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先輩「まだできないの」新人「じゃアンタがやれよ!」先輩「…」  あぁ恥ずかしい!Deleteしたい新人時代の暴言・暴挙
フレッシャーズが入社してくるこの時期。その初々しい姿を見つめながら、自分の新人時代を思い出す人も多いだろう。新人時代にはだれしも1つや2つ、恥ずかしい失敗があるもの。そんな赤面ものの失敗から、取り消したい暴言・暴挙までを一挙紹介。
(取材・文/綿谷禎子 総研スタッフ/タニー只野 イラスト/ヒジオカヨシヒコ)作成日:06.04.12
その1 だれもが一度は経験してる「3つの失敗パターン」
 今では中堅クラスのエンジニア300人に、新人時代の失敗についてアンケートを行った。かわいいところでは「専門用語がわからず、知ったかぶりをしたが、使い方が間違っていた(ネットワークエンジニア・28歳・男性)」というものから、「1年間で10個程度しか使わない備品を、出入り業者にそそのかされて100個も購入してしまった(品質管理・31歳・男性)」というツワモノまで、さまざまな失敗談が集まった。
 しかしよくよく内容を吟味していくと、コミュニケーションや仕事に対する配慮不足を原因とする失敗が多いことがわかった。そこで新人がよくやってしまう3パターンの失敗をピックアップ。フレッシャーズなら先輩の失敗を繰り返さないよう、管理職の人なら新人のありがちミスを参考にして、トラブル回避に努めよう。
うっかり自宅と同じ振る舞い「オフィス機器は自分のモノではありません」
新人時代は何事も初めての経験。ちょっとした配慮や気付きがなかったために、失敗してしまうケースも多い。「なぜ、この配慮ができなかったんだ!」と思っても後の祭り。新人の方は、くれぐれも自分が会社の看板を背負っていることをお忘れなく。
大事なプレゼン中、同席していた上司の目が怖いので、何かと思ってプロジェクターを見てビックリ!アニメのスクリーンセイバーが立ち上がってしまった。(システム運用・33歳・男性)
大失敗の末に・・・
同席していた上司は明らかに怒っていた。でもお客様には笑っていただけたので、その場の雰囲気が和んだ。個人的にも緊張が解けて、そのおかげでベストなプレゼンができたと思う。終了後、上司は何か言いたげだったが、プレゼンが思いのほかうまくいったので、おおめに見てくれた。ただ、しばらくアニメキャラの名前でからかわれた。
助けられたひと言
スクリーンセイバーが立ち上がってきて、「どうしよぉ〜」と焦っているときに、すかさず「弊社はセキュリティ対策を徹底しているので、スクリーンセイバーの設定時間が短いんですよ」と先輩がお客様にフォローしてくれた。
まだある!うっかり自宅と同じ振る舞いの暴言・暴挙
社内の内部にて、他部署の人間とメールで議論。メールのあて先に社外の人も入っていることに気付かず、激しくメールをやり取りした。
(品質管理エンジニア・38歳・男性)
大失敗の末に・・・
 
自分的には他部署のなじみのある人間だけと話しているつもりだったので、メールに遠慮のない言葉や暴言が多かった。それがそのまま開発に関わった他社のエンジニアに伝わってしまったので、内部的な議論が筒抜けになっただけじゃなく、「名誉毀損」の勢いで大変なクレームに至ってしまった。
助けられたひと言
 
社外の人間たちに会社に乗り込まれ、ひたすらお詫びした。上司からもこっぴどく怒られると思いきや、「メールのあて先にも注意しろ」とひと言。大反省したので、それ以降は、どんなに時間がなくても、メールのあて先を確認している。
受注開発していたソフトウェアのテストで、無意味なテストデータを登録することに飽きたため、中島みゆきの歌などをテストデータとして登録していた。
(SE・35歳・男性)
大失敗の末に・・・
 
そのハードコピーがテスト結果としてクライアントに納品され、上司から「大恥をかいた!」と苦情を言われた。ひと言「納品物だ」と教えてくれていれば、こんなことはしなかったのに……。
助けられたひと言
 
「まぁお客様は楽しんでたけどな」と、苦情を言いつつもフォローしてくれた。正直、ホッとしたので、自分の1年後輩も同じことをしたときに見逃してあげた。
コミュニケーションが学生レベル「先輩やお客様は、友達ではありません」 
学生時代の人間関係は主に横のつながりだったが、会社に入ると縦のつながりが多くなるもの。お客さまはもちろん、上司や先輩へのコミュニケーションで失敗したために、大きなトラブルになってしまうこともある。
残業が多く、ストレスがたまっていた新人時代。先輩から「まだできないの?」と皮肉っぽく言われ、「じゃああんたがやれよ!」とぶち切れた。
大失敗の末に・・・
みんなもくもくと作業をしているので、僕の声が職場に響き渡った。打ち合わせをしている人さえかたまってしまうほど、職場が一気に凍り付いた。
助けられたひと言
直属の上司が親切な方だったので、かばってもらえた。仕事が多くてストレスがたまっていることを力説してくれたので、それ以降しばらく、みんなが僕のことを気遣ってくれた。
まだある!コミュニケーションが学生レベルの暴言・暴挙
トラブルが発生して、急な訪問を依頼されたとき、行かなきゃいけないA社ととてもよく似た名前の会社があり、そちらに駆けつけてしまった。
(サービスエンジニア・29歳・男性)
大失敗の末に・・・
 
トラブルが発生したA社には、急きょ、別のエンジニアを走らせ、僕が駆けつけた会社には、上司が謝罪に来てくれた。その後、A社の担当者にはこっぴどく怒られたが、僕が駆けつけた会社の担当者からは、「トラブルと聞いてすぐに駆けつけてくれるいい人」と思ってもらえた。
助けられたひと言
 
「トラブルのときは、自分よりもお客様のほうがもっと焦っているのだから、お客様の立場に立って考えれば落ち着ける」と上司がアドバイスをしてくれた。そのときに、お客様のことを考えず、サービスマンをしていたことに気付いた。
顧客から故障の電話。いつも些細なことで電話してくる顧客だったので、できるだけ電話だけで終わらせようとしたら、逆に機械が完全に壊れてしまった。
(サービスエンジニア・30歳・男性)
大失敗の末に・・・
 
隣の席で私の電話を聞いていた先輩が早急に謝罪に向かい、すぐに修理して対応してくれた。結局、私は全然違う故障の説明をしていたようで、先輩から怒られ、知識不足の点も指摘された。
助けられたひと言
 
「電話で故障の対応ができるのは、いくつもの現場を経験して、その経験が生きた成果。そんなスペシャリストになるためには、現場での経験を一つひとつ積み上げること。それこそがプロの仕事だ」と言われて感動した。
知ったかぶり、思い上がりは新人の常「社会は思う以上に厳しかった……」
新人時代は知識がないために、何の恐れもなく、とんでもないことをしでかしてしまうケースも多い。経験を積んだ今から考えれば、土下座しても済まない失敗の数々。心に刻んで、絶対に繰り返さないよう注意したい。
「マシン(UNIXマシン)の電源を切っておいて」と先輩に言われ、職場にあった全マシンの電源ボタンを次から次へと押して、電源を落としていった。
大失敗の末に・・・
僕が電源を落としたマシンの中には、ヒートラン試験を実施していたマシンがあり、試験は台なし。当時は「シャットダウン」なる工程も知らなかったので、それまでのデータもパーになった。翌日はもちろん大混乱。納期が迫っていたため、プロジェクトを上げての修復作業となってしまった。
助けられたひと言
「(何も知らない新人に)電源を切っておいて!と頼んだ俺が悪かった」と、指示した先輩がとても気を使ってくれた。その先輩が矢面に立ってくれたので、僕への苦情は一切なし。修復作業にも参加させてもらい、一気に知識を増やすことができた。
まだある!知ったかぶり、思い上がりの暴言・暴挙
立ち上げまで2日というときにシステムに問題が起こったが、徹夜すれば少々の無理はできると思い上がって、「私ひとりでできます」と豪語した。
(テクニカルサポート・36歳・男性)
大失敗の末に・・・
 
徹夜してひとりで修正すると豪語したものの、思いのほか作業が大変で、朝までに終えることができなかった。結局、先輩たちが助けてくれて、修正を仕上げることができた。それ以降、私の言葉を信用してもらえなくなっただけでなく、しばらくひとりでの作業を全くさせてもらえなくなった。
助けられたひと言
 
結局、先輩たちの助けをかりることになり、情けないやら、申し訳ないやらで、いたたまれなかったとき、当時の部長が、「徹夜はできない人間の言い訳だ」と私を一喝。自分の思い上がりをつくづく反省した。
顧客との商談のとき。顧客に対して、自社の予算を元に説明をしてしまった。もし仮にあのまま商談が進んでいれば、利益がまったくでないどころか、赤字になっていた。
(ネットワーク設計・38歳・男性)
大失敗の末に・・・
 
商談に同行していた上司が瞬時に私の間違いに気付き、新たに説明を加えてくれた。顧客側でもうすうすその数字が原価であることに気付いていたが、新入社員の私の言ったことに対してツッコむことなく、上司の話のほうを聞いてくれた。
助けられたひと言
 
顧客が気を利かしてくれて、私のミスを最小限にとどめてくれた。そのことにひたすら感謝。上司からは、「常に原価意識を頭において顧客と話をするように」と言われた。
その2 失敗経験を上手に生かして次の成功へ
 今回のアンケートで、新人時代には誰しも1つや2つの失敗があることがわかった。また、失敗をしたときには、上司や先輩たちから親身になってかばってもらったり、適切なアドバイスをもらっている人が多いこともわかった。
 他人との関係が希薄になりがちな世の中だけに、失敗をした人には冷たい仕打ちが待っていると思いきや、意外や意外、失敗後の周囲の対応は、想像以上にあたたかい。それはきっと、だれもが失敗による苦い思いを経験しているから。
 できることなら失敗はしたくはない。しかし失敗から得られる気付きや知識ほど、大きな影響を与えてくれるものもないだろう。

 今回のアンケート対象者に、「今でも自分の行動や発言に、『新人らしさ』を感じることがありますか?」とたずねてみたところ、8割以上が「かなり感じる」と「そこそこ感じる」とこたえた。失敗にくじけるのではなく、失敗をバネに10年後、今の自分を『若いな』と思えるようになりたいものだ。
今でも新人らしさを感じることがある?
失敗を乗り越えられた、先輩のアドバイス
常に自分のキャパシティを把握し、できないことははっきり断ることも必要だ(上司より)
とにかく報・連・相(ホウレンソウ)をちゃんとするように(上司より)
自分の担当する業務だけでなく、常に部署全体の流れを把握していないと、組織人とはいえない(先輩より)
たとえその機械がわからなくても、取りあえず現場に行って機械を見てくるのがプロの仕事だ
(上司より)
うまくいってもいかなくても、徹底的に追求すること(上司より)
やってみて気がつくことも多い。自ら学ばないヤツは伸びない(上司より)
チームワークは最低限必要なこと。スキルがあっても周りの協力が得られない技術者では成長できないし意味がない上司より)
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  タニー只野(総研スタッフ)からのメッセージ  
タニー只野(総研スタッフ)からのメッセージ
あのときは、自分が間違っていると思わなかったんです。自分の部屋よりせまーい視野で、当時の上司に対して物申していました。しかし当時の上司はゆっくりと、私の暴言の一つひとつに丁寧な回答をしてくれました。そのときのありがたさ、自分に対しての恥ずかしさが、現在の後輩への対応の礎になっています。まだまだですけど。

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