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エンジニア100人のクチコミでわかった!“スカウト登録”の賢い活用術(2)〜理想と現実のギャップ修正〜

自分のキャリアを匿名で公開し、企業からのアプローチを待つ「スカウト登録」。このスカウト登録について、100人のクチコミから賢い活用術を探る。第2回目は自分の市場価値の理想と現実のギャップをどう修正するかについてレポート。
(取材・文/栗原知女 総研スタッフ/山田せいめい イラスト/岡田 丈)作成日:04.07.14
はじめに スカウト登録とは
まず、リクナビNEXTスカウトに自分の履歴書を登録する。自分のキャリアが求人企業のニーズにマッチすれば、オファーが企業から直接届き、自分から探さなくても転職活動ができる。在職中に転職活動をする人や、地方在住者にとっては、時間と手間を省けるメリットが大きい。
その1 「市場価値の理想と現実のギャップを知らされた!」エンジニアのスカウト登録活用のメリット
スカウト登録をした後、企業から届くオファーの数や、その企業の規模、業界内ポジションからの類推で、自分の市場価値が客観的にわかる。アンケートの中には「理想と現実は違っていた。自分の力不足を知らされた」という声が1割ほどあった。「社内の評価が高かったので自信過剰になっていた」「世の中の厳しさを知らされた」等々。だれでも自分自身を客観的に評価するのは難しく、少々甘くなりがちだ。その点、スカウト登録をしておけば、常時、社外に開かれた窓ができ、そこから自分の等身大の市場価値が見えてくる。現実の厳しさを知った後で、どのように反省し、行動を変えるかでその後の活動の成否が決まってくるだろう。
クチコミアンケートで寄せられた、リクナビNEXTスカウト利用者の声
「中小企業からのアプローチは多いものの大企業からのアプローチは少ない。これはつまり、まだ大企業が求めている即戦力が足りないことである」(ソフトウェア・ネットワーク関連 25歳)
「オファーの数やアクセスランキングで客観的な自分の価値の低さがわかった。キャリアを積まねばと励みになった」(ソフトウェア・ネットワーク関連 29歳)
「現在の会社では精鋭部隊として評価されており、社外の評価もそこそこではないかと思っていましたが、実際にはスカウトの件数が少なく、自分の評価はまだまだ低いのだなと実感し、うぬぼれであることがわかりました」(ソフトウェア・ネットワーク関連 33歳)
その2 [ケーススタディ] 大企業志向を見直し、企業選びの視野が広がった
〜自動車開発エンジニア I さん(27歳)の場合〜
Iさん プロフィール
27歳。専門学校でメカトロニクスを専攻し、大手自動車メーカーの開発部門に3年2カ月勤務した後、大手企業の自動車部品開発部門へ転職。すぐに先進的プロジェクトを任され、仕事内容と待遇には満足しているが、地方勤務がネックだった勤務地には不満。結婚後の生活を考え、首都圏の企業への転職を決意した。
 スカウト登録してから1年たつが、記憶に残っているオファーの数は20通ぐらい。「期待よりも数が少なく、自分の希望と合わない会社ばかりでした」という。自動車開発エンジニアの仕事は他人から「すごい」といわれることが多いので、「少々自信過剰になっていたかもしれません」。オファーをくれた中から1社の面接を受けに行ったが、専門知識に関する口頭試問に答えられなかった。「身をもって世の中の厳しさを実感しました」。

 I さんが自分の市場価値について理想と現実のギャップを知り、自分自身や企業に対する見方を改め、転職活動への取り組みを変えていったプロセスを追ってみた。

 エンジニアならだれでも陥りやすい、「市場価値が客観的に見えなくなる」症状を改めるのに役立つ、I さんの3つのスカウト登録活用術を紹介。
I さんのスカウト登録活用術
その1
現実の厳しさを知り、等身大の市場価値が見えてきた
「一生のうちで3社ぐらい会社を経験したい」というI さんにとって、今回は最後の挑戦。東京に住む婚約者との結婚を機に、首都圏へ移りたいというのが一番の動機で、1年ほど前にスカウト登録した。現在の会社もその前も一部上場企業であり、待遇は悪くない。「年収レベルは現状よりも落としたくないし、大手企業がいい」と思っていたが、オファーをくれたのは、I さんが知らない企業ばかりだった。

「自信過剰だったのだろうか」と思いつつも、オファーをくれた中の1社の面接を受けた。職務経歴については登録したレジュメでわかるためか質問はほとんどなく、専門技術のレベルを問う質問がいきなりきた。「応力に関する計算問題を出され、1問目はできたのですが、2問目に全く答えられませんでした。実は2問目は単に言葉の表現を変えただけで、1問目と全く同じ答えだと教えられ、自分の力不足を痛感しました」。

 同時進行で、某大手自動車メーカー2社の一般公募にも応募したが、いずれも面接で敗退。会社で使っていた計測器が、実は時代遅れのローテクだったことを面接担当者とのやりとりで知らされ、自分は「井の中の蛙」であったと猛省。計測器メーカーが実施する研修会に参加したり、専門書を勉強し直したりの自己再教育を開始した。
I さんのスカウト登録活用術
その2
大企業志向を見直し、小さくても優秀な企業の存在が視野に入ってきた
 自動車開発エンジニアとしての等身大の市場価値を冷静に見つめた結果、「大企業にこだわらなくてもいい」と思い始めるようになった。だが、大手企業以外は探し方がわからない。「オファーなら、自分が探せなくても、先方から自分を探してくれます。小さな会社であっても、ある特定の分野では世界でナンバーワンのシェアをもつところもあります。自分の知らない優良企業について新しい発見ができることが、自分にとってはオファーの最大のメリットです」。職場のエンジニア仲間とつき合うだけでは視野が狭くなると気づき、同じ寮に住んでいるほかの職種の人とも積極的に情報交換するようになった。「今までのキャリアを生かせる技術営業の仕事もいいかなと思ってみたり、業種や職種選びに偏見がなくなりました。また、オファーの数が少なかったのは、アピールが足りなかったせいかもしれません。希望職種を含め、修正していこうと思います」
I さんのスカウト登録活用術
その3
地方在住のデメリットを克服できる
 在職中の転職活動は、使える時間に制約がある。しかもI さんは、地方小都市に在住在勤で「刺激も少ないし、入ってくる情報が少ないので、都会に住んでいる人より不利ですね」。先進的プロジェクトを1人で任されて残業も多いという。「周囲の目があるので、転職活動のために頻繁に休みを取るわけにもいきませんが、オファーは夜や朝のちょっとした時間にチェックできるので便利です」。一般公募とは違い、お互いにメールをやりとりして相手の市場価値がわかったうえで会えるため、ムダがない。「ほかの地域への転職を希望する地方在住者にとっては、貴重な時間を効率的に使えるよい方法だと思います」。
オファーのメリットは、「出会いの効率化」だ。自分の市場価値を理解してくれる企業からオファーが届くので、ムダがない。自分自身の客観的評価や企業の選択基準がわからなくても、相手が自分を探し出してくれるのだ。

次回予告
次回は異業種への即戦力転職に備えるための活用術を紹介
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山田せいめい(総研スタッフ)からのメッセージ
前回に引き続き市場価値発見のケースをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?自分の市場価値に対する評価は、本人と企業の間で、また各企業の間でも大きな差があります。しかし普段はなかなか自分の評価を知る機会が少ないのも現実です。そんなとき、今回のIさんのようにスカウト登録を活用すれば、きっと今まで気づかなかった新しい自分に出会えるのではないでしょうか。

このレポートの連載バックナンバー

“リクナビNEXTスカウト登録”の賢い活用術

レジュメを匿名で公開し、企業からのアプローチを待つリクナビNEXTスカウト。実際にレジュメ登録している100人のクチコミから賢い活用術を探ります。

“リクナビNEXTスカウト登録”の賢い活用術

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