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今回、Tech総研で200人の自作PCを組んでいるエンジニアを対象に、自作PCについてのアンケート調査を行った。自分好みのスペックで、安価に作れる自作PC。特にどんなトコロが魅力か聞いてみた。 自作PCの魅力、その第一位は「パーツ単位でカスタマイズできる」というもの。パーツ単位で自由に組むことで、無駄な機能を削り、最大限に自分の求めるスペックを強化することができる。しかも故障したときにパーツを取り替えることで、メーカーに依頼して高額な料金と日数をかけることなく修理できることも、パーツ単位のカスタマイズにおける魅力のひとつとして挙げられた。なかには「完成品だとどのメーカーの部品を使っているのかわからない。それぞれ好きなメーカーの部品を使いたいから自作している(39歳 男性 生産技術、プロセス開発)」という声も。 |
続いて第二位はコストパフォーマンスのよさ。こちらはバルク品やジャンクを利用して、拡張性よりも安価に作ることが目的のようだ。そして第三位、第四位は、「作るのが楽しいから」「PCの勉強になるから」という、まさにエンジニアらしい回答。「最近では既製品のほうが安価であることも多いので、結局のところ好きだから自作PCを使っているという理由が一番かも(31歳 男性 システム開発(汎用機系))」という声に代表されるように、パーツの組み合わせをあれこれ考え、組み立てていく過程を楽しむエンジニアが多いようだ。 なお、少数意見ではあるが、「奥さんの目をごまかしつつ新しいPCを手に入れるため。ケースは10年前のものだが、中身はnForce430+Athlon 64 X2でVista Ready(39歳 男性 パッケージソフト・ミドルウェア開発)」という隠密派の存在も。見た目を変えずして中身を変えられるところも、またひとつの魅力なのかもしれない。 |
パーツまでこだわれるのが、自作PCの魅力。すべてのパーツをハイエンドにしたいとこだが、どうしても予算は限られる。そんなジレンマと戦いつつ、自作PC派のエンジニアがどうしても譲れないパーツは何だろう。回答の多かったものからご紹介していく。 |
アンケート結果の第一位はやはりCPU。製品名まで聞いてみたところ、回答者の使用しているCPUは、Intel社のCore2QuadやXeonといった高性能の製品が散見され、その主な目的は「仕事」か「ネットゲーム」と両極端。どちらにしろPCを常時稼働させているケースが多かった。また、「あえてIntel社ではなく、価格を抑えてシェアトップに挑むAMD社のCPUを使用している(32歳 男性 サービスエンジニア)」という、メーカーへのこだわりを見せる声も目立った。 |
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第二位は、使っているパソコンをできるだけ静かにするための静音パーツがランクイン。できればファンレスが望ましいとしながらも、大口径ファンの低速回転で静音化を目指したり、ケースを工夫したりと音を消すためのさまざまな対策を行っているようだ。気になりだすと止まらないパソコンの音。特に家族への配慮から静音を工夫する既婚エンジニアたちの努力が光る。 |
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続いて声が多かったのは、「メモリの容量」。処理スピードの向上のために「メモリは予算の許す限り積めるだけ積む」という声が多かった。また、回答者の特徴として、常にアプリケーションを立ち上げっぱなしにして取引を行いたい人が多いためか、使用目的にオンライントレードを挙げる人が目立ち、静音については「慣れれば気にならない」と重要視しない傾向が見られた。 |
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ランキング第四位は、インテリアの一部として見た目のデザインにこだわっているエンジニアからの声が多かったPCケース。せっかく自分の好みに組めるのであれば、外観も気に入ったものにしたい!という意識が高く、LEDを使うなどスタイリッシュなデザインを求める人と、コンパクトな筐体を求める人、またエアフローを意識した設計を重要視する人の3パターンに分かれた。 |
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第五位はHDD。もはや画像ファイルなどでなく、容量の大きいテレビの録画データなどを大量にハードに保存しており、とにかく容量重視で自分のPCを強化したいという声が多く集まった。また、故障時にも対応ができるよう、RAID構成で使っているという意見が多く見られ、データの保護という観点から、信頼性のあるメーカーのHDDを使用する傾向が高いようだ。 |
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それでは自作PCって、具体的にどんなところが楽しいのか? エンジニアの自作にかける熱い思いを聞いてみたところ、そこにはエンジニアという職業との、深いかかわりが見えてきた。自作PCのプロセスと仕事の楽しさ、ひょっとして共通しているのではないだろうか? |
低予算で最高の組み合わせを見つけるために、あらゆる可能性を追求する点。高額なメーカー品と同等の能力を出せたときには達成感がある。(36歳 男性 品質管理、製品評価、品質保証、生産管理) |
あのパーツを使って、このパーツを使って……と悩んでいる時間。すごく楽しいです。例えるなら宝くじを買ってこれが当たったらこれしてあれして、って頭を悩ませている時間と似ている。もちろん組み上がったときに思うように動作した喜びもありますが。(36歳 男性 運用、監視、テクニカルサポート、保守) |
うまくいかずにトラブルではまってから、必死になって復帰させるのが意外に楽しい瞬間だったりする。(32歳 男性 品質管理、製品評価、品質保証、生産管理) |
既存のパーツを生かしつつ、新パーツとの組み合わせを考える時が、自作PCを作るうえでのいちばんの腕の見せどころでしょうか。(32歳 男性 システム開発(Web・オープン系)) |
何よりも物を組み立てる行為が楽しい。プラモデルと同じ感覚。トラブルシューティングさえ、自分で解決したときは難しいパズルを解いたような感覚になる。(35歳 男性 素材、半導体素材、化成品関連) |
OSをインストールし終わってほっとしたあと、お茶を飲みながらケースを眺めつつ、性能を確かめるために複数のベンチマークを走らせてみるとき。(38歳 男性 パッケージソフト・ミドルウェア開発) |
まだまだ改善の余地があると思うのでとことん突き詰めていきたい。そんな不完全なところを一つひとつつぶしていくのが楽しかったりする。きっと一般の人にはわかっていただけないと思うけど……。(27歳 男性 社内情報システム、MIS) |
ここまで自作PCに寄せるエンジニアたちの熱い声をご紹介してきた。でも、いいことばかりではなく、気をつけたい点もある。例えば「地方ではパーツが手に入りにくい」「相性の問題もあり、不具合の特定が難しい」「データ破損やトラブルは基本的に自己責任」「衝動買いや失敗などで、結果的に無駄遣いをしていることがある」などが挙げられる。 それでも世界で一台だけの理想のパソコンを作る過程は、構想を練るときも、購入するときも、組み立てるときもきっと楽しいだろう。また、壊れた部分を取り替えることで、末永く使うこともできる。もしあなたが自作PCに興味をもったなら、ぜひその世界を楽しんでみてほしい。 |
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