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景気回復であなたの技術力を生かすチャンス到来!
今こそリベンジ転職で本命の仕事をつかむ
エンジニアの転職市場が活況だ。ならば今は、就職時には雲の上の存在だった業界・職種や、 キャリアを重ねるうちに惹きつけられるようになった技術分野に転身できる時期ではないだろうか。転職で憧れの仕事に就いたエンジニアを追った。
(取材・文/中村伸生 総研スタッフ/木下ミカエル 撮影/平山諭)作成日:04.08.18
Part1:エンジニアたちの「リベンジ転職」実例FILE
 最近の景気回復傾向と足並みをそろえるように、人材市場が大きく動いている。
 今まで以上に、企業では職域や業界の枠を超えた活発な採用が見られるようになった。

 そんな中、満を持してこの時機に、長く憧れてきた業界・職種・技術領域に転身する「リベンジ(本命)転職」がエンジニアたちの間で注目を集めている。
 今年に入ってリベンジ転職を果たした2人のエンジニアに本命の仕事をつかむまでの軌跡を聞いた。

CASE : 1 電子部品メーカーエンジニア → 自動車会社 → EMCコンサルタント
株式会社図研 山本悦史さん(34) 仕事軸に重点を置いた転職活動で、 本当にやりたいことができる「場」に出合う ◆この春、EMCのスキルを存分に生かせるコンサルタントに
山本悦史さん 株式会社図研勤務。バブル崩壊後の就職難の中で大学工学部を卒業し、電子部品大手に就職。自動車会社勤務を経て、EMCコンサルタントとして現職へ。
 山本さんは今年5月、株式会社図研に入社し、EMCコンサルタントとしての活動をスタートしたばかり。
EMCとは、簡単に言えば電気・電子機器から電磁ノイズを出さない、あるいは電磁ノイズ対策のための技術だ。

 山本さんは、セットメーカーに対し製品の開発段階からEMCに関する専門性の高いコンサルティングを行い、必要に応じてEMCソリューションを提供する業務も担当している。
◆自動車会社就職への望みはかなわず。EMC関連技術を磨き始める
 山本さんはバブル崩壊直後に就職活動時期を迎えた。すぐ上の先輩たちとは一変し、就職状況が悪化した年代である。
 山本さんも工学部機械科であることから自動車業界を希望したが望みはかなわなかった。それでも何とか一部上場企業A社に入社することができた。ただし、職種は電気・電子回路のエンジニア。

 だが、入社後は心機一転し、その後10年にわたって現在のスキルにつながるEMC関連の技術を磨いていった。この分野で世界的な権威をもつNARTE認定エンジニアの資格を取得したのもこの時期である。

 そんなある日、山本さんは学生のときの第一志望だったB自動車がノイズ関連の技術者を募集していることを知った。
「憧れの自動車業界。しかも学生時代の第一志望企業。すぐに応募しました(笑)」

 B自動車には2003年9月に合格。ところが、入社すぐに「しまった」と思ったと言う。
「完成車メーカーは、いわばアセンブリメーカー。電子部品はサプライヤーが開発していて、私の担当業務はそうしたサプライヤーの調整だったのです」

 B自動車に転職したことにより、山本さんは本当にやりたいことが判明したと語る。
「今度は仕事軸に重点を置いた転職活動です。EMCのスキルをストレートに生かせる仕事を探し始めました」
◆自分のスキルを求めている世界がきっとあると考えていた
 携帯電話やデジタル家電など近年の電子製品は回路の集積度が進み、電磁ノイズの処理がいっそう難しくなってきている。

 EMC技術がさまざまな電子製品開発におけるキーテクノロジーであることをA社時代に肌で感じていた山本さんは、このスキルを磨く努力を怠っていなかった。

「国際的な資格を取るほかにも、半導体メーカーや計測機器メーカーのエンジニアと共同で技術セミナーを開催するなど、精力的に動いてきました。転職活動では、この技術が大きな市場価値をもち、自分のスキルを大いに生かせる場所は必ずあると信じてきた。それが現在につながったのだと思います」

山本さんが「リベンジ転職を果たすまで」
1993年
電子部品A社入社
ノイズフィルターの開発部門に配属。EMC技術に取り組み始める。本当は自動車会社の設計部門に行きたかった。
2000年
EMC技術認定資格「NARTE」取得
国際的な認定資格を取得。この分野でやっていく自信がもてた。このスキルをより有効に生かしたいと考える。意識的に他社のエンジニアたちとのネットワークも築く。
2003年
自動車メーカーB社へ転職
学生時代から憧れていたB社。ところが入社後に自分のキャリアが生かせないことを痛感。このままではまずいと再度、EMCスキルを生かせる転職先を探しはじめる。
2004年
株式会社図研入社
ようやく自分のスキルを存分に発揮できる企業に出合う。EMCコンサルタントの第一歩を踏み出す。
EMCラボで。クライアントから依頼された課題解決のために試験を進める。
CASE : 2 プラント工事会社→自動車設計会社
株式会社日産テクノ 三富敬さん(30)どうしても設計がやりたい!自発的に設計スキルの維持を図り、自動車設計の現場へ ◆就職、そして転職で設計業務を究める
三富敬さん
三富敬さん 株式会社日産テクノ勤務。大学工学部を卒業し、プラント工事会社に就職。当初は設計エンジニアとして活躍するが、設計部廃止を機にほかの業務を転々。今年1月に転職し憧れの設計職に復帰。
 三富さんは大学で精密機械を専攻。その当時から就業先に対する希望はただひとつ、設計がやりたいということだった。だから1998年に精密機械の対極にも思えるプラントの工事会社C社に新卒入社したのだが、設計部の配属であり、仕事内容には満足していた。

 そんな三富さんは現在、株式会社日産テクノで自動車ドアの設計に携わっている。機械設計エンジニアとして順当な転職に見えるが、ここに至るまではさまざまな紆余曲折があった。
◆突然の設計部廃止。設計業務からどんどん離れていった日々
 C社時代、三富さんの設計エンジニアとしての立場は突如として崩れた。
「長引くプラント不況もあり、仕事量が低下。設計部が廃止へと追い込まれたのです。仕方なく保守対応のエンジニアになりました」

 でも、そこはまだよかった。現場の設計対応が少しはあったからだ。
「しばらくして関連のシステム会社に転籍となり、FAシステムの試作機の調達から、揚げ句の果てには端末の手配業務などまで任されるようになったのです」

 設計に携われない"不本意"な日々が続いた。
「このままでは機械設計者としてのスキルが停滞してしまうという危機感が常にありました」
◆設計スキルの維持に努めたことがリベンジ成功の秘訣
 しかし三富さんはそこであきらめなかった。
「設計への配置転換を希望するとともに、社内の些細な設計業務でも、ぜひ自分にやらせてほしい、とアピールし ていました。
 また、モーターの勉強会に進んで参加するなど、スキル維持に努めるようにしていました」

三富さんが「リベンジ転職を果たすまで」
1998年
プラント工事会社C社に入社
大学工学部を卒業後、製鉄プラント設計に携わる。精密機械専攻だったが、大規模なプラントの設計も面白い。充実した日々。
1999年
C社設計部廃止
製鉄プラントの保守業務に配置転換される。上司からは、いったん現場に出て技術を身につけろと言われ、保守エンジニアに。
2000年
C社関連のシステム開発会社に転籍
機械設計からかなり遠ざかる。設計の仕事がしたいと転職を決意。自ら設計スキルの維持に努めながら、チャンスをうかがう日々が続いた。
2003年
エンジニア派遣のD社に応募
合格したもののD社には行かなかった。設計以外の業務に派遣されるかもしれないと考えたからである。
2004年
株式会社日産テクノに転職
憧れだった自動車開発会社で、スライドドアの設計に携わる。
日産テクノの面接時には、設計への思いや、不本意な状況ながらもコツコツとスキルを磨いていることを訴えた。
「内定が出たときはうれしかったですね。自動車関連、しかもメーカー直系の開発企業なんて、夢のまた夢だと思っていましたから」

 現在、三富さんは新型ミニバンのスライドドアの設計を担当している。安全性を確保しつつ軽くスムーズに開け閉めできるドアを目指し、さまざまな設計課題に挑む日々だ。

 三富さんは、武士がいつ戦となってもよいよう刀を研ぎつつ鍛練していたように、設計エンジニアとして採用されるための努力を重ねていたのである。リベンジ転職は"一日にしてならず"なのかもしれない。
Part2  あなたなら、リベンジ転職をどう狙う? 現在はリベンジ転職をする絶好のチャンス?
 状況からいえば、確かに今こそリベンジできるチャンスが到来しているようだ。
例えば、めったに採用が行われていなかった化学・材料メーカーの研究職でも、異例の中途採用が見られているとリクルートエイブリックのコンサルタントである瀧田幹氏は語る。

「研究職に関しては院生を新卒でしか採用してこなかった材料メーカーが、学部卒者を中途で 正社員として採用したケースなど、現在の需給バランスを象徴した出来事です。

 以前から中途採用に門戸を広げていた自動車・機械メーカーなどはもっとオープンになりました。ライバル企業やパートナー企業はもちろん、部品サプライヤー、そして異業種にまで 採用の対象範囲を広げているのです」
これまでの蓄積―年齢相応の経験とスキルは軽視できない
 では、そうした久々の売り手市場の中で、リベンジ転職を実現させるにはいちばん何がポイントになるのだろうか。

「基本的なことですが、年齢に見合った経験と技術スキルを持ち併せているかどうか。どの年代でどんな業務を任されているかは、ひとつの評価基準なのです」(瀧田氏)

瀧田氏が指摘する「年代ごとに企業が求める経験とスキル」について、下の表にまとめてみた。
企業がエンジニアに求める経験とスキル
 あらためて過去の業務内容と蓄積したスキルを整頓してみることで、企業側にアピールできる要素や、現在の勤務先で準備しておくべきことがはっきりするのかもしれない。

「そして何よりも重要なのは、転職して何を目指していきたいのかということ。ここが自分の中で明確なら、新しいプランを語れることでしょう」(瀧田氏)

 新しいプラン=夢を実現させたいという強い思いや信念。
 Part1で紹介したエンジニアのように、本当にやりたい仕事は何かを見極め、そこをあきらめることなく追い続けることが、リベンジ転職実現には欠かせないようだ。
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木下ミカエル(総研スタッフ)からのメッセージ
紆余曲折を経て、「やりたいこと」が見えてくる。さらに、「やりたいこと」に向かって、虎視眈々とチャンスを狙っていく。憧れの仕事を追う「熱さ」の一方で、今、自分が置かれた現実を眺める「クールさ」も会ったお2人から感じました。あなたの場合はどうですか?「リベンジ転職」への思いや体験などお聞かせください。

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