|
|
|
会社設立10日目にしての初栄冠以来、ヤマハ発動機は積極的に国内外のレースに参加。ライバルメーカーと世界トップを懸けてしのぎを削り、今季も8月現在、ロードレース世界選手権、モトクロス世界選手権でコンストラクターとして首位の座にある。 そんな半世紀の歴史を振り返る名車たちもまた、館内にずらりと顔をそろえている〔写真7〕。 「1968年に登場したロードレーサー、RD05A〔写真8〕は、選手権のレギュレーションが変わり250ccクラスでは2気筒以下と制限される前の最後のマシン。2ストローク、V型4気筒エンジンを搭載しています〔写真9〕」 この年のロードレース世界選手権250ccクラスでは、特にストレートで強みを発揮、ライダー、メーカー双方にタイトルをもたらした殊勲車である。 1980年代後半に活躍した鈴鹿8耐用マシン、YZF750〔写真10〕は、水冷4ストロークDOHC、5バルブ4気筒エンジンを搭載、当時新記録の205周を記録したことでも知られる。 「わが社はコンストラクターとしては1984年から耐久選手権に本格参戦していますが、最初はマシントラブルなどで勝てなかった。しかし1987年、鈴鹿8耐で初めて優勝を飾ったのがこのマシン。その後88年、90年と、YZF750は3回の優勝をもたらしました。当時はちょうど8耐の人気が盛り上がってきたころ。お客さんも15万人なんて入って、あの熱気はすごかった。 レーシングマシンには、とにかく“勝つ”ための技術と工夫をとことん注ぎ込む。若い人も、チームも、そして会社全体も盛り上がる一体感がたまらない。一方、市販車では要求される機能要件は異なり、しかも量産という最大の難関がある。設計の重点はだいぶ違います。しかし、レースに勝つために編み出された技術がそのまま、あるいは少し形を変えて入っていくこともある。そして、形にならないスピリットのようなものも……。私自身そうでしたが、技術者もそのキャリアの中でレース部門と市販車部門とを行き来することがあります」 |
|
|
|
ヤマハ発動機株式会社 |
|
||||
このレポートの連載バックナンバー
No tech No life 企業博物館に行ってみた
企業のロビーや展示ホールに飾られた、歴史的な逸品の数々!会社の歴史であり、その分野の「発達史」ともいうべき展示品を通じて、技術史と技術者の姿を追います。
このレポートを読んだあなたにオススメします
週刊 やっぱりR&D 求人トレンド解析室
モーターサイクル/アジア市場で需要が激増中!
世界市場で需要が激増している二輪車業界で、人材ニーズが急増中だ。新車開発に加え、今後の生命線といわれている安全・環境技…
懐かしの“アレ”がエンジニアの原点だ!
先進技術を追い続ける『Hondaバイク』の魅力
技術の粋を集め、風を感じる疾走感を楽しむバイク。不屈のチャレンジ精神のもと、長い技術開発の歴史を持つHondaバイクは、「わくわ…
ジュネーブモーターショーで魅せた自慢のコーナリング!
トヨタの超小型EVが発進!“i−ROAD”開発秘話
今年3月にスイスで開催されたジュネーブモーターショー。そこでひと際来場者の目を集めたのが、トヨタ自動車が出展した超小型…
No tech No life 企業博物館に行ってみた
「正確さ」を超えて「喜び」をつくる、時計の技術
腕の上の小さな空間に置かれた、精密機械技術の結晶。しかも誕生以来、機能の進化とともに装身具としてのファッション性も磨いてきたのが…
応募者は「イケた!」と思ったのに……なぜ不採用?
スキルが高い人材でも「NG」を出した人事の証言
求人の募集要項にあるスキルは満たしていたのに、なぜか結果は不採用。そんな経験をした人も多いのでは? では、採用に至らな…
あなたのメッセージがTech総研に載るかも