい。

「えっ、ヒロスエが思い出？」と驚いた方も多いのではないか。今でもキュートな笑顔で映画にテレビに第一線で活躍している彼女だからだが、実はデビューが早いのだ。1980年生まれの彼女のデビューのきっかけとなったのが、94年の「クレアラシル・ぴかぴかフェイスコンテスト」でのグランプリ獲得。まだ中学生だ。その後は数々のCMに出演するが、ブレイクするのがNTTドコモのポケベルのCM「広末涼子、ポケベルはじめる」（1996年）だ。
　つまり、同年代のエンジニアの中学・高校時代なら、彼女は既にスターだったのだ。実際に、広末涼子さんを選んだ23人のうち22人が20代である。
　広末さんはその後『MajiでKoiする5秒前』で歌手デビューし、歌に映画にドラマにと大活躍。男児の出産を経て復帰し、出演した今年公開の映画『おくりびと』は、第32回モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞した。

・	当時あまりなかった小遣いを皆で出し合ってCDを共同購入した。（研究・特許：28歳）

・	初めて「初回限定」のCDを買い、人生初かつ最後の写真集を購入した。（Web系SE：24歳）

・	友達と一緒に初めてコンサートに行った。（制御系SE：25歳）

・	映画館でグッズをすべて購入した。（運用・監視：27歳）

・	出身校が近くだったので友人と遠巻きに見に行った。（研究・特許：34歳）

・	CDはすべて購入。テレビも頻繁にチェックしていた。（社内SE：28歳）

・

部活が終わったら即行で帰り、夕ニャンを見ていたと思う。（社内SE：40歳）

・

出演するいろんな番組をビデオに撮っていた。（オープン系SE：33歳）

・

発売日には必ずレコードを買っていた。（機械・機構設計：43歳）

・

コンサートに行った。嫁に言ったらドン引きされた……。（コンサルタント：29歳）

6位

南野陽子

・

仲間とコンサートに行って、絶対オレに視線を送ったとひとり勘違い合戦をする。（制御系SE：37歳）

7位

SPEED

・

毎日、通学のときにSPEEDの曲をウォークマンで聴いていた。（品質管理：29歳）

8位

中山美穂

・

ファンクラブに入り、ポスターを部屋中に張り、文具などにシールを張っていた。（製品評価：34歳）

9位

鈴木亜美

・

お金をためて水着の写真集を買った。（社内SE：25歳）

9位

松田聖子

・

小遣いはすべてレコード。今でも永遠です。（品質保証：43歳）

　彼女の知名度を一躍上げたのが、かわいらしいショートカットで走るドコモのCM。動画サイトで見られると思うが、彼女のお母さん役で出演するのが何と鈴木京香さんだ。鈴木さんへの得票数は1ptだったが、その美貌が変わらないことにも驚かされる。
　その後、広末さんを主人公にしたポケベルのCMはいくつものバージョンが制作された。携帯電話が一般化する前のポケベルの普及に、彼女の笑顔が果たした役割はかなり大きいはずだ。

2位：モーニング娘。	15pt

3位：SPEED	12pt

4位：鈴木亜美	10pt

5位：内田有紀	7pt

5位：奥菜　恵	7pt

「ナンノ」の愛称で知られ、80年代後半からまさにアイドル旋風を巻き起こした南野陽子さん。ブレイクは1986年に始まったテレビドラマ『スケバン刑事Ⅱ　少女鉄仮面伝説』の主役。セーラー服でのヨーヨーアクションと土佐弁が日本を席巻した。
　女優だけでなく歌手としても活躍。歌手活動を中断した時期もあったが近年再開させた。本格派女優である一方、最近はバラエティ番組にも出演するなど活動の幅を広げている。

2位：おニャン子クラブ	12pt

3位：小泉今日子	9pt

4位：中山美穂	7pt

5位：中森明菜	6pt

　歌唱力と存在感を兼ね備えた、日本を代表する数少ない歌姫のひとり。そんな中森明菜さんは、2位の松田聖子さんと並ぶ1980年代のトップアイドルだ。セカンドシングル「少女A」から数多くのヒット曲を連発し、現在でもCDなどを精力的にリリース、コンサート活動にも力を入れている。
　40代の回答者が45歳まで、かつ総数が少ない年代でもあり得票数は9ptだったが、30代の投票者も多く、合計ランキングで2位につけた。間違いなく大スターである。