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モノと情報の集積、刺激し合う店と客……すべてはここにある エンジニア魂をゆさぶるアキバ電気街は永久に不滅だ!
最近一般の人々には「萌え」の象徴としての印象が強い街、秋葉原。駅ビル「アキハバラデパート」の閉店が象徴するように街が大きく様変わりする中、技術立国日本を長きにわたり支え続けてきた「電気街」としてのアキバの姿を探った。
(取材・文/ぱうだー 総研スタッフ/ピンク少佐&山田モーキン)作成日:07.03.29
はじめに:あなたは語れるか?「アキバ電気街」の歴史
まず戦後、焼け野原になった秋葉原に電気部品を扱う露店が続々と集結し始める。この地が選ばれたのは、戦前より総合問屋として地方とのネットワークを形成していた「廣瀬商会」の存在が大きい。現在の秋葉原駅近くに位置する、当時都電の起点であった万世橋は「安い秋葉原」を目指す地方からの小売・卸売業者でにぎわった。
ほどなく近くに位置する電機工業専門学校(現在の東京電機大学)の学生アルバイトによるラジオの組み立て販売が活況を呈し、この地への電器商の参入をさらに加速。ここに「アキバ電気街」としての基礎が築かれた。その後「三種の神器」による家電ブーム、インターネットの普及によるPCブームを経て街は現在に至る。
今回は現在のアキバ電気街の大きな要素である「PCパーツショップの街」「電子工作の街」というふたつの顔をクローズアップする。
PC編 PCパーツショップの街、アキバの客と店の深いつながりを追求
Tech総研読者にはアキバPCパーツショップを訪れた経験をお持ちの方がたくさんいることと思う。密集するショップが生み出す活気に惹かれ、初めてアキバを訪れたとき、いったいどんな気持ちだっただろうか。アキバに数多く存在するショップ同様、一人ひとり異なるアキバ歴。今回はアキバPCパーツショップを利用するひとりのエンジニアを通して、アキバとエンジニアの深いつながりをうかがった。一方で多くの利用者に支持される老舗PCパーツショップのひとつ『TWO TOP』の店長を直撃取材。お店側からみたアキバ電気街の魅力を語っていただいた。
アキバPCパーツショップ利用歴7年。エンジニアAさんが愛するアキバ電気街とは?
「今でも現役のパーツが」
アキバデビュー(笑)は今から約7年前、大学生のころ。大学でPCを使っていたので自宅にも購入しようと思って。学生ということもありPCにかけられる予算はモニター込みで30万円。少しでもいいものを買うためにパーツショップや相場情報などを見て回り始めました。
当時PCの仕組みは知っていましたがゼロから組めるほどではなく、自分がやりたいことにはどれくらいのスペックが必要か把握できる程度。アキバのほとんどのお店を回って調べた結果、自分の希望スペックは高くつくとわかったので、結局ショップブランド(DOS/Vパラダイス)にたどり着き、そこで組んでもらいました。
そのころアキバをひとりで歩くような女子は珍獣扱いで(笑)。お店にひとりで行ったらなめられると思って恥ずかしながら母に同行してもらいました。母は私以上にPCの知識がないにもかかわらず値切り交渉がうまくて、スピーカーやキーボードが安くなりました。

初購入時のこだわりポイントのひとつはミドルタワーのケース。大学で標準装備だったMOドライブ(SCSI)を内蔵したくて。いずれ自分でいろいろいじりたいという思いもあり、実際その後CD-R、CD-RW、DVDとドライブを増やしていきました。
このときのPCは改造を加えながら電源BOXがだめになるまで3年は使いましたね。それからまた何台か購入していますが、最初に買ったパーツの一部(SCSI+MO)は今でも現役だったりします。
「アキバの魅力は混沌」
アキバ通いで仕入れた知識はいま、いろいろなところに活きています。PCのスペック別に必要な予算や適したお店がだいたいわかるので、職場や知人に相談を受けたときには安全性・安定性を考慮したお勧めができます。

今、システム開発会社で社内PCの不具合を解決するヘルプ業務を仕事にしているのですが、社員が壊した(笑)複数台のPCから使える部分を取り出して1台に組み上げるときなどは今までの改造の経験がとても役立ってます。
仕事で接するPCはそれまで個人で使っていたものと違っていて興味深いですね。自宅では基本スタンドアローンですが、会社のPCはネットワーク環境が前提。個人では触れることがない大きなサーバーを開けてみて「なんだ、普通のPCと同じじゃん」とか「CPUがふたつ付いてるものがあるんだ」と驚いたり(笑)。アキバで得たPCの知識を通して、仕事と趣味が相互に影響し合っています。

最近仕事が忙しくなって、残念ながらアキバ探索は月1回程度に減ってしまいました。私にとってアキバの魅力は「混沌」。いい・悪い・面白い・変(笑)何でもある。アキバに来ると選択の幅がものすごく広がります。例えばケースひとつとってもいろんなお店でたくさんの種類を見ることができる。またある店で買ったパーツが別なところではもっと安かった!というギャンブル的要素もアキバ探索の魅力のひとつ(笑)。お店があれだけ密集しているとお客への熱いサービスを感じます。今後もアキバ通いはやめられません。
エンジニアAさん
エンジニアAさんプロフィール
システム開発会社で社内PCに関するヘルプ業務を担当。購入したPCをアキバから会社まで台車で運んだ経験をもつ。
上:AさんのPC。ミドルタワーケースがまぶしい。
下:初めて購入した液晶モニタは現在も活躍中。
老舗PCパーツショップ『TWO TOP』の店長が語るアキバ電気街の魅力とは?
「世界にただひとつのお客様オリジナルPC。そのお手伝いができる喜び」
おかげさまで『TWO TOP』が秋葉原に出店して約10年になりました。ご存じの方も多いと思いますが、今までアキバの中で何度か店舗を移動しています。当時オープンしたお店でまだ残っているところとして、当店が「老舗」のひとつとなっているのは感慨深いですね。

こちらでは初めてPCを買うという初心者の方から、店員が対抗意識を燃やしてしまうくらい(笑)マニアックな方まで、幅広い層のお客様にご満足いただけるよう努力しています。
いつも心がけているのは「活気ある店づくり」。ここの店員には私も含め自作PCが趣味という人間が多く、給料日に全額投入して店のPCを購入といったつわものもいます(笑)。店員によって得意分野がそれぞれ異なっているのでお店としては常に幅広く情報を集めています。どんなことでもお気軽にお声掛けいただければと思います。

お客様の中には店員よりも豊富な知識を持った方がいて、思わぬ質問をされることがあります。しかし決して「わかりません」とは言わず、裏で必死で調べてお答えすることがあります(笑)。そういったお客様とのやり取りで店員が成長させていただくケースも多いです。
お客様が選ぶパーツの組み合わせは無限。自分だけのオリジナルPCというのは愛着がわきます。世界にひとつだけのPCを通じてお客様との関係が深まると同時に、お客様が満足するオリジナルPCをつくり上げるお手伝いができるのは非常にうれしいことです。
平野さん
店長&店舗プロフィール
TWO TOP秋葉原本店 店長 平野さん。
大阪日本橋店よりこちらに異動して約3カ月。ご自身も自作PCが趣味。
〒101-0021 東京都千代田区外神田3-14-10 
TEL:03-5209-7330 営業時間:11:00〜20:00 
URL:http://shopinfo.twotop.co.jp/akiba_honten/
「アキバにはいろいろなものが刺激し合い、新しいものへ派生していくパワーがある」
最近のアキバは「萌えの街」と紹介されることが多く、昔ながらの電気街を構成するPCパーツショップのひとつとしては少し寂しさを感じます。私がこちらにくる前に所属していた店舗がある大阪・日本橋(にっぽんばし。関西地方を代表する電気街)も同じような状況でした。最近いくつかの有名ショップがアキバから撤退というニュースを目にしますが、『TWO TOP』はこれからも今までと変わらず活気ある店でいたいと思っています。
今年春に力を入れる製品としては「Vista完全対応」「地上デジタルチューナー内蔵」をキーワードとしています。今後も最先端の品ぞろえとさらなるスタッフレベル向上でお客様のさまざまなご要望におこたえしていきます。

私にとってアキバは「何でもある夢のような街」。いろいろなものが集まって刺激し合うからこそ、さらにそこから新しいものが派生していくパワーを感じます。これからも『TWO TOP』がアキバ電気街に出店し続けることに変わりはありません。
所狭しとPCパーツ類が並べられている、TWO TOP店内の様子。ここから世界にひとつのオリジナルPCが生まれる。
電気編 電子工作の街、アキバの客と店の深いつながりを追求
電子工作と聞いて思い出すのは何だろう? 抵抗やトランジスタといった細かな部品たちが回路図の上で踊るダンス。PCパーツショップで街がにぎわう前、アキバ電気街は「電子部品街」というまた別な顔をもっていた。ここでは趣味として電子工作を極めるエンジニアにインタビュー。PCパーツ同様、ディープなアキバ電子部品の世界を語っていただいた。そして電子工作ファンが必ず立ち寄る電子部品店のひとつ、『秋月』。お店の歴史とともにアキバ電気街を見つめてきた店長にもお話をうかがった。
アキバ電子部品店利用歴4年。エンジニアBさんが愛するアキバ電気街とは?
「単価が安いので、行くたびについ何か買ってしまう」
電子工作を始めたのは4年前。アキバ近郊へ引っ越して仕事が少し落ち着いたので何か趣味をと思い、散歩がてらアキバを歩いていて、なんとなく電子工作の世界へ(笑)。昔、海外放送が好きでよく聴いていたのを思い出し、それなら海外放送用アンテナを作ろうと。ネットで調べたら海外放送用アンテナを自作している人たちがいると知り、自分も半年かけて短波放送受信用アンテナを作りました。文系だったのでそれまでトランジスタなんて触ったこともなく、回路図を見たのはそのときが初めて。自作している人たちにメールでコンタクトをとり、いろいろ教えてもらいながらの完成でした。そのやりとりの中で、アキバで有名な電子部品店をいくつか知りました。

実はこの前にもPCパーツショップ巡りでアキバにはちょくちょく来ていたのですが、自分はそれほどマニアではなかったようで。そのときは必要なものを買いに行く程度で、今の電子工作ほど夢中にはなりませんでした。
PCパーツでも一緒だと思いますが、電子部品も好きな人はだいたい同じ店を回ります。その店にしかない部品、思わぬ掘り出し物、専用工具などといったマニアックなひとつのカテゴリに特化した店……毎週行っても飽きません。怖いのはひとつの部品の単価が安いので行くたびについ何か買ってしまうところ。小さい部品を扱う専用工具も含めると実はすごい量になっていて、いつも妻にしかられています(笑)。
「アキバはいつまでも電子工作おじさんたちの遊び場であってほしい」
電子工作には自作PCとはまた違ったアナログな魅力を感じます。電気が流れると隣の部品に影響がでるので、それを避けるために工夫された形状を実際に手に取って見ることができるところとか……。ファンの層も実は非常に厚い。最初にアンテナを作ったときもそうですが、私よりも上の世代にすごい人たちがたくさんいていろいろ教えてくれる。その中には70歳のおじいさんもいます。大先輩の中には測定器すら自作してしまう方がいて。「じゃあその“自作”測定器を測定するにはどうするんだ?」という無限の問いが残りますが(笑)、そうやって深みにはまる人たちがたくさんいるんです。そのほかにもアマチュア無線で電子工作をしてしまう先輩たちにとっては「うちにあるトランシーバーは全部自作だ」ということが自慢だったりします。
そうして部品を眺めていると、もしかしたらPCのマザーボードも自分で作れるような気がしてきます。まあさすがにそれは不可能でも、コンデンサなどの一部の部品を取り替えて修理というようなことはできるかもしれません。

最近のアキバはオタクの街というイメージが強いですが、私はいつまでも「おじさんたちの遊び場」であってほしい。電子部品の店には店員とただ話しに来るだけのお客さんもいて、なんとなくコミュニティが形成されています。
アキバの電子部品店を回っているときの宝探しのような感覚、掘り出し物を見つけたときの感動はいつも新鮮です。ただし、あまり夢中になりすぎると、家族の冷たい視線を浴びたりと日常に支障がでるので要注意です。そういった意味では私にとっては麻薬のような存在ですね(笑)。
Bさん
Bさんプロフィール
Bさん。エンジニア歴20年。現在は社内情報管理の責任者。自宅には電子部品・パーツ併せて大きな透明ケースが10個。
上:Bさん自作のBCLアンテナ。通称OYA317。
下:アキバに通い続けて膨大な量となった部品の工具。ケースにきちんと収納されている。
老舗電子部品店『秋月』の店長が語るアキバ電気街の魅力とは?
「35年にわたる、アキバを訪れるお客様との長い付き合い」
『秋月』は秋葉原に店を構えて約35年、私が店長を務めてからは33年になります。父の兄が戦前にマイカーコンデンサの発明に携わっていた関係で、父が50年前に電子部品を扱う商売を始め、現在私に引き継がれています。
こちらでは全部で約4000種の電子部品をそろえています。PICと呼ばれるマイコンを使ったキットも多数ご用意しており、うちの人気商品のひとつです。

お客様とは長いお付き合いをいただくことが多いですね。工学系の学生だったころこちらに通い始め、教授になった今でも同じように買いにきてくださる方。今は立派な社会人としてお越しくださるお客様を小学校時代から知っているなど。しばらくお顔を見ないお客様の場合、「何かあったんだろうか」と心配になることもあります。またうちの店員は工学系大学の学生アルバイトがほとんどなのですが、彼らが社会人になるとまたお客として来店しています。
「アキバは戦後のエンジニアを育んだ。これからもそうであってほしい」
実は今年、この35年続いた店舗を改装し、4月1日に新しい秋月としてオープン予定です。開店当初から続くこの雑然とした雰囲気を愛してくださるお客様には大変心苦しいのですが、なにぶん空調の問題などもありまして……。新しいお店にもぜひ足をお運びください。お待ちしております。

また秋月ではアキバ以外での出店計画やネット通販の拡大など、電子工作を愛するお客様のためにいろいろ計画しております。うちのモットーは「よいものをとにかく安く」。アキバの街が変化しても、それはずっと変わりません。
アキバ電気街は戦後のエンジニアを育んだ街だと思います。世界でも屈指の技術を誇る日本企業を引っ張ってきたエンジニア、先端技術を開拓する研究者、またそれに続く学生……。彼らの多くは今もアキバを訪れています。
技術に興味がある人に怖い人はいません(笑)。これからもますますたくさんの新しい人たちにアキバにきてほしいと思っています。
辻本さん
店長&店舗プロフィール
秋月店長、辻本さん。
30年以上にわたり店頭に立つ。お店にある数千種を誇る品ぞろえの電子部品をすべて把握。お客様の要望に合わせ、瞬時に出してくる。
〒101-0021 東京都千代田区外神田1-8-3 野水ビル1F 
TEL:03-3251-1779 営業時間:11:30〜18:30
定休日:毎週月曜・木曜
URL:https://akizukidenshi.com/
平日でも大勢の客でにぎわう店内。細長いカウンターを介して、お客のマニアックな注文に瞬時に店員が応対。
おわりに:エンジニアを惹きつけてやまない、アキバ電気街
街は変化してもアキバ電気街の本流は力強く生き続けている。再開発のもと、多くのビルが建て替えられテナントに「萌え系」の店が増え続けている。しかし、エンジニアに代表される電気街をこよなく愛する人々と、彼らのマニアックな要望に熱い思いでこたえ続けようとする店がある限り、過去50年以上にわたる歴史を築いてきた「アキバ電気街」はこれからも続いていくだろう。エレクトロニクス製品を扱う店の集積度において「アキバ電気街」は世界でも類をみない存在である。この集積度が生み出す混沌の力が、今後もエンジニアの活力となっていくことを、Tech総研は強く願う。
コラム:Tech総研秘密工作員 ピンク少佐がアキバ電子工作室に潜入!
Tech総研ブログの中でも異彩を放つ「ピンク少佐の秘密工作室(公開終了)」。今回そのピンク少佐が特命を受け、今アキバで話題の『マルツメイク館:ハンダルーム』に潜入し、電子工作に挑んだ。初めてはんだごてを握るピンク少佐。無事にミッションクリアとなるのか?
ピンク少佐 ピンク少佐とは?
Tech総研ブログ「ピンク少佐の秘密工作室(公開終了)」を担当。公開のたびにたくさんのご意見が飛び交うTech総研レポート。世界中のネットワークを巡って、そのTech総研の「うわさ」を収集することをミッションとしている。
まずは制圧すべきキット選びから
今回のミッションは「電子工作」。普段「秘密工作」はお手のものなピンク少佐だが、自宅の家電ですらまともに使いこなせないほどメカにはめっぽう弱い。不安な気持ちを隠しつつ、平静を装いながら今回のミッションの舞台『マルツメイク館』に潜入する。

事前にキャッチした情報では「初心者でも大丈夫」「最近は女性も数多く参加」とのこと。その言葉を唱えながらまずはキットコーナーを眺める。店員さんと相談しながら今回制圧するターゲットを絞り込む。

店員さん「光るものなんか楽しいですよ」
ピンク「じゃあそれにします!」

いったいどれがどう簡単なのかまったく実感がないまま、なんとなくゴージャスな感じのする「かぜうらない」を選んだ。「かぜうらない」はセンサーに息を吹きかけると発光ダイオードが光り、止まったところで占いができるというもの。キットを片手に2階の「電子工作室」に向かう。細い階段に緊張が高まる。

ドキドキしながらドアを開けた「電子工作室」は小学校のときの図画工作室に似た、木の香りがしてどこか温かみを感じさせるスペースだった。想像よりアットホームな雰囲気で少しほっとする。

店員さんが今回使う工具を目の前に並べてくれた。戦いでいうならば装備の数々である。右側にあるこれがうわさの「はんだごて」か。緊張は最高潮。キットを開ける手が震える。
ピンク少佐、はんだの美学を知る
キットの中身を専用のトレイに並べ、いよいよミッション開始。お店が忙しいにもかかわらず、私のフォローをする羽目になったやさしい店員さんから今回の作戦についてブリーフィングを受ける。はんだごての使い方(鉛筆のように握る)を習い、まずJ1〜J10までの抵抗を基板に装着することからスタート。

店員さん「まずはんだごてでつける場所を2秒くらい温めてからそこにはんだを溶かし、一呼吸おいてはんだごてを離すとうまくいきます」。

ああ、たったそれだけの何とむずかしいことか。溶けた瞬間、煙がでるから大事なところが見えないではないか。聞いたところ、はんだの理想の形は「富士山」。底辺がきちんと密着し、上に向かって三角形になるのがよいらしい。その一方、だめなはんだは「芋はんだ」と呼ばれる。私の「愉快な芋はんだの仲間たち」を店員さんに丁寧に直していただきながら、黙々とはんだを続行する。途中あまりにもひどいはんだは吸い取ってやり直しができることを知る。

終盤やっとのことでキットの目玉である発光ダイオードに。今までと違い、基板に差す向きを間違えたら光らないというスリリングなフェーズだ。閉店時間が押しているプレッシャーの中、「ああっ!」とか「やば!」などの恥ずかしい独り言全開で、最初よりは少しはスピードが上がったはんだとともに組み立てを終える。

「ほんとにこれでいいのだろうか」

とドキドキしながらスイッチを入れる。かすかながら動いた、よかった! その後店員さんの調整を受けて完成。ここまでで約3時間。初めての電子工作はとても新鮮でつい夢中になってしまった。いつも使っている家電たちもみな内部はこうなっているんだろうなと、感慨深い思いでミッションクリア後、ネオンが美しいアキバ電気街を眺めるピンク少佐であった。
  まずはキット選び。ピンク少佐が手にしたのは……
  かぜうらない。さわやかなネーミングに惹かれて
  こういう細い階段には敵が……
  工具の数々。右上にあるのが例のはんだごて
  初めて見る回路図と設計図を凝視するピンク少佐
  人生初のはんだごてを握りしめ、チャレンジ開始
  ああ、芋はんだが生まれる瞬間
  なるほど、リズム感を大切にしなくては……再チャレンジ
  最後のねじに祈りを込めて
  無事完成。ありがとうございました!
今回おじゃましたお店はこちら マルツメイク館「秋葉原電子工作・作業スペース:ハンダルーム」
秋葉原でおなじみの「マルツパーツ館」が運営する電子工作スペース。工具類が充実しており、パーツ館で買った部品を持ち込み自由に組み立てできる。また週末のセミナーは毎回満席になるほどの人気。教室には数々の作品も展示されている。
〒101-0021 東京都千代田区外神田1-6-6 
TEL:03-5289-0002 営業時間:10:00〜20:00 
URL:
http://www.marutsu.co.jp

「アキバにはモノづくりのすべてが集積している」−電子営業部部長、土谷さん
全国展開しているマルツパーツ館ですが、秋葉原は特に商品に詳しいお客様が多く新商品についてのレスポンスが敏感で大変刺激的です。メイク館のセミナーを希望されるお客様にはエンジニアの方も多いんですよ。IT系技術者の方がハードウェアの知識を身につけるために受講されるケースもあります。
開設して1年以上たちますが、最近ますますたくさんの方にご支持いただいており、今後はセミナーや工作教室の地方開催など、さまざまな活動を計画しています。
お店・人・情報といったモノづくりに関することがこれほどまでに集積しているアキバの中で、こちらのメイク館が電子工作を愛する方たちの層を広げるきっかけになれたらうれしいですね。
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ピンク少佐(総研スタッフ)からのメッセージ ピンク少佐(総研スタッフ)からのメッセージ
エンジニアの方々から「アキバが萌えの街になってしまうのは寂しい」という声をよくうかがいますが、今回の取材を通して「まだまだアキバ電気街の灯は明るい」と感じました。コラムでご紹介したハンダルーム人気が示すように、新しいかたちをとりながらもアキバの「モノづくり熱」が再燃することを期待します。さあ、はんだごて未経験のあなた、もしよろしければピンク同様、初めての電子工作に挑戦してみませんか。ご一緒にはんだのリズムを刻みましょう。

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